長引くコロナ禍のストレスや運動不足により、“疲労感”を覚える人が増えている。さらにはこの先、季節性の疲労も合わさる可能性があるというから、今から対策が必要だ。

薬膳とヨガの講師である石原せいこさんはこう語る。

「梅雨に入って湿度が高くなると、体のめぐりが悪くなり、体力を養うための消化力、つまり胃腸機能が弱まることが原因です」

また、内科医の石原新菜先生も同様に話し、回復のカギは消化力、そして睡眠の改善にあるという。

「人間は寝ている間に、体の修復を促すホルモンが分泌されますから、その時間を有効に使うことが重要です。そのうえで、必要な栄養を効率よくとり入れるためには消化力が大切。胃腸をいかにケアできるかにかかっています」

安眠や胃腸活性化には、やはり日々の食事やちょっとした習慣に尽きる。ただし、「体にいいはず!」と思いがちな食材や行動に勘違いがひそんでいるので、2択クイズ形式で楽しみながら覚えておこう。

“疲労回復”するには次のどっちが正解?

【Q1】寝る前のジャスミン茶 or 寝る前のホットミルク

正解は寝る前のジャスミン茶。「イライラは安眠を妨げる原因であり、気の流れが滞っているサイン。寝る前には流れを整える食材、ずばりジャスミン茶が有効。かんきつ類や春菊もいいですよ」(せいこさん)

また。新菜先生によると、寝る前のホットミルクは胃腸に負担をかけ、疲れを加速させるのでNGとのこと。

【Q2】チンゲン菜 or ほうれん草

正解はチンゲン菜。

「イライラ以外に、安眠を妨げるのが“不安”。情緒を安定させてくれるのはチンゲン菜、ほかにカキ、アサリなどです」(せいこさん)

“ポパイ”から“パワーアップにはほうれん草”と連想しがちだが、「疲れているときには時期尚早。元気になってから食べましょう」(せいこさん)。

【Q3】鶏むね肉 or 鶏手羽肉

正解は鶏手羽肉。最近、疲労回復効果が期待されている“イミダゾールジペプチド”。鶏肉に多く含まれ、「むね肉が注目されていますが、薬膳的には鶏手羽。

なかでも手羽元がおすすめ。より動かす部位には、エネルギーがたっぷり詰まっています」(せいこさん)

また、鶏手羽には免疫力を高めるレチノールも。

【Q4】うなぎ or 絶食

正解は絶食。「“消化する”という機能には、とてもエネルギーが必要。これを休ませることで、その力を疲労回復に回すことができるのです。うなぎがいいとされたのは、栄養不足だった昔のこと。

現代人は過食気味なので、プチ断食すると体が整い、心身ともにすっきりしますよ」(新菜先生)

【Q5】焼き肉 or カレー

正解はカレー。「疲労回復効果や健胃効果のあるスパイス類を複合的に含むのがカレー。相乗効果を得られる食材で作ってみては?」(新菜先生)

ルウではなくカレー粉を使用し、具材を鶏肉(イミダゾールジペプチド)、アスパラガス(アスパラギン酸)、玉ねぎ(アリシン)にすれば特効薬に。

ちなみに、スイーツやチーズは消化力を弱めるので、この時期はひかえめにしたほうがよさそうだ。

「女性自身」2021年5月25日号 掲載