「なんでこんなことしかできないんだろう」。モニターを見るたびに自分の芝居に落胆し、講師には「芝居が浅い」と言われ続けた時期があった。
今、キャリア最大の注目を集める女優・矢野ななかが明かす、知られていない葛藤と、「服は脱ぎ捨てて抜け殻、忘れ物だらけ」と笑う"20歳らしい"素顔。(前後編の後編)

【写真】NOBROCK TV「めんどくさい女」役で大注目の女優・矢野ななか【12点】

――演技力がすごい、と評価されることが多いと思いますが、ご自身ではどう感じていますか?

矢野 いやいや、放送を見たり撮影中のモニターを見たりして、「なんでこんなことしかできないんだろう」って毎秒思っています。自分がやっているお芝居と、人から観ていただいているお芝居に、良くも悪くも差があるんですよね。自分ではいまいちだなって思っているものが評価されたりするので、まだそこの感覚が追いついていなくて。なんでこんなに評価していただけるのか、正直分からないんです。

――それでも、期待には応えたい、と。

矢野 期待していただけるからには、その期待は裏切りたくないし、観てくださる方を飽きさせたくない。だから、常に更新していきたいなって強く思います。今は割と、向上心の塊みたいになってます。

――「今は」というと、そうじゃない時期もあったんですか?

矢野 やさぐれて、「私、女優向いてないな」って思ってた時期もありましたよ。現場に入っても何もできていないな、ただの役割で終わっちゃってるなって感じることもありました。あとは、通っているお芝居のレッスンで講師の方に「いつまでたっても芝居が浅い」「ななかはすぐサボるから」って言われ続けて、一時期すごく悩んでいましたしね。
なんでこんなに成長しないんだろう、忍耐力がないんだろうって落ち込むこともありました。

――女優とグラビア、どちらがより自分を出せていると感じますか?

矢野 グラビアですね。お芝居は役として出ていますけど、グラビアは自分自身として出ている感覚が大きいです。仕事の中に、自分自身のことを発信できる場が一つあるっていうのは、すごくありがたいことだなと思います。

――グラビアを始めたのは17歳のとき。水着になることに抵抗はなかったですか?

矢野 それは全然なかったです。グラビアも自分から「やりたい」と言って始めたので。それまでプライベートで水着を着たこともなかったんですけど、初めてオーディションでビキニを着たときに、「あ、これはいけそう」「かわいいじゃん」って思いました(笑)。

――昨年10月には1st写真集『ケレン』(講談社)も出されましたね。

矢野 19歳のうちに撮って20歳で出す、という理想的な流れで出せたのが嬉しかったです。写真集って、1冊3000円ちょっとじゃないですか。決して安いお金ではないと思うんです。
それを買ってくださる方がたくさんいるのは、本当にありがたいことだと思っています。今でも『NOBROCK TV』を観て感動したからって、写真集を買ってくださる方がいて、本当に嬉しいです。

仕事の現場では、20歳とは思えないほどのプロ意識とストイックさを見せる矢野。しかし、ひとたびプライベートに話を移すと、途端に年相応の、いや、それ以上に無邪気で甘えん坊な一面が顔を覗かせる。

――お話していると本当にしっかりされていますよね。20歳には思えない(笑)。

矢野 しっかりしてるねとは言われますが、プライベートは全然ですよ(笑)。脱いだ服は基本的に脱ぎっぱなしで、抜け殻のように置いて家を出るし、とにかく忘れ物が多い。家の鍵とかお財布とか、しょっちゅう忘れて親や友達に迷惑をかけています。

――意外です。1人で行動するのは得意ですか?

矢野 全然できないです。唯一、買い物だけは1人で集中したいので行けるんですけど、それ以外はダメですね。
区役所の手続きとかも1人じゃ絶対に嫌なので、絶対お母さんについてきてもらいます。とにかく甘えられる人が1人でもいるなら、甘えたい。1人でいたくないんです、まだ。

――周りの大人に頼ることを意識していると。

矢野 昔は「しっかりしなきゃ」「自立しなきゃ」って思ってたんですけど、最近は「こんなに周りにカッコいい大人がたくさんいるんだから、甘えていいじゃん」って思うようになりました。助けてくれる人がいっぱいいるんだから、頼っていいんだって。そういう人たちの前では、結構ちゃんと20歳なんじゃないかなって思います。

――そもそも、芸能界を目指したきっかけは?

矢野 保育園の頃からAKB48さんが大好きで、ずっとアイドルに憧れていました。高1のときに、「役でアイドルができればいいや」って思って、女優を目指すことにしたんです。本格的に活動を始めたのは、16歳で今の事務所に入ってからですね。

――その前に、一度事務所を辞めて、養成所に入り直した経験があるとか。

矢野 中学1年生のときに一度事務所に入っていたんですけど、何の活動もしないままで。
このままじゃ実力がなさすぎると思って、一度辞めて、ワタナベエンターテインメントスクールにレッスン生として入学しました。ありがたいことに特待生で入ることができたんです。

――すごいですね。

矢野 そのときのオーディションを担当してくださった方が、母に電話で「本当に数年に一度の逸材なので、ぜひうちで預からせてください」って話してくださったみたいで。それがすごく自信になりました。今、こうして少しずつ活動できていることを考えると、あのとき私を見つけてくれたその方の目はすごかったんだなって、感謝しています。

――最後に、今後の目標を教えてください。

矢野 お仕事では、映画に出て、全国的に映画デビューしたいです。出るドラマも、深夜枠からゴールデンタイムに少しずつステップアップしていきたい。あと、今まで不倫相手とか風俗嬢とか、ヒール役が多かったので、いつか主演やヒロインで、純粋な恋愛をしてみたいです。ドキドキしたい、20歳だから(笑)。プライベートでは、海外旅行に行ってみたいのと、車の免許を取りたいです!

――矢野さんが運転……ちょっと危なっかしいイメージが(笑)。


矢野 よく言われます(笑)。歩いていても「このくらいの狭い道なら行けるだろう」ってギリギリを攻めちゃうタイプなので。でも、私が車を運転してたら面白いなって。頑張ります!

▽PROFILE
矢野ななか(やの・ななか)
2005年10月14日生まれ、神奈川県出身。身長155cm、血液型O型。2022年、ドラマ『みなと商事コインランドリー』(テレ東系)でテレビドラマデビュー。翌2023年、『週刊ヤングマガジン』(講談社)でグラビアデビューを果たす。舞台・ドラマ・グラビアと活動の幅を広げ、2025年11月、YouTubeチャンネル『佐久間宣行のNOBROCK TV』への出演が累計1200万再生超の反響を呼び、一躍注目を集める。翌2025年10月には1st写真集『ケレン』(講談社)を発売。2026年4月放送開始のドラマ『サレタ側の復讐~同盟を結んだ妻たち~』(テレ東系)に出演中。

▽作品紹介
水ドラ25『サレタ側の復讐~同盟を結んだ妻たち~』
■テレ東系 毎週水曜深夜1時~1時30分
■BSテレ東 毎週火曜深夜24時~24時30分
【出演】水崎綾女 篠田麻里子 矢吹奈子 / 髙松アロハ 増子敦貴 小西桜子 矢野ななか 青島心/落合モトキ 二階堂高嗣

【前編】『NOBROCK TV』で大バズ、矢野ななか「毎回限界までいって壁に当たっている感覚」即興芝居の重圧
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