第79回カンヌ国際映画祭の舞台に、映画『箱の中の羊』(東宝・ギャガ)に出演する綾瀬はるかの姿があった。バレンシアガのドレスに身を包んだ綾瀬は、美しく輝いていた。
そんな綾瀬の顔のアップ写真がSNSで話題を集めている。目元に刻まれたシワに対し、SNSでは肯定的な声が多く寄せられたのだ。本稿では、著名人が年齢に抗わず、その変化を自らの魅力に変えながら輝く姿が、視聴者に与える影響について考えてみたい。

【関連写真】綾瀬はるか、NHK紅白の舞台裏ショット公開【10点】

1985年生まれの綾瀬はるかは41歳(2026年5月時点)。そんな綾瀬の目元のシワが写った写真が"40代らしい美しさ"であるとSNSで称賛されている。

近年、美容整形は多くの人にとって身近な存在になってきている。美容外科を標榜(ひょうぼう)する診療所は、2020年から2023年にかけて急増した。また、自分の顔写真を加工するのは今や普通のことで、無加工の写真をSNSにアップする人の方が、世代によっては少ないだろう。

綾瀬の目元のシワは、令和の美意識に逆行するといえるかもしれない。それでも、このシワについてネガティブな意見は少なく、「年齢とともに刻まれたシワ」「自然な目元」「美容医療でシワを消さないでほしい」といった称賛の声が多く集まった。また、綾瀬本人が「シワを見るとたくさん笑って幸せなものができたなと思う。少しだけ愛おしい」と語っていたこともある。


綾瀬といえば、昨年放送さえた『ひとりでしにたい』(NHK総合ほか)で演じた山口鳴海役が印象的だった。鳴海は39歳の独身で、学芸員として働くかたわら"推し活"を楽しんでいる。未婚であるがゆえの生きづらさを抱えながらも前向きに生きる姿は、多くの同世代の共感を呼んだはずだ。

最近は、白髪に対する価値観も変わりつつあるように思う。芸能界では白髪を隠さない人が増えてきたが、先駆的な存在はフリーアナウンサーの近藤サトだろう。現在57歳(2026年5月時点)の近藤は、20代から続けてきた白髪染めを2018年にやめ、グレイヘアで地上波に堂々と登場した。

2026年2月に還暦を迎えた小泉今日子も、前髪を中心に白髪を残している。2025年4月に放送された『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)では、還暦を間近に控えた吉野千明を好演したが、白髪メッシュの前髪がおしゃれだった。小泉は「みんな怖いなら私が先に行ってみるという気持ちで生きたい」と語ったことがあるが、小泉が白髪を活かしたヘアスタイルを披露したことで、筆者を含め後に続く人も少なくないだろう。

天海祐希も、白髪を隠すことに執着していないようだ。ここ最近は、バラエティ番組などで白髪が見える場面が増えてきた。天海は自らを「おばちゃん」と若手俳優の前で呼ぶなど、年齢を自然に受け入れているようにも見える。
年齢を美しく重ね、自分の年齢に抗わない天海の生き方に憧れる人は多い。

男性俳優でも、白髪を活かしたヘアスタイルは多数見られる。例えば反町隆史は、白髪交じりの髪をそのまま見せることで、以前の明るくヤンチャなイメージとは異なり、成熟した大人の気品が漂っている。

松重豊は役に合わせて髪を染めている一方で、オールグレイヘアのまま公の場に登場することがある。グレイヘア姿の松重からは、彼の人としての深みがより強く伝わってくるようだ。

数々のトレンディドラマで主演を務めてきた唐沢寿明は、約2年前に60歳を迎えた。白髪をそのままにしている姿には上品さが漂い、年齢を重ねるごとに魅力を増しているように見える。

◆有名人の「受け入れる姿」を見て楽になる人も

筆者は、自分の目元のシワや白髪を今後どこまで許容できるのか、正直なところわからない。グレイヘアが美しく、魅力的に見えるのは"芸能人だから"という側面も否定できない。それでも筆者は、加齢による身体の変化を魅力に変える芸能人の姿を見ることで、自然に任せられるような気がする。

人気芸能人が年齢相応の姿で公の場に登場することで、肩の力が抜ける人も少なくないはずだ。

【あわせて読む】「綾瀬はるかになりたい!」女性たちの支持を集める‶ストイックすぎない体″と自然体の美
編集部おすすめ