昭和42年(1967年)福井県鯖江市の視覚と知的障がいがある人たちが暮らす施設で生まれた音楽バンド「ミックバラーズ」。周囲から何もできないと思われていた人たちが昭和のヒット歌謡曲を携え日本国中で公演を重ねる姿は奇跡のバンドと称された。映画は、この実話をモチーフにして描かれる。音楽に挫折した主人公・七沢奈那が、障がいのある人たちと出会い、音楽を指導することによって、自分の世界の見え方が変わっていく。見えること、聞こえること、理解すること。いつもと同じ風景が、別のものに見えてくる。日常の中で起きる変化を丁寧に描写、人間の持つ可能性を描いた作品が誕生する。
出演にあたり、田辺は「どうにか変わりたいけどなかなか一歩を踏み出せなかったり、偏った考えかたで自分の世界が狭くなってしまう瞬間ってあると思うんです。でも、それがパッと外れる瞬間がすごく素敵だなと思って。そういう描写がこの作品にはたくさん散りばめられていて、奈那を応援したいなと思いましたし、奈那と一緒に、自分自身もまだ知らない自分に出会ってみたいなっていう気持ちになりました。音楽の縁や、人とのつながりを大切に描く作品になると思うので、ぜひ楽しみにしていてください」とコメント。仲村は「パラリンピックのアスリートの方たちを見て、力づけられたり、勇気をもらったり、『弱音を吐いている場合じゃないな、頑張ろう』と思うことがよくあるんです。
音楽は、岩崎慧が担当、2005年バンド「セカイイチ」としてトイズファクトリーでメジャーデビュー。その後エイベックスでもアルバムをリリース。2014年自主レーベル「Anaheim Records」を立ち上げた。ソウルフルな歌と、その歌と呼吸を共にするバンドのうねるようなグルーヴ。近年は劇伴やCM音楽も多数手がけ、作家としも活躍の場を広めている。Saucy dogやなきごとなどのサウンドプロデュースを手がけるなど、バンドマンからの信頼も厚い。
脚本は、鴨義信氏。1999年に『安藤組外伝 群狼の系譜 3』で脚本家デビューを果たし、映画『恋のしずく』『Dead or Alive~Final~』『花宵道中』『夏休みの地図』『旅立ち~足寄より~』『ポストマン』『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝』などを手掛け、またTVドラマ、アニメ等のさまざまなジャンルの脚本執筆に携わり、近年は中国の連続ドラマや映画の脚本も執筆している。
監督は、今井和久氏。『南くんの恋人』『イグアナの娘』『ガラスの仮面』『特命係長只野仁』『山田太一ドラマ・高原へいらっしゃい』『チームバチスタの栄光』『ジェネラル・ルージュの凱旋』『美しい隣人』『GTO』『越路吹雪物語』等の有名ドラマや映画『ポストマン』、松山千春自伝映画『旅立ち~足寄より~』なども手掛け、MV『松山千春・あの日の僕ら』のディレクションも担当し幅広く活動している。
■コメント
【田辺桃子】
――出演を決めた理由を教えてください。
【田辺】最初に脚本を読ませてもらった時に、奈那の不器用なところが、普段の自分とちょっと似てるなと思う部分があって。どうにか変わりたいけどなかなか一歩を踏み出せなかったり、偏った考えかたで自分の世界が狭くなってしまう瞬間ってあると思うんです。でも、それがパッと外れる瞬間がすごく素敵だなと思って。そういう描写がこの作品にはたくさん散りばめられていて、奈那を応援したいなと思いましたし、奈那と一緒に、自分自身もまだ知らない自分に出会ってみたいなっていう気持ちになりました。
――奈那という役について、どんな印象を持っていますか?
【田辺】奈那はすごく難しい役だなとも感じています。人ってそんなに単純じゃないし、簡単に気持ちが切り替わるわけでもない。奈那自身も、自分のことを面倒くさいなって思っている部分があると思うんですけど、それでも諦めたくない、本音を貫きたいっていう気持ちを持っていて。そういう複雑さがあるからこそ、すごく魅力的な子だなと思いました。
――作品を通して感じたことはありますか?
【田辺】私自身、普段からあまり年齢差を意識しないタイプなんですけど、どの年代の方とご一緒しても、新しく気づかされることが本当にたくさんあって。年齢ってただの数字なんだなって思う瞬間があるんですよね。この作品には、年齢とか立場を超えて、新しい人との出会いや、新しい考え方との出会いみたいなものがたくさん詰まっているなと思っています。
――福井での撮影についてはいかがですか?
【田辺】福井は今回初めて行くので、今からすごく楽しみです。
――公開を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
【田辺】この作品は、年齢とか職業とか、住んでいる場所とか、そういうものを取っ払って、どなたでも共通して受け取ってもらえるメッセージがたくさん込められていると思います。音楽の縁や、人とのつながりを大切に描く作品になると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。
【仲村トオル】
――今回、出演を決めた理由を教えてください。
【仲村】一番大きな理由は、監督が今井さんということなんですけど。シナリオを読んで、思い出したことがあって。もう半世紀近く前なんですけど、僕が小学校5、6年生くらいの頃、近所に5歳くらい年下の自閉症の男の子がいたんです。最初の頃は本当にコミュニケーションが取れなくて、「おはよう」と言っても返事がなかったり、何か聞いてもよく分からない音が返ってくるような感じだったんですけど。ある時、友達が話してくれたんです。
――父親・七沢倫太郎という役については、どのように感じていますか?
【仲村】自分と比較するのもあれですけど、倫太郎の方が大変だろうな、というのはありますね。妻に先立たれて、父と娘、一対一なので。うちは妻もいますし、娘も姉妹で二人いるので、例えば直接言えないことを誰かに伝えてもらったり、「ちょっと角を取って伝えておいて」みたいなことができますけど、この父娘はそれがなかなかできない。直接ぶつけ合うか、あるいは全く見せずに自分で抱えてしまう関係なんですよね。
――福井にはどんな印象がありますか?
【仲村】僕の父が石川県出身で、子どもの頃から北陸には親しみがあったんです。昔は新幹線も今みたいになかったので、東海道新幹線で米原まで行って、そこから北陸本線に乗り換えて金沢へ向かう、本当に長旅でした。その道中で、「やっと福井に入った、もうすぐ石川だ」って感じていた記憶があって。通り過ぎる場所ではあったんですけど、なんとなく空気感というか、匂いみたいなものは知っている気がしていて、親しみがありますね。あと、今日かけている眼鏡も鯖江のものなんです。すごく気に入っていて、かけ心地が本当に自然なんですよ。圧迫感も重量感もなくて、自分の顔の一部みたいな感覚がある。いろんな工夫や技術が詰まっているんだろうなって、この眼鏡からも感じています。
――福井で楽しみにしていることはありますか?
【仲村】一番楽しみたいのは撮影です。
――公開を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
【仲村】撮影はこれからなので、まだ多くは言えませんが。僕自身、パラリンピックのアスリートの方たちを見て、力づけられたり、勇気をもらったり、「弱音を吐いている場合じゃないな、頑張ろう」と思うことがよくあるんです。この映画も、観てくださった方がそんな風に何かを感じてもらえる作品になったらいいなと思っています。もちろん映画として楽しんでいただいて、できれば感動していただけるような作品にしたいですし、そのための力の一つになれるよう頑張りますので、よろしくお願いします。
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