smadan

企業型確定拠出年金と退職金・確定給付企業年金の違いは? 漫画付きで解説

企業型確定拠出年金と退職金・確定給付企業年金は何が違う?

今回は、企業型確定拠出年金と、退職金制度や確定給付企業年金との違いについてご紹介していきます。

前回の記事「企業型確定拠出年金のメリット、デメリット」はこちら

退職金制度の性質・特徴


退職金制度は企業ごとに内容は異なりますが、一般的には勤続年数に応じて既定の退職金がもらえるという制度です。自主退職か会社都合退職(リストラや早期退職制度の利用など)によって受け取る金額が決まっています。


受け取り方やお金の準備の仕方は会社ごとに異なる


また、一括で受け取る「一時金受取」か、分割して毎年受け取る「年金形式(分割受取)」なのかも会社によってルールが決まっています。どのような手段で退職金を準備するのかは会社に任されています。従業員ごとに積立てするか、退職者が出る都度、普通預金から現金を用意するかは会社の事情によっても変わってきます。

会社が倒産した場合に退職金がもらえないまたは減額のおそれもある


従業員側からみれば、退職金額が保証されているかどうかは会社によって異なってくる点は注意が必要です。制度によっては、会社が倒産した場合に、退職金がまったく貰えない、減額支給される可能性もあるということです。


退職金と確定拠出年金の違い


退職金と確定拠出年金の具体的な違いについて解説します。確定拠出年金の概要については第1回記事をご参照ください。

まず、会社が倒産した場合に退職金は受け取れない、もしくは減額される可能性が高いのに対し、確定拠出年金はそれまで積み立てた分はそのまま残り、60歳以降、受け取ることができます。

一方、退職金は年齢に関わらず勤続年数に応じて既定の退職金がもらえるのに対し、確定拠出年金は60歳を超えなければ受け取ることができません。


確定給付企業年金の性質・特徴


確定給付企業年金制度はDB制度(Defined Benefit)とも呼ばれていて、企業型年金制度のひとつで、平成29年3月末の加入者数は818万人と最も普及している企業年金制度です。
参照:企業年金連合会 企業年金の現況(平成30年4月1日現在)


運用主体は企業で、将来受け取る年金額の算定方法は決まっている


あらかじめ、従業員が将来受け取る年金額の算定方法が決まっている制度で、積み立てた資産は企業が運用します。運用責任は企業が負い、運用結果が悪ければ、企業が不足分を穴埋めしなければなりません。

主に大企業を中心に導入されている制度


確定給付企業年金は生命保険会社や信託銀行などが扱っていますが、従業員数が一定以上でないと金融機関側がコスト倒れになるため、従業員数が少ない中小企業での導入は少なく、大企業中心で導入されている制度です。積み立てる金額の計算方法などは導入されている確定給付企業年金の規約に定められています。

確定給付企業年金の運営ルールは確定給付企業年金法(平成十三年六月十五日法律第五十号)で定められており、以下のような受給権の保護のための規定が整備されています。

・積立義務
年金資産の積立基準を設定するとともに、財政再計算、財政検証や積立不足の解消を義務付ける規定。

・受託者責任
事業主など企業年金の管理・運営に関わる者について、加入者等に対する責任および行為準則を明確化する規定。

・情報開示
事業主等に対し、業務の概況について加入者等への情報開示および厚生労働大臣への報告を義務付ける規定。


確定給付企業年金と確定拠出年金の違い


将来受け取る金額の算定方法が決まっていること、資産運用の主体が企業であるということが確定給付型年金と確定拠出年金の大きな違いです。(確定拠出年金は将来受け取る金額は運用する商品により異なり、運用主体も従業員個人です)

企業型確定拠出年金は掛金の上限が年間66万円(月額5.5万円)と決まっていますが、確定給付企業年金は掛金の上限はありません。

また、確定給付企業年金は条件によって中途退職しても一時金が支給されます。

確定拠出年金の場合は、中途退職しても自分の残高を移換して積立てや運用を継続して、原則60歳以上で受け取りとなります。
企業型確定拠出年金と退職金・確定給付企業年金の違いは? 漫画付きで解説

