4月8日(木)放送の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)は、中川家(中川剛・中川礼二)、ナイツ(塙宣之・土屋伸之)、サンドウィッチマン(伊達みきお・富澤たけし)の3組が登場。礼二が発起人の「漫才サミット」に参加する間柄であり、プライベートでも仲の良いメンツからは、それぞれの持つ意外なエピソードが続々と飛び出した。


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「富澤が振り向くまで話しかける」

健気な剛サンドの大ファンだという剛は「今日も(サンドの)楽屋にずっといました」と告白。サンドの二人も「楽屋入ったら同時くらいに入ってきました」「普通に(中で)ジュース飲んでました」と、剛のグイグイぶりを笑いながら語る。さらに二人の気を引こうと「いちばんしゃべりたくなさそうなトミーに話しかけた」という剛。本番ギリギリのなか、台本に目を通す富澤に「振り向くまでしゃべりかけていた」という。

「今は違いますよ、って感じで」適当に相槌を打っていたという富澤。「先輩が来てくれてるんだから……」と伊達がフォローする様子を剛はニコニコを嬉しそうに見つめる。さらに剛は「富澤が必ず笑う」という動作を披露。
雑談をしながらゆっくり脱いだ上着を突然全力で床に叩きつけ、それを見た富澤は身をのけぞらせて大爆笑。「なんでやねん!」とMCの蛍原徹(雨上がり決死隊)がツッコむなか、「毎回これがダメなんですよ……」と照れ笑いし、それに剛が照れ笑いするというシュールな光景が繰り広げられた。

中川家とサンドの前で塙が披露する、奇行スレスレの「ボケ」

一方、剛からは「塙の入りが気持ち悪い」というエピソードが。突然「エピソードがないわ〜!」と叫びながら楽屋に入ってきたりするという。「空港で剛と伊達を見かけたんですよ。初めて会ったみたいな感じで『おはようございまーす!』って(駆け寄ったら)、二人とも変な顔して」と塙。伊達は「ホント頭おかしいんですよ」とボヤく。
「ふだん一緒にいるときよりも、この二組といると嬉しそう」と土屋。「自分が普段なかなかわかってもらえないような変なボケしても、大好きな先輩たちが笑ってくれるから」と塙の気持ちを代弁する。

さらに土屋は、さらなる塙の奇行エピソードを披露。収録時、待機する3組にスタッフが呼びに来ると、ひとりだけ「……はい?」と心当たりのないような返事をするという。「たとえば一時間インタビュー取材を受けて、最後の質問になったときに『……はい?』ってやるんです」と塙。「4分で記憶なくなっちゃった人の設定でやります」と表情を変えずに畳み掛けるサイコぶりに「頭おかしいし、失礼だし!」と剛が呆れ顔でツッコんだ。


先日打ち上げでサンドの二人がCMキャラクターを務める焼肉店を訪れた際、塙は店に掲げられていた「元気が旨い」というキャッチコピーを指差し、「ちょっと意味わかんないんですけど?」と店員を問いただしたという。「焼き肉が旨いならわかるんですけど、元気が旨い、って……」とおかしそうに語る塙を、「店長、ずっと顔ひきつってたで」とたしなめる礼二。距離感をわざと狂わせるようなボケで相手の反応を面白がるという、塙の知られざるクセが明るみとなった。

「自分のボケが漫才と被らないように……」M-1審査員席のストイックな裏話

そんな3組のトークでも印象的だったのが、番組中盤に挙がった「M-1グランプリ」審査員席でのエピソード。同大会においてそれぞれ審査員を務める礼二、富澤、塙。舞台裏では普段どおり和気あいあいとした雰囲気かと思いきや、「お互い会話がない」と礼二が語る。

「審査員席で目が合ってもお互いパッて外すっていう。
ラーメンの『一蘭』状態ですよ」と礼二。富澤も「余計な話したりすると、お客さん側も『こっちで何話してるんだろう?』(と思ってしまう)」といい、ふだん仲が良い間柄だからこそ、観客からの余計な詮索を防ぎたいという思いがあるようだ。「審査のときもボケたいんですけど、万が一、それを本ネタに入れてくる芸人もいるかもしれないから」と塙。自分のボケが挑戦者たちの漫才に被ってしまわないよう、審査中はボケを控えていると語る様子に、3人のストイックで誠実な姿勢が垣間見えた。

中川家×ナイツ×サンドウィッチマン『アメトーーク!』M-1の礼二に「胸詰まる」兄・剛のピュア
次回4月15日(金)は「マンガ大好き芸人」。画像は番組サイトより

「お互いの審査基準は明かさない」と3人。富澤は「影響されても良くない」と、あくまで自分のものさしで計ることの重要性を説くが、そんな富澤に伊達は「(富澤が)得点を出す前にメールで僕の思う点数を送っている」という。
ただ、「スタジオは圏外なんで、結局終わってから最後に見るんです」と富澤。直接コミュニケーションを取っていないにもかかわらず、二人の点数は「似ている」と伊達。2020年の大会では優勝候補にマヂカルラブリー(野田クリスタリル・村上)を挙げた富澤に対し、伊達は見取り図(盛山晋太郎・リリー)を挙げたといい、「そこだけが違いましたね」と語った。

審査員席の礼二に「胸詰まってくる」剛のピュアな兄弟愛

「(M-1の)審査員やったあとって、漫才しにくくないですか?」とゲストの博多華丸。相方・博多大吉は2016年・2017年と審査員を務めたが、「次の日からお客さんの見る空気が『審査員の漫才はどうなのか?』みたいな(雰囲気になった)」という。「僕らの場合は逆手に取って、『さぁ、それではいまから審査員の漫才を……』みたいな形にして(ネタにしてしまう)」という華丸に、「軽くスベらないですか?」と剛。
「スベります」という華丸の言葉を聞き、「ほら、だから言うたやん、俺!」と隣の礼二の肩をたたく。

「僕も逆手に取って、『審査員、横にいてますから、なんでスベるか聞いてみましょうか』みたいにワケわからんこと(礼二に)言うてたんですよ。すると意外とこっち(礼二)は『いや、いいから……!』みたいな。マジメか!」と剛。本気で激しく赤面する礼二に「大変なんやろうな、とは思います」とねぎらいの言葉をかけた。

そんな剛いわく、「緊張して(M-1は)見られない」。「オープニングと最後の3組が決定して(いるところ)、そこだけを見ます」との言葉に、蛍原は「えーっ!?」と驚きの声をあげる。「(礼二が)すごいなんか、いつも違う顔してるんで……」と剛。「すごい言葉選んでるなぁ…… というのが伝わってきて、胸詰まってくるんですよ」と切実な表情を見せていた。

登場メンバーそれぞれの意外な一面と同時に、中川家・剛のピュアな側面が思わぬかたちで光った今回の『アメトーーク!』。これを機に、かわいいお兄ちゃんの魅力がもっと注目されますように!

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Writer

天谷窓大


ライター・構成作家。エンタメ媒体で芸能人インタビューを多数行うほか、音声配信アプリを主戦場にラジオ番組の企画構成を手掛ける。焼き芋アンバサダー・熱波師としての顔も。著書に「サラリーマンは早朝旅行をしよう!平日朝からとことん遊ぶ『エクストリーム出社』」(日本エクストリーム出社協会名義、SB新書)

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