世界中が米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦の行方をヒヤヒヤしながら見守る中、トランプ大統領は22日(米東部時間21日)、停戦延長を決めた。再攻撃の可能性を露骨に口にしてイランに迫ったものの、戦闘終結協議の再開すら拒否され、いい意味でTACOが炸裂。

すっかりおなじみになった「Trump Always Chickens Out」(トランプはいつもビビってやめる)である。


 米イランの停戦期限は23日(米東部時間22日)だった。パキスタンの仲介で再協議の日程が調整されていた最中、トランプ大統領は一方的に「イランはすべてに同意した」と言い出し、イランが濃縮ウランの搬出に応じて米国が引き取ると主張。イラン側に「ウソだ」と反発されると、一転して「国全体を吹き飛ばす」と脅しを強めた。結果、再協議はご破算。米側交渉団を率いるバンス副大統領のパキスタン再訪がパーになったのが実態である。


 しかし、「勝利」しか認めないのがトランプ大統領だ。


 世界最強の老害はパキスタンから再攻撃を控えるよう要請されたとSNSで説明。イランが「深刻な分裂状態にある」とし、体制内部で米国との交渉をめぐる意見対立があると強調。〈イラン側から提案が出され、どんな形であれ協議の結論が出るまで停戦を延長する〉と投稿し、何やら慈悲のようなものをにじませている。


 しかし、それとていつまで続くか知れたものではない。


■WSJ紙「イランがカモ扱い」に激高


 ウォールストリート・ジャーナル(21日付)が「イラン人はトランプをカモにしている」と見出しを打った論評記事を掲載した途端、トランプ大統領は激高。

「私がカモにされていると書かれているが、イランは決してそんなことを思っていない!」とSNSに書き込んだ。マンガだ。


「中東紛争」などの著書がある軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏はこう言う。


「米国もイランもチキンゲームに陥っています。これ以上は交戦したくない、けれども負けは決して容認できない。双方の思惑は全く同じ。今回は凄めばイランが折れると踏んだトランプ氏の読みが外れ、先にブレーキを踏まざるを得なかったということ。ホルムズ海峡の二重封鎖によって世界経済の混乱が深まっている状況を横に置けば、米国もイランも停戦を継続する現状維持が最も都合がいい。もっとも、米国の軍事的優位性は変わりませんし、海峡を逆封鎖されたイランはどんどん追い込まれてはいる。泥沼化を避けたいトランプ氏が一方的に勝利宣言をして手を引く展開もなくはない」


 対イラン作戦は9週目入りが目前だ。


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 トランプ大統領の度を越した言動にMAGA派からも正気を疑う声が。関連記事【もっと読む】『トランプ大統領に「認知能力低下」説が急浮上 タガが外れた暴言連発で“身内”MAGA派からも正気を疑う声』で詳しく報じている。


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