新型コロナの流行は社会のあり方を大きく変えた。日本ではテレワークやオンライン受業などの実施過程で日本のICTがいかに世界から遅れをとっているか再認識させられ、DXやIT投資が前倒しで進むことになった。
7月16日、日本生産性本部が第6回目になる「働く人の意識調査」の結果を公表している。これによれば、勤労者は景況の持ち直し、業績不安の軽減などで明るい兆しを感じている一方、コロナ収束後の、いわゆるポストコロナ社会への移行については懐疑的になってきているようだ。
現在の景気について聞いた結果では、「やや悪い」、「悪い」の合計が69.4%と7割を下回り、1年前の7月調査の78.2%と比較して有意に減少している。
働き方の変化については、テレワーク実施率は20.4%で、前年7月調査以降、約2割で推移しているが、直近1週間での出勤日数が「0日」の完全テレワークの割合は11.6%と過去最少となり、オフィス勤務への回帰が進んでいるようだ。コロナ収束後のテレワーク継続意向については、継続に意欲的な者の割合は74.1%と4月調査の76.8%より減少しており「テレワーク疲れが懸念される」とレポートは指摘する。
コロナ収束後の働き方や生活様式の様々な変化の可能性について項目別に聞いた結果では、全ての項目について「起こり得る」の回答割合が4月調査より減少しており、ポストコロナ社会の到来には懐疑的になってきているようだ。レポートでは「雇用者の意識は『ポストコロナ』の新しい社会の到来の可能性に否定的で、むしろコロナ以前の社会に戻るのではないかという考えが強まっている」と分析している。