
今年のTGSでは、在マルセイユ日本国総領事館の後援により、日本文化についてのエリアが用意された。能、華道、尺八、武道といった伝統芸能から、漫画家・松本零士展、会津張り子、漫画サークル、和食、日本酒、たこ焼き・お好み焼きの屋台など各ブースが、約600平方メートルの広さで集まった。日本からも『ロードス島戦記』などで有名な作家・ゲームデザイナーの水野良、ピンク・レディーの楽曲を歌うアイドルグループ、ピンク・ベイビーズが参加した。

TGSはフランス南西部において、現地日本愛好者に対する受け皿だ。ビジネスとしても、年々その規模を拡大させている。TGS EVENEMENTによれば、1万1000人だった初年度の来場者から年を追うごとに増え、8回目の今年は11月29日と30日の2日間で4万5000人を超えた。イベント回数も、TGSが春と冬に1回ずつ、そしてトゥールーズ西部の町ポーでポー・アニメ・ゲームショーを開き、TGS EVENEMENTとしては年3回の開催となった。

フランス全土で見たときに、日本カルチャーを含むイベントは、TGSやジャパンエキスポだけに限らない。例えばパリのジャパンエキスポが年1回、パリマンガが年2回開催されるのを筆頭に、リヨンのジャパン・タッチが年2回、ナントのジャパナントは年1回開かれる。仏南部では、マルセイユでジャパンエキスポ・シュード(今年は休催)とヒーロー・フェスティバルがそれぞれ年1回、ボルドーのアニマジアは年1回開催される。
イベントのテーマや規模は千差万別であるものの、それぞれのイベントに共通していることは、フランス人の手によって始められたということ。
(加藤亨延)