レビュー

本書『新・エリート教育』の“新”は、2つの意味に読み解くことができるだろう。1つには、これからの時代に求められる「新しい人材像」である。

あえて「新型コロナの時代に求められる人材」と言ってもいいかもしれない。もう1つは、デザイン思考や脳神経科学といった、最新の成果を取り入れる日米の先端校で進められている「新しい教育」の姿である。
こうした来るべき教育のベースとして、本書で紹介されるのが「ホール・チャイルド・アプローチ(Whole child approach)」だ。子どもたち1人ひとりの興味に合わせて心身頭(ハートボディマインド)を統合的にバランスよく育むことを目標とした考え方である。学力に代表される認知能力だけではなく、豊かな人格や態度、価値観など、いわゆる「非認知能力」の育成を重視する。
またこのアプローチは、「子どもたち全員に同じタイミングで同じ学びを提供する」という従来のカリキュラムの考え方を脱し、1人ひとりのニーズに応じた学習支援を行うのも特徴だ。オンラインなどの技術の広がりが、それを可能にしている側面もあるだろう。
「わが子には、主体的に自ら考えて行動できる大人になって欲しい」、「大人として精神的にも経済的にも自立できるようになって欲しい」――こうした思いは、父母であれば誰もが抱くのではないだろうか。新時代のエリート像を描き出す一冊である。

本書の要点

・ホール・チャイルド・アプローチがめざすのは、普遍的な人間力の向上だ。それは子どもたち1人ひとりが自分を知り、多様な他者の視点に共感する力を身につけて、自分なりの方法で社会に貢献する方法である。
・そのために重視するのが、学力+非認知能力である。

新しい知見や技術を応用しつつ、これらの能力を育むための取り組みが、日米の先端校で進められている。
・どのような環境の子どもたちでも、ホール・チャイルド・アプローチの学びの場にアクセスできるようになることを教育の目標としなくてはならない。



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