今回のニュースのポイント
EPA手続きの官民データ連携を推進:NTTデータと東京共同トレード・コンプライアンスは、EPA(経済連携協定)活用支援システム「JAFTAS」を中核に、公的機関との連携を通じた「貿易DX」を加速させています。
日本商工会議所とシステム連携:日本商工会議所の原産地証明書発給システムとデータ連携を実現。
証明業務の大幅な省力化を期待:これまでの実証では、デジタルプラットフォームの導入により原産地証明関連の業務時間を大幅に削減できたとの結果が報告されており、機能拡張によるさらなる効率化が期待されます。
貿易業務全体のワンストップ化へ:EPA関連にとどまらず、他の民間プラットフォームや物流・金融機関との連携も視野に入れ、複雑な貿易実務を一気通貫で完結させる「ワンストップ化」を目指しています。
輸出には関税を下げる仕組みがありますが、その手続きは非常に複雑です。関税を下げられるにもかかわらず、実際には活用しきれていない企業も少なくありません。こうした“貿易の裏側”が、NTTデータが進めるデジタル化によって変わり始めています。
NTTデータと東京共同トレード・コンプライアンス(TCTC)は、2024年の段階で経済産業省や日本商工会議所とのデータ連携を開始しており、EPA(経済連携協定)関連手続きの簡素化・電子化を目指す政府連携型のデジタルプラットフォームを国内で先行して構築しています。今回の機能拡張もその一環として行われるものです。このEPA活用プラットフォーム「JAFTAS」は、日本商工会議所の原産地証明書発給システムと直接データ連携するほか、経済産業省が推進する貿易DXの挑戦の中でも実証対象として活用されてきました。
そもそもEPAとは、特定の国・地域との間で関税を削減・撤廃できる協定のことです。条件を満たせば輸出入時の関税を通常より大幅に抑えられるため、企業にとっては利益に直結する「割引制度」のような仕組みと言えます。例えば、EPAを利用することで本来3%かかる関税が0%になれば、1億円の輸出なら1回で300万円のコスト削減につながります。
しかし、これまでEPAの活用を阻んでいたのはその「面倒すぎる」手続きでした。製品ごとに原材料の産地や加工内容を精緻に証明する必要があり、膨大な書類作成とサプライヤーへの確認作業が企業の大きな負担となってきました。担当者不足もあり、メリットは理解していても工数やミスによるリスクを考えると使いにくいと感じる企業が多いことが、活用率が伸び悩む背景として指摘されています。
これまでの実証では、貿易プラットフォームの導入により、証明関連の業務時間を大幅に削減できたとの結果も報告されており、今回の機能拡張でも同様の効果が期待されています。NTTデータとTCTCは、今後も他の民間貿易プラットフォームや物流・金融機関とのデータ連携を進め、EPA関連手続きだけでなく貿易業務全体の「ワンストップ化」を目指しています。
目立たない分野での変化ですが、EPAの活用ハードルを下げることは輸出企業の利益に寄与するだけでなく、日本企業全体の競争力を底上げする重要な一歩となります。今後は貿易実務そのものが、デジタル技術を核とした「データ産業」へと変わりつつあると言えるでしょう。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)

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