ロシアのプーチン大統領の“におわせ”が疑心暗鬼を広げている。対独戦勝記念日の式典終了後に行われた9日の会見で、ウクライナ侵攻について「終結が近づいていると思う」と発言。
「平和の構築者」を気取りながら対イラン軍事作戦を仕掛け、手詰まりに陥っているトランプ大統領はロシアとウクライナを仲介し、11日までの3日間の停戦を合意させた。しかし、両国とも停戦違反があったと主張。これまでと同様、非難の応酬となる展開となった。
にもかかわらず、プーチン大統領は「終戦近し」と言い出し、ゼレンスキー大統領との首脳会談に応じる姿勢も見せている。一体どういう腹積もりなのか。筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)は「ウクライナ戦争でロシアが勝利することはない。プーチン氏はそれを認めざるを得なくなったということです」と指摘し、こう続ける。
■「第2のヤルタ会談」構想か
「今年の戦勝記念日のパレードには兵器が登場せず、例年とは様変わり。ウクライナによるドローン攻撃に備えたと説明されていますが、実態はガソリン不足。ミサイルや戦車を運ぶ燃料を惜しんだのです。
第2次世界大戦終結のおよそ半年前、米英ソのトップが集まり、戦後処理について協議した。
「米中ロによるウクライナ版です。実現すれば、ロシアは世界に影響力を及ぼす3巨頭の一角を占めていると国民にアピールできますし、大義になる。G2あるいはG3を志向するトランプ氏にとっても悪くない。台湾問題をアンタッチャブルにできれば、(国家主席の)習近平氏の満足度も高いでしょう。プーチン氏は今月下旬に訪中予定です。習近平氏と会談して米中首脳会談の成果などを聞き、第2のヤルタ構想を持ちかけるものとみています」(中村逸郎氏)
戦火が消えるに越したことはないが、「法の支配」は後景へ追いやられていく。
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