こんにちは、セレンです。

「ビジネスで英語が必要になったけれど、何から手をつけていいかわからない」「毎日忙しくて、まとまった学習時間がとれない」「英会話レッスンを何年も受けているのに、いざとなると言葉が出てこない」——そんな悩みを抱えるミドルシニアのビジネスパーソンは少なくありません。


これまで数多くのビジネスパーソンの英語学習に伴走し、ノウハウを提供してきましたが、実は「正しいやり方」さえ知っていれば、忙しいミドルシニアでも効率よく、最短で英語を身につけることは十分に可能です。

今回は、第二言語習得理論(SLA)に基づいた、忙しいミドルシニア必見の「効率よく最短で英語学習を成功させる方法」について、まとめてみたいと思います。

○既存の英語学習はなぜ効率が悪いのか? 効率の良い学習法とは?

まず、多くの人が持っている大きな誤解から解いていきましょう。それは「英語は、話せば話すほど伸びていく」という思い込みです。

「英語を話せるようになるには、とにかくアウトプットだ!」と、いきなりオンライン英会話に飛び込み、フリートークを繰り返す人がいます。とにかく環境に飛び込もうと留学を決意する人もいるでしょう。しかし、スピーキングという技能は「ベースとなる知識(語彙や文法、発音)」がない状態、つまりインプットがない状態でいくらアウトプットしようとしても、できないようになっているのです。

私はよく、インプットとアウトプットの関係を「冷蔵庫」に例えて説明します。インプットとは、冷蔵庫の中身を充実させるプロセスです。しかし、ただ乱雑に食材(知識)を詰め込んでも、いざ料理(会話)をしようとした時に、どこに何があるか分からず取り出せません。

効率の良い学習法、それは「アウトプットを視野に入れたインプット」です。後で「取り出し使うこと」を前提として、文脈や状況をイメージしながら知識を収納する。
この準備こそが、最短で英語が話せるようになるための最強のアプローチなのです。
○英語学習経験者がやりがちな非効率な英語学習TOP3

では、実際に英語学習経験者が陥りがちな「非効率な学習法」をランキング形式で3つご紹介します。

○第3位:ただの「フリートーク」を繰り返している

「とりあえず英会話レッスンを受けていれば伸びるだろう」というのは幻想です。TOEICの学習だけ、あるいは留学してアウトプットだけ、オンライン英会話を受け続けるだけでは英語は伸びません。なぜなら、「言えなかった表現を覚える」というプロセスが抜け落ちているからです。知っていること(宣言的知識)を、無意識に使えるレベル(手続き的知識)へと昇華させなければ、実践では役に立たないのです。フリートークを繰り返している方は、ぜひ「英語で言えなかったことをメモして後で調べる」癖を同じくらい習慣にしてみてください。メキメキと変化が現れるはずです。
○第2位:自分に関係のない「左脳的学習」ばかりしている

単語帳を暗記し、文法書を読み込む。これは論理的・分析的な「左脳的アプローチ」であり、基礎として重要ですが、特に初中級以上の方はこれだけでは英語が話せるようにはなりません。言語習得において強力なのは、情報を自分に関連付けて処理する「自己参照効果(セルフリファレンス)」です。自分ごととして学習した内容は、そうでない内容に比べて記憶保持率が20~30%も高くなるというデータもあります。
自分の仕事や日常に関係のない例文を丸暗記しても、実戦では使いこなせないのです。単語や文法を学ぶ時に大事なのはどこで、誰に使うか、を想定し、その状況に応じた文で覚えるということです。一手間加わってしまいますが、自分用の例文に変える、これが料理でいうと隠し味のように効いてくるのです。
○第1位:「シャドーイングさえすれば話せる」というシャドーイング信仰

「英語を話せるようになるには、とにかくシャドーイングが一番だ」と信じ、毎日ひたすら音声を追いかけている学習者は非常に多いです。たしかにシャドーイングは、英語独自のリズムやイントネーションを身につけ、リスニング力やスピーキングの瞬発力を高めるには非常に有効なトレーニングです。しかし、意味や文構造の理解が伴わず、ただ聞こえた音を真似るだけの「オウム返し」になっていては、いざ自分の意見を話そうとした時に言葉は出てきません。

残酷な事実ですが、シャドーイング「だけ」を続けていてもスピーキングは伸びないのです。高額な英語コーチングサービスを受けたが、ひたすらシャドーイングだけを続けさせられ、卒業してみていざビジネスの現場に立つと英語が話せない、そういう方が昨今非常に増えています。なぜなら、そこには「自分が言えなかった表現をベースに習得する」という、アウトプットに直結するプロセスが抜け落ちているからです。シャドーイングは決して万能薬ではありません。意味や文構造をしっかり理解し、情景を思い浮かべながら読む「音読」をベースにしつつ、目的に応じて正しく取り入れて初めて、その真価を発揮するのです。
○英語学習での実例:一山を越えたビジネスパーソンたち

私たちが提供するTEPPEN ENGLISHでも、多くのミドルシニア層のビジネスパーソンが、非効率な学習から抜け出し、大きな成果を上げています。


例えば、外資系の再生可能エネルギー業界で働くMさん(30代、男性)は、ネイティブの同僚が多い環境で「壁の花」になっていることに悔しさを感じていました。しかし、自分に合ったビジネス英語の学習法に出会い、コンサルタントの伴走によって流暢な発話を身につけ、今では堂々と会議に参加されています。

