俳優の横浜流星と藤井道人監督が10月7日、韓国で開催中の「第31回釜山国際映画祭」で、映画『汝、星のごとく』(10月9日公開)の舞台あいさつに登壇した。2ヶ所に集まった計約3000人の映画ファンを前に、横浜は主人公の15年間を演じるため、体重を62キロから48キロまで変化させた役作りや、撮影中のエピソードを明かした。


 本作は、「第20回本屋大賞」(2023年)を受賞した凪良ゆうの同名小説を、横浜と広瀬すずのダブル主演で映画化。瀬戸内の島で出会った青埜櫂(横浜)と井上暁海(広瀬)が恋に落ち、それぞれの抱える事情や選択に翻弄される15年間を描く。

 前日のオープニングイベントに続き、2人は映画祭のメイン会場「映画の殿堂(釜山シネマセンター)」で舞台あいさつを実施。まずはCinema1での上映後、400人超の観客を前に登壇し、質問を受けた。

 高校生から30代までを演じるうえで意識したことを問われた横浜は、「15年という歳月は本当に難しくも残酷で。高校生からの15年は激しく人生が変わる」と説明。櫂の心の揺らぎや暁海への思いを大切にしながら、外見にも変化をつけたという。

 「高校生では体重を62キロに増やし顔を少し丸くして、あどけなさが出るように、東京に行ってからは削ぎ落とされる感じを出すために57キロ、最終的には48キロまで落としました」と明かし、「決して自分1人の力ではなく、たくさんの方々の力添えがあって15年を生きることができました」とスタッフへの感謝を伝えた。

 藤井監督も、主人公たちの高校生から30代までの15年間の変化を表現するため、メイクや撮り方にこだわったと説明。さらに、「彼らが生きた瀬戸内と東京という場所の対比を作りたいと思った」と語った。

 続いて、約2500人が集まった野外ステージへ移動。撮影現場のエピソードを聞かれると、横浜は「この作品の撮影中に監督から一度だけ怒られたことがありまして」と切り出した。


 「最終的には目に見えて体が変化するのですが、あまりにも体重を落としすぎて意識が朦朧(もうろう)としてしまい…藤井監督の演出が一切理解できなかったことがありまして…反省しております」と告白。一方の藤井監督は、サウナ好きの横浜について、暑い日の撮影で汗が止まらず、撮影を中断することもあったと笑い交じりに振り返り、会場を和ませた。

 原作の映画化にあたり、横浜は「自分も原作ファンなので、誰よりもあの世界観を壊さないようにという気持ちを一番大切にしていました」と語った。藤井監督も「映画の製作に携わってきたこの20年間の経験と技術の全てをこの作品に出し切りたいと思いました」と制作への思いを明かした。

 最後に横浜は、韓国の観客に向けて「この作品が皆様の、一番星のような作品になることを願っておりますし、公開したら皆様の支えでこの作品を育てていただけたらうれしいです」と呼びかけた。

 映画祭での行程を終え、横浜は上映後の観客との交流について、「我々が込めた想いがしっかりと皆様の心に届いたと感じられて、自信になりました」とコメント。日本公開を目前に、「これからもこの作品に向けて全力で尽くしていきたい」と決意を語った。

 藤井監督も、韓国の観客や映画祭の熱気に触れ、「映画を作ってよかったなと思いました」と感慨を語った。現地で作品について直接話せたことを喜び、「またこういう場所に戻ってこれるように頑張りたい」と思いを新たにした。

 この日、2人は舞台あいさつに先立ち、釜山の名所・海雲台(ヘウンデ)ビーチも訪問した。
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