確定給付企業年金は企業が運用するのですが、この点について「自分が運用責任を負わない」、「面倒がなく煩わしくなくて良い」と感じる人もいると思います。

ただし、企業側が運用責任を持っていますので、企業は損失が発生しないように安全な運用方針で運用します。現在の低金利環境下では、低利回りでの運用が続いており、「増やす」というよりも「減らさない」という方針で運用する企業が多いようです。

確定拠出年金は自分で自分の資産を運用しますから、自己責任となりますが、増やすことが可能です。低金利時代にあった老後資産形成として注目されている要因のひとつです。

(解説:加藤博 イラスト:トレンド・プロ)

次回はマッチング拠出について解説


▼解説者プロフィール
企業型確定拠出年金と退職金・確定給付企業年金の違いは? 漫画付きで解説

株式会社LSFP 加藤博
保険会社、コンサルティング会社などを経て2013年にFP会社(株式会社LSFP)を設立。
金融商品の知識が深く、確定拠出年金に関しては、個人型と企業型の両方に精通。細かい制度内容や手数料などを、お客様にわかりやすく説明することで、お客様自ら判断できるようコンサルティングしている。
お金の心配をなくして、人生をもっと楽しくイキイキと送ってもらえるよう、金融面で支援することが使命。

トレンド・プロ

日本初のマンガ広告制作会社で1,500社、6,300件以上の実績を持つ。
動機付け、興味の喚起、ストーリー性、分かりやすさなど、マンガの持つ強力な訴求力を活用し、効果ある広告
を提案できるノウハウは、マンガ広告だけでなく難しい書籍をコミカライズするビジネスコミック制作にも拡がり
を見せ、10万部を超えるヒット作を続々手がけている。

▼漫画と専門家解説でわかる「企業型確定拠出年金」シリーズ
(1)企業型確定拠出年金(企業型DC)とはどんな制度?
(2)企業型確定拠出年金(企業型DC)のメリット、デメリットは?
(3)企業型確定拠出年金と退職金・確定給付企業年金は何が違う?
(4)企業型確定拠出年金のマッチング拠出 節税メリットはどれくらい?
(5)企業型確定拠出年金はiDeCoやNISAと同時加入できるの?
(6)企業型確定拠出年金は退職、転職したらどうすればいい? 何もしないとどうなる?
(7)企業型確定拠出年金を預けた金融機関が破綻した! 自分の資産はどうなる?
(8)企業型確定拠出年金、一時金で受け取る? 年金で受け取る?
(9)企業型確定拠出年金はどう運用すればいい? 金融商品の基本的な選び方
(10)確定拠出年金を始めたらスイッチングを検討しよう! 運用開始後の見直し方
(11)企業型確定拠出年金のメリットを生かすには投資信託がおすすめな理由
(12)投資信託(企業型確定拠出年金)の20代~30代、40代、50代の世代別にみた活用事例
※全12回

あわせて読みたい

  • 企業型DCのメリットとデメリットは

    企業型DCのメリットとデメリットは

  • 30代で蓄えておきたい貯金額

    30代で蓄えておきたい貯金額

  • 40代の平均貯蓄額を調べてみた

    40代の平均貯蓄額を調べてみた

  • 1000万円貯金するには何年かかる?

    1000万円貯金するには何年かかる?

  • スマダンの記事をもっと見る 2018年6月15日のスマダン記事

    \ みんなに教えてあげよう! /

    新着トピックス

    スマダンニュースアクセスランキング

    スマダンランキングをもっと見る

    コメントランキング

    コメントランキングをもっと見る

    漫画と専門家解説でわかる「企業型確定拠出年金」

    漫画と専門家解説でわかる「企業型確定拠出年金」

    「企業型確定拠出年金(企業型DC)」は老後資金を形成する制度のひとつ。本連載では、同制度のメリットとデメリット、節税効果、退職金や確定企業給付年金との違い、iDeCoとの併用など、さまざまな疑問を漫画付き記事でわかりやすく解説します。

    コラムの人気のキーワード一覧

    新着キーワード一覧

    スマダンとは?

    ミレニアル世代の男性がスマートに生きるための情報を発信します。

    その他のオリジナルニュース