4月期の春ドラマがスタートし、『GIFT』(TBS系)や『未解決の女 警視庁文書捜査官 Season3』(テレビ朝日系)などが高視聴率を獲得しています。

 そんな今期のドラマを眺めていて気付くのは、過去にスキャンダルで世間を騒がせた俳優たちの出演作が目白押しであることです。
「なぜ今、彼らが?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。相次いで起用される裏側には、どのような理由や背景があるのか紐解いていきます。

唐田えりかと伊藤健太郎…話題作に続々と起用

 まずは不倫スキャンダルでの休養を経て、『極悪女王』(Netflix)など出演作がたびたび話題を呼ぶ唐田えりかさん。4月2日スタートの『君が死刑になる前に』(読売テレビ・日本テレビ系)では約6年ぶりに地上波ドラマに復帰し、教師連続殺人事件の死刑囚という難役に挑んでいます。

 さらに唐田さんは、4月1日スタートの『102回目のプロポーズ』(フジテレビ系)にも主演。往年の名作『101回目のプロポーズ』の続編であり、浅野温子さんが演じた矢吹薫と、武田鉄矢さんが演じた星野達郎の「娘」という役どころです。一目惚れされる相手役が霜降り明星のせいやさんという点でも大きな注目を集めました。

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 この『102回目のプロポーズ』には、伊藤健太郎さんも出演しています。2020年の交通事故による逮捕(後に不起訴)で活動を休止していた伊藤さんは、2021年に俳優業を再開し、2024年に地上波ドラマへ復帰。今期は『102回目のプロポーズ』への出演に加え、5月26日スタートの『100日後に別れる僕と彼』(MBS・TBS系)で、佐藤浩市さんの息子である寛一郎さんとダブル主演を務め、同棲中の同性カップルを演じます。

地道な実績が結んだ「難役」への信頼

「メンタル強すぎ」泥沼不倫疑惑の元AKB神7が“サレ妻”役!? あえて起用される意外なワケ
画像:『100日後に別れる僕と彼』公式HPより
 唐田さんと伊藤さんの歩みを振り返ると、スキャンダルや激しいバッシング、休養期間を経て、配信ドラマや映画で徐々に演技力の再評価を得てきた経緯があります。地上波復帰までに数年を要したものの、地道に実績を積み重ねたことが、1クールに複数本の地上波ドラマへ起用される現在の活躍に繋がっていると言えるでしょう。

 また、複雑な背景を持つ人物や、繊細な心理描写が求められる役柄、あるいは名作の続編など、評価が分かれやすい作品への出演が共通している点も見逃せません。こうした役回りは、経験不足の若手などにとってはハードルが高い難役であっても、一度挫折を味わい、表現者としての覚悟を新たにした彼らであれば、見事に演じ切ってくれる。
そうした制作側の厚い信頼があるからこそ、オファーが舞い込むのでしょう。

篠田麻里子が担う強力な“宣伝塔”効果

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画像:TVerより
 一方で、スキャンダル経験のある俳優の起用が、SNS等での話題喚起という“プロモーション”になるという見方もできます。その典型例が、4月1日スタートの『サレタ側の復讐 同盟を結んだ妻たち』(テレビ東京系)で、不倫された夫への復讐を誓う“サレ妻”としてトリプル主演の一角を担う篠田麻里子さんです。

 篠田さんといえば、2022年12月に一部週刊誌で不倫が報じられ、“交際0日婚”した経営者男性と2023年3月に離婚を発表。その後、2024年1月期の『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(テレビ朝日系)で不倫をする“シタ役”を熱演し、大きな話題を呼びました。報道や離婚から間もない時期での起用に加え、生々しいベッドシーンなども相まって、「批判覚悟で引き受けたメンタルが強すぎ」という声の反面、「リアルすぎて直視できない」といった賛否両論が巻き起こりました。

 そこから一転、今期は不倫される“サレ妻”役です。2026年3月に再婚を発表したばかりというタイミングもあり、ネット上では前回の不倫をする役以上にさまざまな反響が巻き起こっています。プライベートの状況と役柄のギャップに対し、視聴者からは驚きの声や厳しい意見がある一方で、その振り切った演技を評価する声もあり、大きな関心を集めているのは間違いありません。

 昨今、不倫をテーマにしたドラマは珍しくなく、様々な俳優が不倫をする側・される側を演じています。同作のトリプル主演の1人には元HKT48・IZ*ONEの矢吹奈子さんも名を連ねており、清純派や元アイドルがドロドロの愛憎劇を演じる中で、あえてスキャンダルの渦中にあった篠田さんを抜擢したのは、制作側のキャスティングの妙だと言えるでしょう。賛否はあれど、SNSで議論が白熱すれば結果的に大きなプロモーション効果が得られるため、篠田さんの存在は強力な宣伝塔となっているのです。

這い上がる俳優の執念と制作側の狙い

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画像:株式会社AbemaTV プレスリリース
 唐田さんや伊藤さんが、小規模な映画や配信作品などから段階的に復帰への足場を固めていったのに対し、篠田さんのケースは対照的です。
プライベートの騒動から間を置かず、あえて地上波ドラマで不倫をする役を振り切って演じ、離婚から再婚までの展開の早さも相まって大きな話題を呼びました。ここには、世間の関心が高いタイミングで起用し、ドラマの起爆剤にしたいという制作側の狙いが見え隠れします。

 一度は逆境に立たされたものの、そこから這い上がろうとする俳優たちの執念と確かな演技力。そして、話題性だけでなく彼らの実力に賭けた制作側の熱意。これらが合致した結果が、今期のキャスティングに表れているのではないでしょうか。
 
<文/エタノール純子>

【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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