
「孤独のグルメ Season7」Blu-ray BOX
鳥取市役所名物、今はなきスラーメン
出張で鳥取砂丘を訪れた五郎さん。商談相手らしき男性(遠山俊也)に、うどんの汁にラーメンの麺を入れた鳥取市役所の名物"スラーメン"を薦められる。麺、出汁、天かす、コショウが交じり合って、ラーメンとうどんの間のような味わいらしい。
「これはラーメン。俺の脳、最後まで楽しく騙されている」
ちなみに、鳥取市役所新本庁舎への移転に伴い、10月25日をもって市役所の食堂は閉店している。新本庁舎では「すなば珈琲」というコーヒーショップが「香素(かす)ラーメン」というを提供しているらしい。「すなば珈琲」、鳥取砂丘とスタバにあやかった店名に加え、さらにはスラーメンの力も使っているなんてたくましい。
五郎さん、酒を断れず泥酔。幼き日の夢を見る
五郎さんの下戸は、「孤独のグルメ」の肝だ。下戸ゆえに食にこだわるようになったのだろうし、下戸だから酒飲みの横で白飯を食らう姿が味わい深い。
居酒屋でも周りの目を気にせずにウーロン茶を頼む五郎さんだが、今回は、「私が作ったんです。ぜひ、飲んでみてください」という誘いを断れず、ワインを飲むことに。
元祖ライブクッキング
泥酔して翌日のアポをすっ飛ばしてしまった五郎さんは、気を取り直して「腹が、減った」。繁華街を歩き回って、やっとの思いで見つけたのは鉄板焼きの「まつや」だ。女将(渡辺えり)が目の前の鉄板で調理する「砂かぶり席」に座った五郎さんは、名物の「オーカク」(ハラミ)と「ホルモンそば」とご飯を注文した。
「コテと鉄板の奏でる音楽がたまらない。立ち上がって踊りたい」
「おぉ〜、これはたまらん。鉄板にダイブしそうだ」
鉄板が大きすぎるのか、カウンターが狭すぎるのか、五郎さんに与えられたスペースはごくわずかだ。ご飯と漬物と水を置いたらもう一杯で、ネギ塩ダレで味付けされた「オーカク」は箸で鉄板から直接食べる。皿によそる概念がない
あれだけ鉄板が近かったら熱気もあるだろうし、テーブルも狭い。なのに、「オーカク」を食べるには理想の形に見える。
「はい。ホルモンそば」
女将は、出来上がったそばをコテで五郎さん側に寄せた。焼いているときと提供後で、そばが移動した距離は10数cmだ。料理は出来たてが一番うまいというが、こんなのほぼ調理中だ。湯気の中からそばをすくうような状態。ホルモンダレを濃い目につけてご飯まで食べちゃう。
「すばらしいオカズそばだ。白飯に大変ようござんす」
調子に乗った五郎さんは、サイコロステーキも注文。すぐに焼きあがって、目の前の鉄板に、オーカク、ホルモンそば、サイコロステーキが並ぶ。最初にできあがったオーカクも、鉄板のおかげでまだまだ出来立てといった顔をしている。
別の客が注文したホルモンそばが焼かれているのを眺めながら、自分のオカズたちをわしわし食べる。白飯にホルモンダレをかけてホルモンそばと一緒に掻き込んだ。
「きっと鳥取君もやっているはずだ」
「こういう行儀ワル飯、大好き」
「ガキのグルメ。卒業せず」
最後に、残っていた漬物で口をリセットしてご馳走様。ライブクッキングの元祖みたいな食事を味わった五郎さんは、帰り道に今朝見た夢を思い出していた。
(沢野奈津夫)
・「孤独のグルメ Season8」
放送時間:金曜24時12分〜
出演:松重豊、遠山俊也、渡辺えり、伊藤修子
原作:原作/久住昌之・画/谷口ジロー
音楽:The Screen Tones
久住昌之、フクムラサトシ、Shake、河野文彦、栗木健
オープニングテーマ:「Goo,Goo,Goro!」
作曲:久住昌之
演奏:The Screen Tonesエンディングテーマ:「五郎の12PM」作曲:久住昌之歌:伝美脚本:田口佳宏 児玉頼子演出:井川尊史 北畑龍一 北尾賢人