また、医師のSさん(50代、男性)は、海外の学会で英語で議論できるようになりたいと他社のコーチングを受講したものの、成果を実感できずにいました。しかし、第二言語習得理論に基づいた「納得感」のある学習メソッドを実践したことで、聞かれたことに自分の言葉で即座に返せる瞬発力を手に入れました。

さらに、グローバル会議で「自分にだけ通訳がつく」という悔しい経験をしたFさん(40代、男性)は、学習を可視化して継続することで、10年ぶりの英語学習で見事な成長の手応えを掴んでいます。

彼らに共通しているのは、「正しいインプット」を行い、日々自分ごと化した英語をアウトプットしながら「言えなかった表現を徹底的に回収し、自動化するまで定着させた」という点です。
○ミドルシニアで英語学習がうまくいっている方の学習法

では、具体的にどのような学習をすればいいのでしょうか。限られた時間の中で結果を出しているミドルシニアの方々が実践した、セレン流メソッドの核心をご紹介します。
○1. 「音読」は王道

スピーキングを伸ばす土台は「音読」です。ただし、ただ声を出すだけではいけません。意味や文構造を理解し、情景を思い浮かべながら読む「コンテンツ音読」から始めてみましょう。意味と、情景が頭に想起できている状態で行う音読は、ただ英語を読んでいるのではなく、「自分が実際に英語を話している」という脳のハック(錯覚)を起こすことができるのです。
インプットをしているのに、アウトプットが伸びていく学習の王道は音読です。
○2. 言えなかった英語をストックし「自動化」する

日々の業務やオンライン英会話の中で言えなかった表現を必ず回収し、自分だけのフレーズ集として記録します。この時、単語単体ではなく、なるべく「フルセンテンス」で、覚えたい要素に絞ってミニマムに登録するのがポイントです。昨今はAIにその都度言えなかった英語を聞いて、答えを知って終わり、という方が多いのではないでしょうか。そうではなくストックし、日本語を見たら英語が勝手に出てくるレベルまで自動化することが英語が話せるための最強の手法の一つです。
○3. 「PREP法」で発話の型を持つ

いざ英語を話そうとすると、話がまとまらなくなってしまう、話している途中で次に何をいえばいいのかわからなくなり軽いパニックになってしまう。そんな方には「PREP法」がおすすめです。Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)という論理的な型に当てはめて話す練習をすることで、シンプルでありながら説得力のある、論理的な英語を話すことができるようになります。また次に何を言えば良いか、を考えるリソースが浮くため言うべき内容に注力できるようになり発話の質があがるというのも大きな利点です。
○4. 感情のブレーキ(情意フィルター)を下げる

最後に、言語習得の障壁となるのが「情意フィルター(不安やモチベーションの低下など)」です。ミドルシニアは「失敗したら恥ずかしい」「今の年齢からでは遅いのではないか」といった不安を抱えがちです。よく聞く言葉の代表的な例は「年を取って記憶力が下がっているので単語が覚えられない」です。
これは代表的な情意フィルターで実際に単語が覚えられない理由が記憶力の低下であることはほとんどありません。

言語習得には「U字型発達曲線」というものがあり、一時的にエラーが増えたり、後退したように感じる時期が必ず存在します。この仕組みを理解し、日々のトレーニングを「歯磨き」のように淡々とこなしていくこと。これが最終的な明暗を分けます。思い込みを捨て、目的を意識し、目標に向かって行動し続けられるミドルシニアは必ず成果を出しています。
○最後に

英語学習に「魔法の杖」はありません。しかし、第二言語習得理論に基づいた「正しい地図」と、迷わず進むための「効率的なコンパス」があれば、どんなに忙しいミドルシニアでも、必ず英語は話せるようになります。これは断言できます。

まずは今日、あなたが「言おうとして言えなかった英語」を1つ、書き留めるところから始めてみてください。その小さな1歩が、あなたが英語を自由に操り、グローバルな舞台で活躍する未来への強力な一歩となるはずです。今の私もその一歩から始まりました。一緒に頑張っていきましょう!

セレン 株式会社スクールウィズCAO(Chief Academic Officer) セレン 2004年、インディーズレーベルからシンガーソングライターとしてデビューし、その後ミュージシャン、音楽学校講師、作詞家、として活動する。
2011年、31歳で留学経験ゼロから英語学習をスタート。2015年より楽天グループ株式会社のグローバル人事部にて、英語研修の企画・運営、講師として7年間従事。 年間指導約2,000名、個別学習カウンセリングの総人数は1,500名を超える。英語の法人研修、高校、大学での講義や英語関連事業コンサルなどを担当。 2022年4月より、スクールウィズで英語学習カリキュラムを監修。留学前の英語力アップに特化した英語学習プログラム「プレ留学」や、AIを活用したスピーキング特化の英語コーチングサービス「TEPPEN ENGLISH(テッペンイングリッシュ)」などの立ち上げに従事し、立ち上げ後は総合監修・プロ講師を担当。自分自身が英語力ゼロから学習を開始した経験、累計約30,000人に指導してきたノウハウ、そして第2言語習得理論を駆使したロジカルな指導スキルで高い講義満足度を誇る。 海外在住、留学経験なしでTOEIC LR満点、TOEICスピーキング満点、英検1級, IELTS8.0取得。 著書:「英語のあたらしい読みかた」 IBCパブリッシング この著者の記事一覧はこちら
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