2026年7月17日、カンボジアの首都プノンペンで、自らをロシア人と名乗る女性とその子供3人が路上生活を送っていることが現地で明らかとなり、深刻な人道上の課題として注目を集めている。この家族は、滞在に必要な査証(ビザ)が既に失効した状態にあり、生活基盤を完全に喪失したまま極めて不安定な環境に置かれている。
女性は母国ロシアの大使館をはじめとする関係当局に対し、親子が早急に母国へ帰国できるよう緊急の支援を求めている。

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 現地メディアであるクメール・タイムズ(Khmer Times)の報道によると、問題の家族が発見されたのは、プノンペン市内のセンソック地区、プサー・デイ・フイ周辺の住宅街。家族は付近の住宅の軒先や、建物の外側にあるプラットフォームを寝床代わりにするなど、最低限の雨露をしのぐことさえ困難な状況が続いている。7月15日の夜、偶然この地区を通りかかった住民が、路上で子供たちの姿を見つけたことが事態発覚の発端となった。当初、母親は近隣の部屋を借りて居住しているものと推測されていたが、実情は住居を確保する資金すら持ち合わせておらず、放置に近い状態で屋外生活を余儀なくされていた。

 発見当時の子供たちは非常に衰弱しており、同情した地元の住民が自費で食料を購入し、差し入れを行うなどして支えてきた。子供たちのうちの1人はロシア語とクメール語の両方を流暢に話し、自分たちの置かれた悲惨な境遇を周囲の大人に語ったという。その証言によれば、彼らの父親はロシア国籍の人物であり、かつて発生した交通事故で死亡した。その後、母親のパートナーとして行動を共にしていたカンボジア人の男が存在していたものの、その男は家族を捨てて姿を消したという経緯が明らかになっている。母子は頼るべき親族や資産もなく、カンボジアという異国の地で孤立無援の苦境に立たされている。

 カンボジアで外国人が生活困窮に陥るケースは、過去にも散見されてきたが、幼い子供を複数抱えた家族の路上生活は特に緊急性が高いとみなされている。ビザが失効した外国人に対する行政の対応は厳格であり、不法滞在という側面が壁となり、適切な社会福祉サービスへのアクセスが困難なのが現実だ。
支援団体やボランティアの手により、食料などの限定的な援助は行われているものの、本質的な解決には領事関係者によるパスポートの再発行や帰国旅券の手配など、外交ルートでの公式な介入が欠かせない。

 今回の事態を受け、地元社会では外務省や移民局といった公的機関の迅速な連携を求める声が強まっている。外国人トラブルを専門に扱うNGOや支援団体の中には、同様のケースを過去にいくつも見てきた経験から、制度の網の目からこぼれ落ちてしまう人々への対策が不十分であると苦言を呈する人もいる。
【編集:af】
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