3月16日に沖縄・名護市辺野古沖で小型船2隻が転覆し、修学旅行の平和学習で乗船していた同志社国際高校2年生の武石知華さん(17)と船長の金井創さん(71)の2名が亡くなった事故。

船の運航元である米軍普天間飛行場の辺野古移設の反対運動などを展開する市民団体「ヘリ基地反対協議会」はもちろん、安全管理を怠ったとして学校法人も厳しく責任が追及されている。

文部科学省は4月24日に学校法人側に職員を派遣し、旅行の詳細や安全管理体制などについて聞き取り調査を実施。松本洋平文科相(52)は同月28日の会見で、「学校法人においては、事前・事後にかかわらず、研修旅行の内容を把握していなかった」と明かしていた。

発生から1カ月半が経っても、未だ解決していない問題も多い転覆事故。5月2日放送の関西ローカル情報番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)では、約30分にわたって詳しく事故を特集した。そのなかで、レギュラー出演者である人気アイドルグループ「WEST.」の中間淳太(38)がメディアの報道の在り方に呈した“疑問”が注目を集めている。

コーナー冒頭では、中間から寄せられた“ニュースの質問”として次の文章が読み上げられた。

「京都・南丹市の事件に比べて辺野古事故の報道はあまり話を聞かないなと感じます。報道量に偏りがあるのは世間の注目度などが関係しているのでしょうか。教えてください」

この質問についてMCの東野幸治(58)から意見を求められた中間は、率直な疑問としてこう投げかけていた。

「すごい痛ましい事故なのに、肌感覚ではそんなに報道で見なかったなって感じなんですよ。とくに同志社の責任追及については見たんですけど、ヘリ基地反対協議会についての責任追及とか言ってる番組はそんなになかった気がして。なんなら(団体の)名前を言わず、『運航団体』としか言わないところもあるし。

本当に報道の在り方ってどうなんだろうって」

同コーナーでは、元朝日新聞記者でフリージャーナリストの今野忍氏が解説者としてスタジオに登場。パネルを用いて事故を時系列で振り返り、学校法人やツアー会社、ヘリ基地反対協議会による安全管理の実態について深く掘り下げられた。

中間の疑問が再びクローズアップされたのは、コーナー後半だった。番組ではSNSやネットで報道量が少ないことを疑問視する声が上がっているとし、BPO(放送倫理・番組向上機構)にも「放送局全体で報道回数が少ないのでは」などと苦情が寄せられていたことがパネルで紹介された。

また同じパネルでは、「文春オンライン」が4月28日に配信した「『メディアは沈黙』は本当か…辺野古転覆事故を1か月追って分かった、沖縄2紙と産経新聞の決定的な違い」と題する記事も紹介。

1カ月間の紙面を確認したという記事内容について、沖縄2紙は「連日大きく報道」「検証企画は事故直後から早々に始まっていた」とし、全国紙は「知床の事故当時と比べても社説などの本数もあまり変わらない」と紹介された。なお、記事内では産経新聞について、《沖縄の地元紙に劣らぬ勢いで連日報じている》とも指摘されている。

こうした世間の疑問に対して、今野氏は「原因究明と再発防止のために調査報道がもっと必要」と主張。国際ジャーナリストの山田敏弘氏(51)は、ヘリ基地反対協議会が長くデモを行っている団体であることから「(メディアは)躊躇している。トピックスとしてセンシティブな部分というのは感じてらっしゃるんで、あまり積極的にいかないという人たちがメディアのなかにいることはあるんじゃないか」と分析していた。

また、経済学者の髙橋洋一氏(70)は「(事故を取り上げた記事の)数だけしらべれば、沖縄2紙は多いですよ」とし、「全国紙は産経新聞だけすごく多くてね、他の(媒体は)ちょっとだけしかないっていう、数だけはすぐ分かりますね」とコメント。その上で「1番の当事者は運航会社なんですよ。

そこの責任をはっきりしないと、学校というのは2次的な話だから出てこないんですよ。先に学校の話をしちゃうと、ぼやけちゃうんで」と、報道における問題点を指摘していた。

専門家の見解に耳を傾けていた東野が「(新聞ではなく)テレビのニュース番組とかワイドショーで取り上げが少ないんじゃないか」とまとめると、中間は「そうですね」と頷いていた。

その後、髙橋氏が「テレビに出にくいっていうのは、テレビに出ているコメンテーターの人が抗議船に乗ってるからですよ。話しにくいからだと思いますね」「報道はどこがどうか、はっきりわからないから。答えはないから」とコメント。

東野が「テレビで見てる人がSNSを利用して声を上げることによって、少しかもわからないけど……」と述べると、中間は先ほどの山田氏の考えに異論を呈するようにキッパリとこう主張したのだった。

「山田先生がさっき仰っていたセンシティブなとか、わかるんですよ。ただ、思想は思想で、誰も否定しないというか。ひとりずつ全員違うと思うんですよ。それとこれとは別じゃないですか。平和を訴える団体なのに命を奪ったわけですから。

そこはしっかりとセンシティブとか関係なく、僕はやるべきだと思いますけどね。どっかに配慮するとかじゃなくて。思想は思想で、それは別なので。そこは、放送局はちゃんと今後、考えた方がいい気はするんですけどね」

中間の発言はXでも話題になり、共演した今野氏は《頭の切れる方なんですね》と感心していた。出演者として内側から問題提起したかたちの中間だが、自らの主張はテレビの報道姿勢に反映されるだろうか。

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