俳優の黒島結菜、北川景子、作家の湊かなえ氏が23日、東京・六本木蔦屋書店で行われた映画『未来』(5月8日公開)の公開直前プレミアムトークイベントに登壇した。

 本作は、湊氏がデビュー10周年に発表し、集大成と評された渾身の傑作ミステリーを、『ラーゲリより愛を込めて』『護られなかった者たちへ』の瀬々敬久監督が映画化したもの。
複雑な家庭環境で育ちながら教師になる夢をかなえた真唯子(黒島結菜)と、その教え子・章子(山崎七海/崎=たつさき)の二人を軸に展開する物語。ある日、章子の元に届いた一通の手紙。差出人は「20年後のわたし」。返信を書き続けることで孤独を支えてきた章子だが、母の恋人からの暴力、いじめ、そして驚くべき事実に追い詰められていく。絶望の果てに章子が導き出す“禁断の計画”。真唯子は、社会の理不尽さに押しつぶされそうになりながらも、必死に彼女を救おうとする。

 湊氏は、劇中のシーンでの執筆秘話を明かすことになった。「この『未来』という作品は書く時に難航して。主人公の章子のラストシーンは決まっていたんです。つらい中で進んでいく。その中で章子は、どういった人たちに囲まれているんだろうという姿が見えなくなってしまって。そこで筆が止まり…。
でも、出版社は、そんなことは待ってくれなくて。いよいよ『ここで、カンヅメをしましょう』と言われて」と明かす。

 作家を描く作品などでは、よく描写されるカンヅメ。湊氏は「ホテルだとベッドがあるので寝てしまう。『ベッドがないところでお願いします』と頼んだら、あるホテルに和室があって、そこを取ってもらった」と振り返る。「『お布団も敷いてくれなくていいですし、お掃除も結構です』と言って、4日分のタオルのセットだけをもらって、こもった」と“カンヅメ”の実態を語った。「ずっと章子の話の続きを考えるんじゃなくて、章子がどんな人に囲まれていたのかを考えた」と発想の源を明かす。黒島は「その話を聞くと、よりそのシーンがぐっと来ますね。ありがとうございます。いい時間です」と感激し、湊氏は「本当にカンヅメってあるんです。閉じ込められるんです」と笑っていた。

 イベントには、瀬々監督も参加した。
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