300人を殺したという伝説の巨大ワニ「ギュスターブ」は今も生きているのか?

 東アフリカ、ブルンジ共和国のタンガニーカ湖とルジジ川に生息する「ギュスターブ」と呼ばれるその巨大なナイルワニは、300人の人間を殺したという伝説を持っている。

 地元の人々はギュスターブが人間を襲うのは快楽のためと信じている。
実際に、ギュスターブに襲われ死亡した人の中には食べられなかった者もいる。

 過去に何度か射殺が試みられたが全て失敗に終わっており、もし今生きているとするなら、推定79歳だ。

【伝説の人喰いワニ、ギュスターブ】
 何人たりとも近づくことができないギュスターブを正確に計測することは不可能だが、推定によれば、体長6メートルで、体重は1トン近いオスだという。

 普通のナイルワニの3倍にも達する巨大さで、ギュスターブの犠牲者は300人を超えると言われているが、他のワニによる犠牲者も含まれている可能性もある。

 しかも食べるために人を殺しているというわけでもない。殺害した後、食べないこともあることから、地元では快楽のために人を殺しているという噂すら流れている。
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Legends of Nature: Gustave the Giant Crocodile【川を泳ぎながら次々と人を襲うギュスターブ】
 長年ギュスターブを研究し、その名付けの親でもあるパトリス・フェイ氏は、その恐ろしさについて次のように語っている。
ギュスターブはメスを探してルジジ川から出てきたときはとても危険だ。都市や町を移動しながら、漁師や水浴びしている人を食っちまう。

ある年、ヤツの襲撃経路の1つをたどってみたんだ。そうしたらカニオシャとミナゴ、カベジとマガラ(すべて地域名)の間で17人が食われていたんだ
 ギュスターブの最初の犠牲者の記録は1987年にさかのぼる。300人と言われるその後の犠牲者すべてが、ギュスターブによるものかどうかは疑わしいが、それでも目撃者は異常なまでの巨体と、頭に銃創らしき傷があったことを伝えているという。


 ギュスターブの体の傷は人間が撃った銃によるものだ。過去何度か機関銃や拳銃で射殺が試みられたが、幾つか弾痕が残ったものの、致命傷を与えるには至らず、その鱗はまるで防弾チョッキのように硬いという。
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Gustave (The Giant Nile Crocodile) VS The Hippopotamus [Discussion Video]【生きているとすれば79歳】
 2008年を最後に長らくギュスターヴの目撃証言は途絶えていたが、地元住民が2015年6月に水牛を捕食する姿を目撃したという

 2005年3月にドキュメンタリーが撮影された時点で、ギュスターブは60歳前後だと推定されていた。2010年には歯の状態から推定68歳と発表された。今もし生きているとすれば79歳だ。

 普通のナイルワニの寿命が45歳くらいであることを考えると、かなり長生きだ。寿命を考えると2015年に目撃されたのが本当にギュスターブなのかもはっきりしない。
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【ギュスターブが人間を襲うようになったのは内乱による可能性】
 一説によると、ギュスターブの恐ろしい伝説は、長年内乱で苦しんできたブルンジの状況を反映している可能性もあるのだという。

 1993年には、ツチ族とフツ族の対立が激化して、最終的に30万人もの人々が虐殺されるという悲劇まであった。

 ギュスターブが人間を襲うようになったのは、このときに見つけた人間の死体を食べて、その味を覚えてしまったことが原因とする見解もある。

 フェイ氏はかつてギュスターブの捕獲を試みたこともあったが、あまりの巨体ゆえに結局成功しなかったという。

 果たしたギュスターブは今も生きているのだろうか?泥で濁った水のどこかにひっそりと潜んでいるのだろうか?

References:Gustave: The Notorious Giant Crocodile Rumored To Have Killed Over 300 People | IFLScience / Gustave (crocodile) / written by hiroching / edited by parumo

追記:(2021/07/17)本文を一部訂正して再送します。


記事全文はこちら:300人を殺したという伝説の巨大ワニ「ギュスターブ」は今も生きているのか? https://karapaia.com/archives/52303761.html
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