SNSのネコ画像や、上野動物園のパンダ誕生など、カワイイ生きものがブーム。その一方で、ダイオウグソクムシ、ハダカデバネズミなど、は見た目や生態が“へん”な生きものも人気です。
そんな生きものについてのトークイベント「へんな生きもの、その生きざま」が埼玉県の川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブンで開催されました。
講師は、ベストセラー「へんないきもの」シリーズの著者の早川いくを先生。へんな生きものの魅力を探るべく、お話を聞きました。
早川先生によると、昔と比べて今は「へんな生きものが好き」と堂々と言える時代になったと感じるそう。著作への反響も半分以上は女性で、寄せられる手紙には何故か自分の好きな生きもの・嫌いな生きものを書いてくる人が多いとか。
例えば、へんな生きもの中でも、オオグチボヤ、ドクターフィッシュといった生きものは好感度が高い……と、そっちに話が進むと思いきや、「気持ち悪い」と評価された生きものについて語られるのでありました。
「気持ち悪い」と言われた生きものについて、共通する属性があるのでは、と話す早川先生。そして、ここからはそのような「気持ち悪い」生きもののスライドが多数登場。
例えば深海魚に代表される『質感』。ヌルヌルやニョロニョロの質感が苦手な人は多いという話。その流れで登場したのが、ニュウドウカジカ。
愛らしい顔にも思える反面、表面のヌルヌル感が、写真見ただけでもわかるニュウドウカジカ。これは確かに好き嫌いが分かれそう!
同様にヌルヌルした粘液を持つヌタウナギの話題から、最近ニュースにもなった粘液で車が固まった事件も紹介。
このようにちょっとした情報やユーモアを交えて、トークは進んでいきます。
「いっぱいある」という属性では、以下のようにさまざまな切り口が紹介されました。
・触手がいっぱいあるクマノアシツキ
・ブツブツがいっぱいあるキイロイボウミウシ
・毛がいっぱいあるサクラコシオリエビ
・背中に子どもをいっぱい乗せたコモリガエル
そのほか、異様に首が伸びるナガクビガメなどの「長い」、ダイオウイカなどの「巨大」といった属性も紹介。聞いたことある生きものもいますが、多くは今回初めて知った生きものばかり。
最後には、全体を通じて考察が行われました。
これらの生きものが「気持ち悪い」と感じる共通点として、人間と形状が違いすぎるという点がある。ただ、そのために気持ち悪い理由を「生理的嫌悪感」で片づける人もいるが、それは本当だろうか?
例えば、西洋で嫌われるタコは日本では愛されるなど、文化でも異なっている。子どもの頃よく集めたダンゴムシなのに、大人になると実害が無いのに害虫扱いする人も多い。我々は、単にイメージだけで、好き嫌いを決めすぎてはいないだろうか。
誰もが「自然を好き」と言うが、ゴルフ場的な緑に囲まれただけの自然をイメージしていないだろうか。「健全」な自然の生態系は、その下で気持ち悪くてへんな生きものが支えているということを忘れないで欲しい。そこまでを含めて、生物多様性と言えるのではないか。
うーん、深い。
会場では、早川先生の『へんな生きもの へんな生きざま』(エクスナレッジ)も販売されていました。イベントで紹介された以外の生きものも多数掲載されており、出版社の方曰く「実はオールカラーの動物写真集としては破格値!」とのこと。
今回購入者にはサインの特典があり。たまたまイベントに参加した方から、早川先生にお手紙を送ったことのあるファンの方まで、色々な方がいらっしゃいました。
最後に早川先生にお話を聞きました。今回のイベントのほかにも、「へんな生きもの」などの著書を通じて、特に訴えたいメッセージはありますか?
早川先生
「本を読んで、癒されたり元気を貰ったりしたという女性の方がいらっしゃいました。この世界には、こんなへんな生きものがいて、ハードな環境でも力強く生きているんだ。それに比べると、人間関係など自分の悩みはちっぽけなものだと感じたそうです」
なるほど! そういう勇気づける意図を狙っていたのですね!
早川先生
「いや、それは出てからの話で、そういう反響があるとは夢にも思わず(笑)。サラリーマンが仕事帰りに一杯やった後、寝る前でも気軽に読める動物の本にしたいなあ、くらいのつもりでした」
最後まで生きものへの愛と、ユーモアにあふれるトークでした!
