「何でもいいから日本語の本が読みたい!」。海外在住者なら、誰しも味わう問題だ。
「私は約8年間日本で生活した経験があり、中古本店で働いていたため、日本の本が大好きなんです。ですが、中国に帰国してみて、日本の書籍が手に入らないことに不便を感じました。そこで、自分で日本語書籍のお店を作ろうと思い立ったんです。店長を私が務め、パートナーである永田さんが日本からの輸入を担当してくれています」と語る宋さん。
2010年8月の開店当初は活字を求める日本人の客が大多数だったそうだが、最近では中国人客も増えていると言う。
「現在ではお客様の約4割が中国人です。大連は比較的親日都市なので、日本語を勉強していたり日本への留学経験がある人も多いんです。そのため、日本語書籍を求める中国人も多いですね。ネット販売も行っており、中国全土から問い合わせをいただいています」と宋さん。
とはいえ、中国で日本語の本を扱うという特殊な事情ゆえ、開店には大きな苦労もがあったそうだ。
「当時、日本人に関係の深い大連になぜ日本語書籍店が無いのか疑問でしたが、開店を決めてわかった気がします。まず、法的なハードルがあります。中国で日本語書籍を扱うには国の認可を受ける必要があり、輸入する本の内容にも審査があるんです。また、関税がかかるため、どうしても値段があがってしまう。新書ではなく古本中心にしたのも、関税により上がる価格を少しでも抑えるためです」と、営業には苦労が伴う様子。それでもお店を開店し、継続するモチベーションはどこにあるのだろうか。
「正直言って利益は薄く手間もかかるので、ビジネスと考えると割りに合わないかもしれません……。ただ、“日本語の本が手に入って嬉しい!”というお客様からの声を聞くと、やっていてよかったと思います。また、中国に日本の文化を伝えることができるのも大きな喜びです。将来的にはより多くの方に手軽に本を読んでいただけるよう、マンガ喫茶や、本のレンタルができないかを模索しています。私も永田さんも本が大好きなので、中国でも日本の本に触れてほしいという気持ちで頑張っています!」
海外居住者の強い味方となる日本語書籍店。
(rotten/studio woofoo)
中国の大連に、そんな活字に飢えた日本人の強い味方となる中古書店がある。今回紹介する『永東書店』は、中国では珍しい『日本語書籍専門店』だ。中国人店長の宋さんに、店舗開店の経緯や苦労を伺った。
「私は約8年間日本で生活した経験があり、中古本店で働いていたため、日本の本が大好きなんです。ですが、中国に帰国してみて、日本の書籍が手に入らないことに不便を感じました。そこで、自分で日本語書籍のお店を作ろうと思い立ったんです。店長を私が務め、パートナーである永田さんが日本からの輸入を担当してくれています」と語る宋さん。
2010年8月の開店当初は活字を求める日本人の客が大多数だったそうだが、最近では中国人客も増えていると言う。
「現在ではお客様の約4割が中国人です。大連は比較的親日都市なので、日本語を勉強していたり日本への留学経験がある人も多いんです。そのため、日本語書籍を求める中国人も多いですね。ネット販売も行っており、中国全土から問い合わせをいただいています」と宋さん。
とはいえ、中国で日本語の本を扱うという特殊な事情ゆえ、開店には大きな苦労もがあったそうだ。
「当時、日本人に関係の深い大連になぜ日本語書籍店が無いのか疑問でしたが、開店を決めてわかった気がします。まず、法的なハードルがあります。中国で日本語書籍を扱うには国の認可を受ける必要があり、輸入する本の内容にも審査があるんです。また、関税がかかるため、どうしても値段があがってしまう。新書ではなく古本中心にしたのも、関税により上がる価格を少しでも抑えるためです」と、営業には苦労が伴う様子。それでもお店を開店し、継続するモチベーションはどこにあるのだろうか。
「正直言って利益は薄く手間もかかるので、ビジネスと考えると割りに合わないかもしれません……。ただ、“日本語の本が手に入って嬉しい!”というお客様からの声を聞くと、やっていてよかったと思います。また、中国に日本の文化を伝えることができるのも大きな喜びです。将来的にはより多くの方に手軽に本を読んでいただけるよう、マンガ喫茶や、本のレンタルができないかを模索しています。私も永田さんも本が大好きなので、中国でも日本の本に触れてほしいという気持ちで頑張っています!」
海外居住者の強い味方となる日本語書籍店。
便利さ以上に、日本の文化を愛し広めようとするお店の姿を見て、なんだかやけに嬉しくなった。
(rotten/studio woofoo)
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