※本稿は、三木 佳世子『口下手でも選ばれる人がやっていること』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
■非言語コミュニケーションの「最強ツール」
非言語コミュニケーションにおいて、姿勢は最強のツールです。一言も発さなくても、「この人、信頼できそう」と思わせることができます。
人は、言葉よりも早く「見た目の印象」で相手を判断します。猫背でおどおどしている人と、胸を張って背筋をまっすぐ伸ばしている人。どちらの話を聞きたいかは、一瞬で決まります。
前のめりすぎると焦って見える。腕を組むと心を閉ざしているように見えます。体の重心がどっしりと安定している人には「落ち着き」「信頼」「余裕」を感じます。
姿勢を整えるのは、自分のエネルギーを外に届けるため、そして誤解のないコミュニケーションを叶えるためです。背筋が伸びると呼吸が深くなり、声が通りやすくなり、表情がやわらかくなるので、結果的にあなたの「言葉そのもの」も届きやすくなります。
ぜひ次の4つを実践してみてください。
1:体の軸を整える基本姿勢
壁に頭・肩・お尻・かかとをつけて立ちます。このとき、腰と壁のすき間が指1~2本分になるのが理想です。頭が前に出ていないか、肩が内側に入っていないか確認しましょう。呼吸をしてみて、胸と背中の両方に空気が入る感覚があればGOOD。
正しい姿勢は「がんばって背筋を伸ばすこと」ではなく、体が自然に立てる“ニュートラルな位置“です。
■姿勢で“存在感”を作る
2:存在感を作る「椅子姿勢リセット」
これは、たった10秒で体の軸が整い、声が通りやすくなる方法です。オンライン会議中でも、発言の前に取り入れると「姿勢で存在感を作る」ことができます。
デスクワークが続くと、無意識に胸が閉じてしまいます。胸が閉じると呼吸が浅くなり、声も響かず小さく、表情も硬くなります。
まず椅子に深く座り、背もたれに寄りかからずに背筋を伸ばします。骨盤を立てるように意識すると、自然に胸が開きます。
そのまま、両肩を軽くうしろに引いて、胸を開いて、鼻からゆっくり息を吸って口から長く吐きます。このとき、背骨がまっすぐ上に伸びていくことをイメージしてください。
姿勢を保つポイントは、「下腹に軽く力を入れる」こと。それだけで背中がスッと伸び、集中力も上がります。
■習慣化すれば姿勢はぐっと良くなる
3:体の重心を整える「1本線ウォーク」
背筋を伸ばし、目線を少し遠くにやり、足の中心(親指と人差し指の間)を1本の線の上に置くイメージで歩いてみましょう。足先に重心が傾いている人は焦って見え、かかと重心の人はゆったりとした落ち着きを感じさせます。
電車のホームやオフィスの廊下といった日常の動線でも、ぜひ意識して練習してみてください。
4:今日からできる「姿勢リマインド」
姿勢は一瞬で直せるものではなく、「1日1分の習慣」で変えていくものです。これまで紹介した1~3を習慣にすることで、少しずつ改善します。
・朝:出かける前に、壁立ち1分
・昼:デスクで「姿勢リセット」3回
・夜:鏡の前で「今日の姿勢を振り返る」
■動作によって「信頼」を得る
立ち方や歩き方といった姿勢が「自信」を表すとしたら、動作は「信頼」を表します。所作の一つひとつが、あなたというブランドを作っていきます。今日から取り入れることができるので、ちょっとだけ意識してみましょう。
「両手」で渡すと信頼感が増す
相手に資料や名刺を渡すときは「両手」で渡しますよね。手のひらを上にして差し出すことで、相手に対する敬意と安心感が伝わります。同時に、動作が自然とゆっくりになり、丁寧さが際立ちます。
ドアの開け閉めをゆっくりにして所作の“丁寧力”を磨く
ドアを勢いよく開けたり閉めたりする人は、周りの人に「急いでいる」「余裕がない」という印象を与えます。
今日は、意識的にゆっくりとドアを開けてみてください。その間に呼吸が整い、動作が滑らかになります。それだけで上品さと落ち着きが伝わります。動作のすべてをゆっくりにするのではなく、動き終わりを大切に。余韻を残す意識を持ちましょう。
動作の丁寧さは、マナーではなく「自分と相手を尊重する時間の使い方」。両手で渡す動作は「自分の気持ちを大切に扱う」練習でもあります。
モノを丁寧に扱うという印象を与えると同時に、相手の時間や思いも丁寧に扱う人だと感じ取ってもらうことができるからです。
非言語で伝わる信頼の形を、日常の所作で育てていきましょう。
■非言語力を養うトレーニング
1:今の自分の姿勢をチェックしよう
鏡の前またはスマホのインカメラを使って「立ち姿」と「座り姿」を見てみましょう。それぞれ、当てはまる項目を確認してください。
・背筋がまっすぐ伸びている
・肩が前に出ていない(胸が開いている)
・あごが引けている(上向きすぎない)
・重心がかかと~土踏まずの間にある
・手の位置が自然(組みすぎ/ぶらぶらしない)
・呼吸が浅くならず、ゆったりしている
当てはまる項目が多いほど、「安定感のある印象を与える姿勢」ができています。3つ以下の人は、まず「壁立ちチェック」を1日1分続けてみましょう。
2:あなたの“動作の癖”を知ろう
普段の動作を思い出しながら、直感で選んでください。
【診断目安】
・Aが多い → 動作に“信頼感”があるタイプ
・Bが多い → バランスの取れた自然体タイプ
・Cが多い → 落ち着きがなく見えて損するタイプ
・Dが多い → 意識を向けると印象が激変、伸び代タイプ
3:印象フィードバック
あなたの姿勢・動作は、どんな印象を与えているでしょうか。感じたことにチェックをつけてみましょう。
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三木 佳世子(みき・かよこ)
MiraiE 代表取締役
1983年生まれ、滋賀県出身。新卒で入局したNHKでは、報道・ドキュメンタリー番組ディレクターとして2000人以上に取材。『NHKスペシャル』『クローズアップ現代』『おはよう日本』などを担当し、入局9年目で菊池寛賞・NHK会長賞受賞。非言語力によって、サイボウズへの転職、雑誌の読者モデルに選出、PR会社からの引き抜きなど望む未来を引き寄せる。
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(MiraiE 代表取締役 三木 佳世子)

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