お百度参りの歴史は古く平安時代末期に起こったというが、昔は願いを叶えるために同じ社寺や神社などに百日間、参拝するものとして人々の間で信仰されていたが、現在では1つの場所で参道から本殿までを百回お参りするようになったのだとか。切実な思いを行動にうつしたいという気持ちが、今も民間信仰として残っている。
社寺によっても方法は変わるが、百度石がある場合はその石柱を基点として本殿や本道までを百回、ない場合は参道の入り口から始め本堂までの参詣を百回繰り返す。数を数えやすいようにと同神社では紙で作られたこよりのような「お百度紐」が用意されていたが、ない場合は糸でこよりを作ったり竹串などを用意したほうが数を気にせずお参りに集中できるのでお勧めだ。
同神社の場合、まずは本殿前の御鈴を鳴らし二礼二拍手一礼の作法で拝礼し、2つある百度石の間を百度往復しお参りをした後、再度御鈴を鳴らして二礼二拍手一礼の作法で拝礼する。最初と最後に祈る人もいれば、中には途中で思い立ったように本殿前に足を向ける人もいた。同神社によると必ずしも百回まわらなければならなということはなく、歳の数だけまわったり、気候や体調に合わせて無理をせず参拝してほしいとのこと。
裸足がいいとか人に見られないようになどの言い伝えもあるので、お百度石があるいくつかの社寺に確認してみた。方法は社寺によって変わるが昔から言い伝えられている訪問時間や方法などについてはとらわれすぎず、お参りする人がやりやすい方法でお参りしてほしいそうだ。当たり前だが大事なことは「対象者を想う気持ち」ということだった。
家族や知人、自分自身のために合格祈願や恋愛成就、病気治癒など願い事を一心に祈り続けるというお百度参り。
(山下敦子)