福間香奈女王に西山朋佳女流三冠が挑戦する第19期マイナビ女子オープン五番勝負は、挑戦者先勝で迎えた第2局が4月22日(水)に山梨県甲府市の「常磐ホテル」で行われました。対局の結果、両者得意の相振り飛車から抜け出した福間女王が143手で勝利。
力強い指し回しでスコアを1勝1敗に戻しています。
○ふたりだけのオープニング

公式戦直近10局で4勝6敗と調子を落としている福間女王、開幕戦を落として迎えた本局は初手に5筋の歩を突く中飛車宣言で復調を目指します。対して直近9勝1敗と好調の西山女流三冠、こちらは向かい飛車に構えて相振り飛車の戦型を受け入れました。両者の間では定跡となっている出だし6手で、実戦は西山女流三冠の14手目ですべての前例を離れます。

中飛車対向かい飛車の構図となって中盤戦が続きます。進展性に乏しい中飛車側としては向かい飛車に振り直す指し方がよく知られていますが、この日の福間女王はオリジナリティあふれる指し回しで主導権を握りにかかりました。右金を自陣四段目に上がって右辺からの打開を目指したのが攻め駒を攻める新発想で、将棋AIの対局にも時折見られるものです。

○攻め駒を攻める快勝譜

分岐点となったのは59手目の局面でした。局面の焦点は「後手の攻めを引っ張り込んだ福間女王の強い受けが指し過ぎになるかどうか」の一点に絞られていますが、ここで「(桂頭への歩打ちを)うっかりした」という西山女流三冠が一歩後退する展開に。福間女王としては自玉そばでの力強い金銀使いが奏功して後手の攻めを切らせることに成功しました。

優位に立ってからの福間女王の指し回しは的確でした。桂の王手を受けたとき、強く玉を前進させて入玉に舵を切ったのが自身の読みを信じた決め手となりました。
終局時刻は16時53分、最後は入玉を遂げた先手玉に寄りなしと認めた西山女流三冠が駒を投じて熱戦に幕。福間女王の序盤の新構想と中終盤の力強い指し回しが印象に残る快勝譜となりました。

注目の第3局は4月29日(水)に神奈川県藤沢市の「時宗総本山 遊行寺」で行われます。

水留啓(将棋情報局)
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