「太っているからアイドルになれない、なんて誰が決めたの?」——こう訴え、固定観念に真正面からぶつかる“肥満落下系堕天使”アイドルグループ・びっくえんじぇる。ステーキ(生肉)担当・笑原はなは、身長173cm、体重112kg。
パワフルなパフォーマンスでファンを熱狂させ、アンチコメントさえも「気持ちいい」と笑い飛ばす彼女の"鋼のハート"の作り方に迫る。(前後編の前編)

【写真】びっくえんじぇるステーキ(生肉)担当・笑原はなの撮り下ろしカット【14点】

――まずは自己紹介からお願いします。

笑原さん 肥満落下系堕天使アイドルのびっくえんじぇる、ステーキ担当の笑原はな、通称"はなっこりー"です。体重が112キロで、身長が173センチ。これはマストで覚えてください(笑)。

――ステーキ担当というのは?

笑原さん 普通のアイドルさんなら赤色とかピンク色だと思うんですけど、私たちは食べ物が大好きな"おデブ"が集まったグループなので、担当カラーを食べ物で表しているんです。私は赤担当なのでステーキなんですけど、焼かれちゃうと茶色になっちゃうので、「生のステーキ」担当なんですよ(笑)。

※びっくえんじぇるは現在7人組。笑原さんの「ステーキ(赤色)」の他にも、「からあげ(茶色)」「マヨネーズ(黄色)」「メロン(黄緑色)」「マカロン(ピンク色)」「さつまいも(紫色)」「白米(白色)」と、個性的な担当フードが並ぶ。

――Xで「#細くないとアイドルになれないなんて誰が決めた?」という投稿が話題になっていましたよね。

笑原さん 私たちは、「太ってるからアイドルはできない」「太ってるからダメだよね」っていう風潮を変えていけたらという気持ちで活動しているグループです。だからこそ、「細くないとダメ」みたいな考え方を変えていきたいんですよね。


――強いメッセージを発信するとアンチコメントも増えると思いますが、怖くはなかったですか?

笑原さん え、もう過ぎちゃって(笑)。

――というと?

笑原さん 活動を始めて最初の3ヶ月くらいは、アンチコメントが来るたびにメンタルがやられていました。でも、アイドルになる前から太っていることで嫌な思いをした経験がめちゃくちゃあって。今でも街中を歩いているだけで「うわ、デブいる」とか言われるんですけど、そういう経験の積み重ねで、いつの間にか"鋼のハート"になっていたみたいです。

ふと「あれ?私、今までいろんなこと乗り越えてきたな」って気づいてからは、むしろアンチコメントが来ることが気持ちいい、みたいなところまで行っちゃいました。

――気持ちいい、ですか。

笑原さん 「なんか言ってるなこの人。嫌なことでもあったんだろうな」って思えるようになったんです。「あなたがそれで笑顔になれるんだったら、どうぞ」くらいのスタンスですね。

――小さい頃から体型のことで言われることも多かったんですか?

笑原さん 私は「エリートデブ」なんで、小さい頃からずっと太っていて、痩せていた時期がありません。たくさんの愛情を注いでいただいて、すくすく、ぶくぶくと育ちました(笑)。身長も高かったので「デカい」「デブ」はよく言われていじられていました。
保育園に通っていた頃は言われたことを全部受け止めちゃって、何も言い返せないし、親や先生にも相談できなかったですね。

――今までで一番傷ついた出来事はなんでしょう。

笑原さん 小学生のとき、男女混合チームでリレー大会があって、足が遅い私のせいでチームが負けちゃったんです。その後の給食の時間に、男の子たちからずっと「お前のせいで負けた」って言われ続けて。大好きな給食もまずく感じるくらい。学校も行けなくなるくらい、本当に追い詰められました。

――そこからどうやって立ち直ったんですか?

笑原さん 小4でどん底まで落ちたんですけど、小6になる頃には立場が逆転していました。といっても、やり返したとかそういうのではなく。その子たちと仲良くなって、むしろ私のほうが彼らを小突けるくらいの関係になってましたね。

――その2年間で何があったのでしょう。

笑原さん 自信がなくて自分を追い込んでいると、周りからも「こいつは何を言ってもいいんだ」って見られちゃう。でも、笑顔で堂々としていると、周囲への影響も変わってくるんです。
それを、その2年間で学んだんだと思います。

ある時、「下ばかり向いてても何も変わらないな」って思って。だったらもう、言われること全部ひっくり返してやろうって。「どうやったら面白く返せるか」とか、「どうやって自分の魅力として見せるか」をすごく考えるようになってました。そこから、私の場合は“おもろデブ”として自分のコンプレックスも楽しませられる存在になりたいなって思って、そこで吹っ切れました。

――何に影響されたのでしょうか?

笑原さん 渡辺直美さんの影響は大きいと思います。体型を気にせずむしろ強みに変えてみんなをハッピーにする姿に憧れていましたし、私の中の指標でした。

▽プロフィール
笑原はな(えみはら はな)/通称:はなっこりー
肥満落下系堕天使アイドルグループ「びっくえんじぇる」メンバー。担当カラーは赤=ステーキ(生肉)担当。身長173cm・体重112kg。物心ついた頃からずっと太っていたという自称"エリートデブ"。大学で保育を学ぶも、在学中に芸能界を志しフリーターの道へ。
TikTokで「アイドルになりたいデブ」として活動し話題を集め、びっくえんじぇるに加入。「#細くないとアイドルになれないなんて誰が決めた?」のハッシュタグ投稿が大きな反響を呼んだ。

【後編】体重112kgアイドル・笑原はな、ステーキ600g&わんこそば205杯 「痩せなくても幸せ」で目指す武道館
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