[タイムスふれあい事業]
 沖縄タイムス社が県内の小規模福祉施設や団体などに助成金を贈る「タイムスふれあい事業」は今年で23回目を迎える。助成団体は、テントやクーラーボックス、パソコン、織機などを購入し、活動をさらに充実させている。
前年度に助成を受けた7施設・団体の活動を紹介する。

 

25年度助成7施設・団体
 ▽沖縄国際命の会(那覇市)
 ▽パピルス(宜野湾市)
 ▽あるまねっと(石垣市)
 ▽「西原町声のかけはし」(西原町)
 ▽沖縄心和(名護市)
 ▽富山型デイサービスまんまる(宮古島市)
 ▽スマイル(本部町)
一般社団法人 沖縄国際命の会
テント生かし地域交流

購入したテントやクーラーボックスを地域住民との交流に役立てている沖縄国際命の会の金城寿代表理事(前列右)らメンバー=15日、那覇市首里儀保町

 生活や人間関係に不安を抱える人から相談を受けている一般社団法人「沖縄国際命(ぬち)の会」(那覇市)。年に4回、地域住民との交流の場を設けており、助成金でテントとクーラーボックスを購入した。夏休み中の昨年8月には、そうめんやかき氷、スイカを振る舞い、約50人が集まった。金城寿代表理事(57)は「(購入品は)交流に役立っている」と喜ぶ。
 同会は2020年に設立、ボランティアで相談に応じている。子どもの自死が増えていることに危機感を抱き、勉強を教える「寺子屋」も開く。保護司でもある金城さんは「更生保護活動の意味合いもある」と説明。「駆け込み寺として足を運んでもらえたら」と話す。
 今年もさまざまなイベントを企画する予定。名誉会長の比嘉門(ひがじょう)雄山(ゆうざん)さん(75)は「地域の人も、自分も楽しみにしている」と笑った。(社会部・嘉数よしの) 
就労継続支援B型事業所 パピルス
作業促進へ新パソコン 

家庭的な雰囲気の中で軽作業に励んでいるパピルスの利用者=20日、宜野湾市大山(提供)

 宜野湾市大山で就労継続支援B型事業所を運営するパピルス(比嘉弘子代表)は設立から今年で13年目を迎えた。
職員4人、利用者10人が家庭的な雰囲気で軽作業に従事している。比嘉代表は「今のペースで頑張っていきたい」と自然体で構える。
 午前中は事業所敷地内で育てるキクラゲ、ホウレンソウやニガナなどの収穫、午後はテナントビルと高齢者施設の清掃に出る。予約が入れば弁当を作ったり事業所内でカフェを開いたりもする。キクラゲは市のふるさと納税返礼品にもなっており、活動の幅を広げている。
 事務作業で使っていたパソコンが壊れ、「ふれあい事業」の助成金で新規に購入した。今も事業所の運営を支え、比嘉代表は「非常に助かっている」と笑顔。互いを認め合うため「傾聴」することを大切に、地道に活動を続けている。(中部報道部・勝浦大輔)
就労継続支援B型事業所 あるまねっと
2台目手織り機に喜び

助成金で増設したさをり織りの手織り機を囲む利用者ら=16日、石垣市真栄里

 石垣市内で足浴などのフットトリートメントや手洗い洗車などを展開する就労継続支援B型事業所「あるまねっと」。中でもストールやコースター、小物などを「さをり織り」で製作した商品は市民から注目を集めている。
 大阪発祥のさをり織りは、手織り機を使って「自由」に織ることが最大の特徴。手織り機はこれまで1台だったが、タイムスふれあい事業の助成金で2台目を購入し、利用者の習得技術と生産性を向上させた。

 織り手が独創性豊かに仕上げる逸品は世界に一つだけの商品「わんシリーズ」として販売。イベントなどに出展し、さをり織りの普及に取り組む。リピーターも獲得し、利用者の製作意欲が高まっている。
 砂川育実サポートスタッフは「利用者が楽しみながら製作した商品が高い評価を受けている。好循環な仕組みを継続したい」と笑顔で語った。(八重山支局・砂川孫優)
西原町声の広報 声のかけはし
音読継続へ機材を新調

音訳のために購入したパソコンやソフトウェアなどの機材を前に笑顔を見せる「西原町声の広報『声のかけはし』」の小波津昭子代表(前列左)ら=20日、西原町社会福祉センター

 「西原町声の広報『声のかけはし』」は、毎月発行される西原町の広報誌「広報にしはら」に記された行政情報や生活情報を音読・収録し、視覚障がい者へ町内の情報を届けている。
 1998年4月の発足から今年で28年目。町社会福祉協議会の養成講座を機に音訳ボランティアとして活動を始め、町社会福祉協議会が隔月で発行している情報誌「福丼」も収録する。音訳作業には専用の録音機材を使うが老朽化。生産中止にもなったため「タイムスふれあい事業」を活用し、助成金でパソコンと、録音や編集のソフトなど新たな機材を購入した。
 小波津昭子代表は「ラジオやテレビだけでは西原町の細かい情報が入らない。必要とする人がいる限り地道に頑張る」と意欲。
設立時から携わる大城美江子さん(68)は「高齢で文字が読みにくい人たちのためにも活動できたら」と話した。(浦添西原担当・新垣玲央)
就労継続支援B型事業所「BUNBUN WORKS」 沖縄心和
受注増加で保管庫活用

