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美しくやさしく将也たちの世界を包む、異例づくしの音づくり――映画『聲の形』音楽・牛尾憲輔インタビュー

共有されたコンセプトに基づいて音と映像を送り合う


――それは……なかなか変わった打ち合わせですね。「このシーンにこういう曲を」「このキャラクターのテーマを」みたいな発注を受けて計数十曲つくって納品、みたいなやりかたはしていない?

牛尾 そういう、いわゆる「劇伴のメニュー」(オーダー)はほとんどなかったですね。遊園地の背景で鳴っている曲とか時報の音とか、ほんの数曲です。
 それよりも僕らが重視したのは、「光」「ボケ」「にじみ」といった根幹のコンセプトを共有することであり、聴覚障害や補聴器についての勉強でした。
 そこに至る過程で、さっき言ったモランディや極限の話、それからドイツの現代美術家ゲルハルト・リヒターや写真家のベアーテ・ミュラーやアンドレアス・グルスキー、スウェーデンの画家ヴィルヘルム・ハンマースホイ、コンセプチュアルアート/アート&ランゲージで有名なジョセフ・コスース、あるいは百人一首の「ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心(しづごころ)なく 花の散るらむ」という句……等々が参照されていったんです。
 そしてそこから、僕は楽曲のスケッチを、山田監督はコンテやできた映像をお互い往復書簡というか交換日記みたいなかたちで送り合って作品をつくっていったんです。僕は曲の断片を「オーディオ・スケッチ」と呼んでいたんだけど、それを何十曲も作って、映像に当てはめては整形し、あるいは監督のオーダーを受けて間を埋める曲をつくって……というスタイルでやっていきました。...続きを読む
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