レビュー

本書には「サイバー植民地」というショッキングな言葉が出てくる。GAFAをはじめとする米国発のプラットフォーマーに席巻される日本のマーケットのことだ。


過去のオンラインの競争において、その影響を受けたのはインターネット業界とその周辺にとどまっていた。しかし、あらゆるものがデータ化するいま、その変化はリアルな業界に急速に広がり、第1次から第3次まで全ての産業が巻き込まれようとしている。しかも、そこにゼロ・インパクトが重なる。ゼロ・インパクトとは、モビリティー、通信コミュニケーション、エネルギーの3つのインフラ分野をはじめ、住居、教育、金融、医療などの分野において、コストが限りなくゼロに近づく未来である。
想像してみてほしい。たとえば電力エネルギーのコストがほぼゼロになれば、自社のコスト構造や業界地図はどうなるだろうか。チャンスとなるか、それともピンチにおちいるか。こうした大きな地殻変動を察知し、プラットフォーマーは早くもDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる。日本企業も一刻も早くDXに舵を切らなければ、市場で生き残ることは難しいだろう。
ただし希望はある。新型コロナがもたらした働き方や移動、オフィス環境などの変化によって、日本企業の間でDXへの関心が急速に高まっている。このタイミングを活かさない手はない。
まずは本書が描く「さほど未来でない『未来』」に触れてみよう。

本書の要点

・日本企業は、DXの総合プロデューサーというべきCDO(最高デジタル責任者)を設置すべきだ。
・攻めのDXを実現するうえで必要なのが、マインドセットの変化、徹底した情報収集、全社員のデジタルリテラシー向上の3つである。
・アジャイル開発を成功させるカギは、ビジネス側とエンジニア側が相互信頼のもと、密に連携をとって進めていくことだ。理想は、企画からプロダクト開発まで連動した開発体制を社内に持ち、内製化することである。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に2,100タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