(高柳優/イベニア)
そんな生きものについてのトークイベント「へんな生きもの、その生きざま」が埼玉県の川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブンで開催されました。
講師は、ベストセラー「へんないきもの」シリーズの著者の早川いくを先生。へんな生きものの魅力を探るべく、お話を聞きました。
早川いくを先生
へんな、気持ち悪い生きものを見ていこう
早川先生によると、昔と比べて今は「へんな生きものが好き」と堂々と言える時代になったと感じるそう。著作への反響も半分以上は女性で、寄せられる手紙には何故か自分の好きな生きもの・嫌いな生きものを書いてくる人が多いとか。
例えば、へんな生きもの中でも、オオグチボヤ、ドクターフィッシュといった生きものは好感度が高い……と、そっちに話が進むと思いきや、「気持ち悪い」と評価された生きものについて語られるのでありました。
気持ち悪い生きもののキーワード
「気持ち悪い」と言われた生きものについて、共通する属性があるのでは、と話す早川先生。そして、ここからはそのような「気持ち悪い」生きもののスライドが多数登場。
例えば深海魚に代表される『質感』。ヌルヌルやニョロニョロの質感が苦手な人は多いという話。その流れで登場したのが、ニュウドウカジカ。
ニュウドウカジカ
愛らしい顔にも思える反面、表面のヌルヌル感が、写真見ただけでもわかるニュウドウカジカ。これは確かに好き嫌いが分かれそう!
同様にヌルヌルした粘液を持つヌタウナギの話題から、最近ニュースにもなった粘液で車が固まった事件も紹介。
( https://twitter.com/DepoeBayFire/status/885602270867476480 )
このようにちょっとした情報やユーモアを交えて、トークは進んでいきます。
「いっぱいある」という属性では、以下のようにさまざまな切り口が紹介されました。
・触手がいっぱいあるクマノアシツキ
・ブツブツがいっぱいあるキイロイボウミウシ
・毛がいっぱいあるサクラコシオリエビ
・背中に子どもをいっぱい乗せたコモリガエル
そのほか、異様に首が伸びるナガクビガメなどの「長い」、ダイオウイカなどの「巨大」といった属性も紹介。聞いたことある生きものもいますが、多くは今回初めて知った生きものばかり。
触手がいっぱいの生きものからギリシア神話のヒドラの話に
気持ち悪くてへんな生きものから、自然を考える
最後には、全体を通じて考察が行われました。
これらの生きものが「気持ち悪い」と感じる共通点として、人間と形状が違いすぎるという点がある。ただ、そのために気持ち悪い理由を「生理的嫌悪感」で片づける人もいるが、それは本当だろうか?
例えば、西洋で嫌われるタコは日本では愛されるなど、文化でも異なっている。子どもの頃よく集めたダンゴムシなのに、大人になると実害が無いのに害虫扱いする人も多い。我々は、単にイメージだけで、好き嫌いを決めすぎてはいないだろうか。
ガンギエイ
誰もが「自然を好き」と言うが、ゴルフ場的な緑に囲まれただけの自然をイメージしていないだろうか。「健全」な自然の生態系は、その下で気持ち悪くてへんな生きものが支えているということを忘れないで欲しい。そこまでを含めて、生物多様性と言えるのではないか。
うーん、深い。
へんな生きものを通じて、自分自身の価値観を見つめ直したくなる時間でした。
終了後はサイン会にも長い列が
会場では、早川先生の『へんな生きもの へんな生きざま』(エクスナレッジ)も販売されていました。イベントで紹介された以外の生きものも多数掲載されており、出版社の方曰く「実はオールカラーの動物写真集としては破格値!」とのこと。
『へんな生きもの へんな生きざま』。表紙はハダカデバネズミ
今回購入者にはサインの特典があり。たまたまイベントに参加した方から、早川先生にお手紙を送ったことのあるファンの方まで、色々な方がいらっしゃいました。
サイン会には長い行列
こちらは入場者全員へのおみやげ、クマムシの写真入りうちわ
最後に早川先生にお話を聞きました。今回のイベントのほかにも、「へんな生きもの」などの著書を通じて、特に訴えたいメッセージはありますか?
早川先生
「本を読んで、癒されたり元気を貰ったりしたという女性の方がいらっしゃいました。この世界には、こんなへんな生きものがいて、ハードな環境でも力強く生きているんだ。それに比べると、人間関係など自分の悩みはちっぽけなものだと感じたそうです」
なるほど! そういう勇気づける意図を狙っていたのですね!
早川先生
「いや、それは出てからの話で、そういう反響があるとは夢にも思わず(笑)。サラリーマンが仕事帰りに一杯やった後、寝る前でも気軽に読める動物の本にしたいなあ、くらいのつもりでした」
最後まで生きものへの愛と、ユーモアにあふれるトークでした!
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(高柳優/イベニア)
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