大型低温冷凍ストッカーを囲む「BUNBUN WORKS」代表の宮城武尚さん(左から3人目)と利用者ら=17日、名護市宮里

 就労継続支援B型事業所「BUNBUN WORKS」(ぶんぶんわーくす)を運営する沖縄心和(名護市)は「スモールステップでいい、前に進んだり戻ったり、揺らぎながらも自分らしく生きていこう」をテーマに掲げ、利用者約20人が果物のカット作業などに取り組んでいる。
 事業所は、代表の宮城武尚さん(41)と妻の飛鳥さん(42)が「利用者のチャレンジしたいという思いを形にしたい」と約3年前に立ち上げた。地元農家から規格外品の果物を活用できないかとの相談を受け、カットやピューレに加工して飲食店などに発送している。
 受注量の増加に伴い、加工品を保管する「大型低温冷凍ストッカー」が必要になったため、助成金を購入に充てた。
 武尚さんは「農家と一緒に販路拡大へつなげる。将来は加工品を使った独自の商品も生み出したい」と声を弾ませた。(北部報道部・吉川毅)
富山型デイサービス まんまる
幅広い世代の利用支援

ノートパソコンを購入した富山型デイサービスまんまるの藤井朝子代表理事(後列左)と利用者ら=16日、宮古島市下地川満

 障がいのある5歳児から94歳のお年寄りら約30人が利用する宮古島市の富山型デイサービスまんまる。幅広い年齢の人が通う運営方法は富山県では一般的。高齢者は元気な子どもに癒やされ、児童は交流の少ない世代と触れ合っている。
 藤井朝子代表理事(63)が2021年に開所。成人の利用者は体操や塗り絵、外出などで穏やかに過ごす。
放課後に来る障がい児は宿題や外遊びを楽しむ。
 若年性認知症の大人に小学生が靴を履かせるなど、利用者同士で助け合う場面も多い。「すっと出てくる人の優しさがすごい」と藤井さんは振り返る。
 タイムスふれあい事業の助成金でノートパソコン1台を購入。持ち運べるため、利用者の近くで作業をしながらトイレの手伝いや寝顔を見ることもできる。藤井さんは「仕事も見守りもできて助かっている」と喜ぶ。(宮古支局・又吉健次)
就労継続支援B型事業所「スマイルLea」 スマイル
発酵機で菓子作り好調

タイムスふれあい事業の助成金で購入した発酵機と利用者ら=17日、名護市のスマイルLea

 豊饒会スマイル(本部町)と系列関係にある名護市の就労継続支援B型事業所「スマイルLea」は、地域のバザーなどで販売する菓子製造に取り組む。利用者が製造から販売までを担うことで彼らの社会参加を促進している。
 タイムスふれあい事業の助成金では発酵機を購入。お菓子作りの効率が上がりドーナツやベーグルなどを作るのに役立てている。
 施設長の上江洲貴司さん(51)は「安定してお菓子作りができるようになった。レパートリーも増えて重宝している」、指導員の牛島朋美さん(37)は「発酵の合間に別の仕事もできて助かっている」と話した。
1番人気はふわふわの生地が特徴のシフォンケーキ。抹茶やチョコレートなど5種類を展開している。利用者の眞喜屋正吾さん(22)は「お菓子ができていくのを見るのが楽しい」、屋富祖一成さん(23)は「次はチーズケーキを作りたい」と笑顔を見せた。(北部報道部・國吉楓乃)
助成希望施設・団体を募集 来月8日まで
 沖縄タイムス社は第23回「タイムスふれあい事業」で、助成を希望する小規模福祉施設や団体を募集する。同事業は2004年から実施し、これまで3760万1843円を136施設に寄贈した。
 募集期間は5月8日(金)まで。対象は26年度事業計画で必要とされる設備、備品、周年事業や記念事業運営費など(毎年の事業を除く)。過去3年以内に同事業の助成を受けた施設・団体は申請できない。募集要項や申請書は沖縄タイムスホームページ(https://www.okinawatimes.co.jp/)かこちら(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1564303)から取得できる。申請書に、施設パンフレットや事業内容、イベントの実施要項や収支決算書(損益計算書と貸借対照表)などの資料を添付し、タイムスふれあい事業事務局宛てに郵送する。締め切り日必着。
 郵送先は郵便番号900-8678 那覇市久茂地2の2の2、沖縄タイムス社総務局総務部「タイムスふれあい事業」事務局。
問い合わせは電話098(860)3548(土日・祝日を除く午前9時~午後5時)。
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