米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦は、開始から優に2カ月が過ぎたが、いまだ決着がつかない。イラン作戦を理由にトランプ大統領が延期した国賓訪中が迫っている。

日程は13日から2泊3日。ここへきて急浮上しているのが、北朝鮮への立ち寄りだ。妙に好相性の金正恩朝鮮労働党総書記が訪朝をオファーしているという。


 北朝鮮がイランに核・ミサイル開発技術を供与するなど、両国は伝統的な友好関係にある。北京から平壌へは2時間ほどで飛べるとはいえ、トランプ大統領はキナくさい誘いにホイホイ乗るのか──。


 月刊誌「文藝春秋」(6月号)が〈金正恩「トランプ5月訪朝」極秘交渉〉と題し、在韓ジャーナリストの朴承珉氏の寄稿を掲載。記事によると、金正恩総書記は首脳会談を3回重ねたトランプ大統領との信頼関係に自信を持っており、北朝鮮側は当初3月末の予定だった訪中に合わせた訪朝を念頭に、2月27日に第三国の米大使館関係者を介して米朝会談の実施を打診したという。


 翌日、事態はとんでもない方向に展開。イランの核・弾道ミサイル開発能力の壊滅を狙うネタニヤフ首相にそそのかされたトランプ大統領が作戦「壮大な怒り」をおっぱじめてしまう。非核化を迫られてきた金正恩総書記の首筋が寒くなったのは想像に難くない。改めて朴承珉氏に聞いた。


「北朝鮮の消息筋によれば、北朝鮮側は4月上旬にも米大使館関係者と会って感触を探ったところ、トランプ氏はイラン対応に手いっぱい。

レスポンスはないもようです。北朝鮮側は5月訪朝を面会程度に位置付け、11月の米中間選挙を見据えて7~8月ごろに本格的な首脳会談を行う青写真を描いていると聞きます」


 金正恩総書記は2月25日に閉幕した朝鮮労働党大会で、北朝鮮が「核保有国としての地位を永久に固めた」と強調し、「わが国の地位を尊重し敵視政策を撤回するなら、米国と良好な関係を築けない理由はない」と演説。勢いそのままに米側にアプローチしたものの、とんだ誤算に見舞われたようだ。


 もっとも、世界最強の老害と化した米大統領は油断ならない。昨年9月に北京で行われた「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年」を記念する式典では、習近平国家主席を挟んで金正恩、ロシアのプーチン大統領が横並び。時に温度差はあれど、中ロ朝の結束の強さを見せつけた。イランのペゼシュキアン大統領も列席した。行き詰まったトランプ大統領が目くらましでやみくもに動く可能性はゼロではない。


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