落ち込んだ時、行き詰まっている時、人生に疲れた時。皆さん、相談したりグチれたりする相手はいますか? 私の場合、一度は携帯電話を持つ。
そして、電話帳をチェック。……いない。登録はしているものの、腹を割って話せる相手がほとんどいない。それどころか「これ、誰だっけ」みたいな人も少なくなく。この親交は、見せかけだったか!? 

そんな現代だからこそ、今はこんなものがあるらしいのです。エス株式会社が開発したいのちでんわは、人生に疲れたユーザーを、各都市の方言などで励ましてくれるiPhoneアプリ(無料)だそうです。「人生に疲れたとき、生きているのが嫌になったとき、このアプリを起動してみてください。しばらく待っていると、励ましの電話がかかってきます」(同社・担当者)

本当か!? じゃ、試しに私も……。すると「西川加奈子さんから電話がかかってくるよ!!」と、表示が。そして数秒後、「ジリリリリリーン♪」。本当に、電話がかかってきた。これは、取るでしょう!
「今、いい? 最近、連絡ないなぁって思ってて。
最近、どう? うん、十分頑張ってるじゃん。私は凄いって思うよ。うん、そういう時はさ、どっかに逃げ出しても、誰も責めたりしないよ。とりあえずは、今はぜ~んぶ忘れて、ゆっくり休んじゃお? 大丈夫、何とかなるよ!」
癒された……。マジ、癒された!

そして、その後に表示されるのは「あなたはまだ死にたいと思いますか?」という問いかけ。多くの方に、是非とも「いいえ」ボタンをプッシュしてもらいたいのです。生きる支えになっていてほしいのです。また同アプリは、現在は広島弁と関西弁に対応しているとのこと。地方出身の方はこのアプリで故郷を思い出し、前向きになることができるかもしれません。

その証拠として挙げるには、あまりにも早合点か? 2012年の自殺者数が、15年ぶりに3万人を下回ったそう。 詳細については、警視庁のホームページより引用させていただきます。「1998年以降、毎年の自殺者数が3万人を超える事態が続いてきた。
これは一日あたり平均80人以上になる。2012年までの14年間だけでも45万人を超える人(兵庫県の尼崎市の人口相当)が自殺で亡くなっており、家族を自殺で亡くした遺族は300万人を超えると推計されている」「2011年の自殺者数が3万651人に対し、2012年の自殺者数は2万7858人と、前年より約9%(2793人)減った」

そして同社は「15 年ぶりに自殺者数が3 万人を下回った一翼を担っている」と、このアプリの効果に自信を持っている。ちなみに前述の「あなたはまだ死にたいと思いますか?」という問いかけ。ここで「いいえ」と回答した人の数は、2012年において32,978人にも達しています。2011年は26,139人だったから、6,839人も増加したわけですな。(3月26日現在で、2013年は5,302人)

参考として、以下が利用者からの反響でした。
・“死ぬ”ということをやめようという気になることができました
・自殺をやめることができました。これからも悩んだ時は使わせていただきます
・癒されたし、救われた気分になれた
・一人で悩んでいる時、ふと聞けて良かった

では、アプリの詳細について。音声を収録しているメンバーは現時点で10人おり、その中にはセイン・カミュさんといった著名人も含まれております。「今後のアップデートで、励ましてくれる人をどんどん追加する予定です」(担当者)

また、実在する相談窓口(「いのちの電話」)があることを少しでも多くの人に知ってもらうため、相談窓口に連絡できる機能も搭載されているとのこと。「『世界中に笑顔を』という経営理念のもと、人生に疲れた人たちを励ましたいという想いから開発したiPhoneアプリです。今後もたくさんの人を励まし、自殺者数を減らしていきたいです」(同社・児玉昇司代表)

深く思い悩んでいる時はもちろん、ふとした寂しさを感じた瞬間にも良い影響を与えてくれるアプリだと思いました。
(寺西ジャジューカ)
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