【芸能界クロスロード】


 4月期を「過去10年で最大規模の改編」と意気込んでいたフジテレビ。2カ月経った今も、期待された番組は伸び悩んでいる。


 なかでもカズレーザー司会の「超調査チューズデイ~気になる答え今夜出します~」が初回から視聴率2%台という関心度の低さ。


 3回目の放送では前番組の「逃走中」に引っ掛けカズは「この番組、業界で何て言われているか知っています? “迷走中”」と自虐ネタで笑わせていた。


 同志社大出身のカズは博学であることを武器に情報番組からクイズ番組までトレードマークの金髪と真っ赤な服、的確な解説でタレントとしての地位を確立した。


「芸人らしくない芸人」と言われ、明石家さんまのようなカリスマ性はない。推しのファンも少ないが、評論家並みの知識と分かりやすい話で玄人受けしている。


 昨年、女優の二階堂ふみと結婚。公私にわたり充実期に入った。


 女優(蒼井優)との結婚を機に飛躍した山里亮太に続く司会者としての期待を持たれていたが、フタを開ければ、火曜夜7時から2時間枠でこの低視聴率では──。


「カズは番組の批判ともとれる話をしたが、カズ自身も内容に不満があるように思える。長く続けて自身のイメージを落とす前になんとかしたいと思っているからの発言では」(テレビ関係者)


 カズは「坂上&指原のつぶれない店」などレギュラー番組の大半はパネリストと解答者。司会は新鮮に映る半面、違和感があった。


 芝居の世界に脇役で魅力を発揮する俳優がいるように、バラエティーでもひな壇のほうが生きる人がいる。

カズはその代表格。話を振られた際のコメント力で存在感を発揮した。


「カズの新たな一面を引き出す意図で司会者にしたのだろうが、内容も含めフジは見誤った。番組全体の見直しが必要だろう」(テレビ関係者)


 ドラマは俳優だけでなく視聴者の「フジ離れ」を象徴するように、相変わらず視聴率はイマイチだが、一筋の光も見えてきた。


 1月期のドラマは橋本環奈の「ヤンドク!」、反町隆史大森南朋津田健次郎の「ラムネモンキー」など人気俳優を起用した従来のフジらしいものだった。今回は演技派を主演に据えながら、全体的な制作費は抑え気味になっている。


 北村匠海が初の月9に主演する「サバ缶、宇宙へ行く」では共演の神木隆之介以外、大物と呼ばれる俳優はいない。黒木華の「銀河の一票」も目立つ俳優は松下洸平ぐらい。ギャラの高い俳優はできるだけ起用せず、セットも簡易さが目立つなど、苦労しているのがわかる。


 それでも内容はおよそフジらしくない。


「サバ缶──」は福井県小浜市を舞台に先生と高校生が宇宙食作りに挑む青春ドラマ。TBSの日曜劇場枠だったら、共演者もセットも豪華になっただろうし話題性も十分だったが、今のフジには予算面も含め難しい。


 都知事選がテーマの「銀河──」も、リアルな政界の舞台裏と、黒木の卓越した演技力で「面白い」と評判も上がってきている。


 他にも佐藤二朗橋本愛の「夫婦別姓刑事」、昼ドラをほうふつさせる木南晴夏の「今夜、秘密のキッチンで」と異色のラインアップ。


 ドラマをリアルタイムに見る人は中高年以上が中心。フジもターゲットを若者から高齢者にシフトするような兆しが見えてきたのが今回のドラマ改編だ。


 目先の視聴率にこだわらず、中身のあるドラマ作りを続ければ、視聴者だけでなく、「フジ離れ」していた俳優も戻ってくる。


(二田一比古/ジャーナリスト)


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