サービスの利用費は原則として費用の1割が自己負担で、残りの9割は国や自治体が負担する。
厚生労働省のデータによると20年度に全国で約14億2千万円だった不正受給額は近年、右肩上がりで増加。23年度にいったん減少したものの、24年度は再び急増し20~24年度の5年間の合計は約80億円に上った。
サービス別で見ると、5年間の不正受給額が最も多かったのは障がい児向けの「放課後等デイサービス」。職業訓練を行う「就労継続支援B型」、地域で暮らすための「グループホーム」が続く。
利用者数をごまかしたり、スタッフの配置基準違反を隠したりする手口が多い。
県内でも昨年、北谷町のコンサルタント会社が運営する複数のグループホームで、夜間支援員を水増しして給付金を不正に受給していたことが発覚。県や那覇市が指定を取り消した。
他県では「在宅ワーク」と称して実態のない仕事をあっせんし給付金をだまし取った事例もある。
背景にあるのは参入要件の大幅な緩和策だ。06年に施行された障害者自立支援法で株式会社などの一般企業やNPO法人も運営できるようになった。
多様なサービスが展開されるようになった一方で、モラルの低い事業者の参入で制度が悪用されている実態がある。
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全国の不正受給を含めた行政処分は20年度の183件から24年度には262件に増加。法人種別では株式会社などの営利法人が7割を占めている。
支援の質よりも利益を優先する運営の弊害は、不正受給にとどまらない。
全国で展開していた大手運営会社のグループホームに自閉症の息子を入居させていた女性は、不適切なケアで息子の行動障害が悪化したと話す。
大阪市内のB型事業所を在宅で利用していた男性は、スタッフは何も教えてくれず、何もしなくても工賃がもらえる状態だったと打ち明けた。
厚労省は自治体に対し3年に1度、事業所に運営指導するよう求めているが、人手不足などで現実には平均6年に1度のペースにとどまっている。
自治体の監視は行き届いていない。
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そもそも営利目的で簡単に参入できる仕組みも問題だ。
ヘルパーやケアマネジャーなどが関わる介護サービスと異なり、障がい者向けグループホームは管理責任者以外は資格が不要になっている。福祉の質の担保へ専門性の確保も必要ではないか。
不正の疑いがある事業所については、自治体による抜き打ち監査の強化を。
第三者評価制度の推進など、日頃から外部の目を入れる仕組みづくりも求められる。

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