結成16年以上の漫才師たちが覇権を争う「THE SECOND~漫才トーナメント~2026」(フジテレビ系)が5月16日に行われ、18年目のトットが優勝した。


「ABC・テレビ朝日系列が放送する『M-1グランプリ』は結成15年以内という出場要件があるため、『THE SECOND』はそれを超える規定を作って2023年から新たに始まった大会ですが、後発感が否めず、視聴率は伸びていません。

今回も世帯5.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)で成功とは言い難い。昨年の『M-1』は16.2%だったので、3分の1にも満たない数字です」(テレビ局関係者=以下同)


 なぜ、「THE SECOND」は盛り上がりに欠けるのか。


「観客が審査員を務めている点は大きなマイナスでしょう。『M-1』は『松本人志が誰に何点をつけたか』『上沼恵美子の採点にとろサーモン久保田が愚痴をこぼした』『山田邦子の点数がバラけすぎ』など芸人のネタと同じくらい、毎年審査員の採点が話題になります。『THE W』などの霜降り明星・粗品もそうでしょう。賞レースに出てくる芸人は、一般視聴者には馴染みがない。その分、芸能界で地位を築いたタレントが審査員として登場すると、お笑いにそこまで興味のない人をテレビの前に座らせる効果があります。それ以上に大きなメリットは、彼らは"笑いの玄人"という点です。そんな当たり前の利点を、『THE SECOND』の制作者は見過ごしている。特に今大会、そのマイナスが大きく作用しました」


石橋貴明木梨憲武の斬新なネタを「お笑いスター誕生!!」で評価したタモリ


 決勝戦ではトットと金属バットが対決。後攻の金属バットは約4分間を笑いなしのフリに使い、最後の1つのボケで笑いを爆発させる作戦に出た。


「この手法を使う芸人自体は他にもいますが、テレビで実行したことが凄い。視聴者がせっかちになっており、すぐにチャンネルを変えるため、漫才ではボケの手数をいかに多く出すかが重要視されてきた。なのに、金属バットは時代と逆行するネタを決勝戦で使った。この勇気は評価されるべきでしょう」


 結果的にトット281点、金属バット264点と大差がついた。264点は今大会の延べ14組の中で、最も低い点数だった。


「正直、審査員の観客は金属バットのネタをどう評価していいか、戸惑ったと思います。観客はあくまで笑いの素人です。100人もの観客が採点をすれば、その意見(点数)は最大公約数になる。最大公約数とは"無難"と言い換えられる。『M-1』のように芸人が採点をすれば、誰がどう評価したか話題になるし、そこまで点数に差が付かなかったかもしれない。(元『M-1』審査員の)立川志らく辺りはいい点数をつけそうな気はしますね」


 かつて「お笑いスター誕生!!」(日本テレビ系)では石橋貴明と木梨憲武の斬新なネタに対し、ほとんどの審査員が沈黙する中、タモリは「なんかわからないけど面白いから頑張れよ」と評価した。その後、石橋と木梨は「とんねるず」として、時代を築いた。


「もし観客が審査員だったら、とんねるずは評価されたかわからない。タモリが『面白い』と太鼓判を押したことで、視聴者は『面白いと思っていいんだ』と感じたのでは。審査員にはそういう役割がある。『THE SECOND』は『M-1』と違う色を出すために、観客を審査員にしたのでしょうけど、そのこだわりは捨てた方がいい」


 来年以降も、観客審査員を続けるのか。


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