英国政府が発表。世界100か国が一般人のスマホをハッキングできるスパイツールを保有
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 英国政府は、世界100か国の政府が個人のスマートフォンをハッキングできるスパイツールを保有していると発表した。これは全国家の半数以上にあたる。

 かつてはテロ対策などに限られていた高度なスパイウェアが今や世界中に普及し、ジャーナリストや実業家、さらには一般市民までもが各国の政府による監視の標的になっている。

 国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)の調査内容を報じた政治専門サイトのPoliticoによると、民間企業が開発した攻撃用ソフトが安易に取引されるようになった結果、国家間の妨害工作や個人のデータ窃取がかつてないほど容易に行われているという。

世界の政府の半数以上が市販のスパイウェアを利用

 英国政府は、個人のスマートフォンをハッキング(他人のコンピュータに勝手に侵入すること)できるスパイウェアを、世界100か国の政府が保有していることを明らかにした。

 英国国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が2026年4月22日に発表した調査内容によれば、保有する政府の数は2023年時点の80[https://therecord.media/spyware-purchased-by-eighty-countries-gchq-warns]から増加したという。

 現在、世界の政府の半数以上が、コンピューターやスマートフォン、携帯電話に侵入して機密情報を盗み出すことができる「市販のスパイウェア」を利用できる状況にある。

 かつては高度な技術を自前で開発できる限られた政府しか使えなかった監視ツールが、今や民間企業から購入できる「商品」として、世界中の政府へ一気に広まっているのだ。

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監視の標的は実業家や一般人へ拡大

 今回の情報をいち早く報じたPoliticoは、欧米の政府機関に太いパイプを持つ信頼性の高いメディアだ。

 その報道によれば、近年では政府による監視の範囲が急速に広がっているという。

 テロリストだけでなく、政府に批判的なジャーナリスト、銀行員や実業家までもが標的に含まれるようになった。

 イスラエルの企業が開発したペガサス(Pegasus)やパラゴン(Paragon)社のグラファイト(Graphite)のような市販のスパイウェアは、スマートフォンのプログラムにある弱点を突いて侵入し、中のデータを盗み出す。

 こうした技術が、一般人をこっそりと監視するために、各国の政府によって悪用されているのだ。

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敵対的な外国政府によるサイバー攻撃の現実

 英国国家サイバーセキュリティセンターを率いるリチャード・ホーン氏は、グラスゴーで開催された会議で、英国の企業は現代社会の危険な現実を十分に把握できていないと指摘した。

 ホーン氏によれば、英国を狙った重大なサイバー攻撃の多くは、単なる犯罪集団ではなく、敵対的な外国政府によって引き起こされているという。

 特に中国に関連する侵入行為は、著名人の秘密を探るだけでなく、将来的な有事に備えて欧米諸国の軍事的な対応を遅らせるためのデジタルな妨害工作の準備も含まれているとみている。

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攻撃ツールの流出が招く無差別なハッキング

 スパイウェアの脅威は、政府からの監視だけにとどまらない。

 政府向けに開発されたはずの攻撃ツールが、インターネット上に流出して制御不能になる事件が起きている。

 2026年初めには、最新のiPhoneやiPad(をハッキングできるダークソード(DarkSword)というスパイウェア一式が流出し、誰でも利用できる状態になった。

 これにより、ソフトウェアを最新版に更新していない利用者が、罠のサイトを通じて簡単に攻撃される危険性が生まれている。

 政府のために厳重に管理されていたはずのデジタル兵器が一度外に漏れれば、何百万人もの一般市民が無差別に危険にさらされることになるのだ。

References: UK intelligence: 100 nations have spyware that can hack Britain[https://www.politico.eu/article/u-k-intelligence-100-nations-have-spyware-that-can-hack-britain/]

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