■今から夏休みのお弁当作りが怖い
最近、子育て真っ最中の女性たちとお話しした際、「春休みの学童のお弁当作りが本当に大変で……」との声を聞きました。
「朝5時起きでお弁当を作る日々が本当に大変で、今から夏休みが怖い」というような声や「休み中の栄養が気になって、なるべく冷凍食品は避けて手作りしたいけど大変で」というような声がありました。
あれ、「幼稚園のお弁当に冷凍食品使用禁止」が話題になったのは10年くらいも前のこと。まだ冷凍食品に対してそんなネガティブな感情や批判があって、禁止している園があるのかしらと思い、AIに聞いてみました。
1行目の結果は、「お弁当に冷凍食品の使用を禁止、または『手作り』を推奨する幼稚園・保育園は少数ながら実在します。」でした。
実際に、いくつかの幼稚園のホームページを覗いてみると、「手作りのお弁当をお願いします」との記載がありました。
仕事はAIを積極的に活用して効率的にこなすように、という指令を社員に出す企業がどんどん増えているこの令和の時代に、調理時間を短縮できて、便利で良質な冷凍食品をお弁当や料理に使うことを良しとしない方々が「少数ながら」いるようです。
■冷凍食品で育った私の娘
なぜ、冷凍食品を使うことが否定的にとらえられるのでしょう。
「冷凍食品を使う」の反対語は、「愛情をもった手作り」のようです。私個人の話で恐縮ですが、わが娘は幼稚園と中高生時代に毎日、冷凍食品を使用したお弁当を持っていきました。
娘はもう30代なので遠い昔の話。そんなことから、「冷凍食品で育った娘」などと言われていましたが、親の愛を疑うことなく、すくすくと育って健康。旅行のために強引に1日休ませた以外は、皆勤賞でした。
手作り=愛情、という昭和時代に流行った価値観は、ノスタルジックでほっこりしますね。一度娘に聞いてみたこともありましたが、「おいしければ良い」との答えでした。合理的な現代人ですね。
私自身、職業柄冷凍食品をよく食べますが、料理をしないわけではなく、冷凍食品、冷凍野菜、また、冷凍の肉やミンチ、魚介製品など(生協の商品ですと一般的です)は、調理のための選択肢のひとつ、普通の食材だと考えています。しかも、家庭の台所よりかなり衛生的な環境で製造されていることを知っています。そして栄養価の保持についても優れていることも。
冷凍食品に対して否定的に考える方は、冷凍食品は良くないもの、と誤解している場合がほとんどではないでしょうか。
■冷凍食品の素晴らしい特長
冷凍食品は普通の食品と書きましたが、普通ではなく普通以上に素晴らしい特長、メリットもあります。
その説明のために、まず、冷凍食品の定義ともいわれる「4つの条件」を紹介します。
① 前処理している
② 急速凍結している
③ 包装している
④ マイナス18℃以下(業界自主基準)で保存・流通する
です。
最初の「前処理」とは、食材を洗い、カットするなどして可食部だけになっていることです。調理食品の場合は、加熱調理も加わることになります。工場では、台所や業務用の厨房で行うことと同じことをするわけですが、異なるのは大量に処理しないといけませんので、機器等を使って大規模に行います。場合によっては、人の手や目をつかって、細かな作業を行ったり、チェックをする場合もあります。
前処理している、ということは、家庭で生ごみが出ないというメリットもあります。工場の多くは前処理や加工段階で発生する食品残渣をゴミとして捨てるのではなく、飼料や肥料等にリサイクルするなど、環境に配慮した取り組みをしています。つまり、エコフレンドリー。
■冷凍野菜は1年中「旬」
「急速凍結」とは、マイナス30℃以下の低温環境下で、食品を短時間で凍らせる技術です。急速凍結は、食品の中の水分を細かな氷結晶にして凍らせることができます。細かい氷結晶は食品の組織を壊しません。
家庭の冷凍庫は多くはマイナス18℃以下設定ですので、食品はゆっくりと凍ります。これは「緩慢凍結」といって、食品中の水分は大きな氷結晶になり組織を壊してしまいます。
よくほうれん草の事例が紹介されますが、冷凍ほうれん草は、ほうれん草の旬の時期、つまり寒い時期に収穫して約1年分を製造しています。ほうれん草は栄養成分表に記載がある通り、季節によって栄養価のバラツキが大きな野菜です。夏場の生鮮ほうれん草と冷凍ほうれん草のビタミンC量を計測してみると、冷凍野菜のビタミンC量の方が何倍も多いという結果になります。
冷凍野菜は1年中「旬」なのです。
■衛生的、保存料は不要
「包装」しているということは、衛生的に流通して消費者のお手元に届くということ。しかもどこで作ったか、原材料は何か、栄養素はといった情報もパッケージの表示から分かります。ブロッコリーが最近人気急上昇ですが、裏面の原材料には「ブロッコリー」としか書いてありません。収穫して切って洗って、ブランチング(下茹で、もしくは自然解凍でOKの場合は茹で調理)して急速凍結、包装しています。
「マイナス18℃以下」の保存温度は、微生物が活動して増えることできない温度(マイナス12℃以下)のはるか下の低温です。すなわち、冷凍食品は腐りません。マイナス18℃以下を保っていると、食品の凍結前の品質を約1年間保持することが実験で分かっています(食品によって期間は異なります)。
賞味期限が長いということは、食品ロスが発生することも防いでいます。
「4つの条件」を解説するだけで、さまざまなメリットが挙げられる。こんな素晴らしい食品が冷凍食品なのです。
■時間を止めて空間を超越できる食品
「4つの条件」はメリット満載ですが、説明にかなり時間を要するのがデメリットです。そこで、私は、冷凍食品は「時間を止めて空間を超越できる食品」だと説明しています。時空間超越ってかっこいいですね。
この言葉は、「システム冷凍」論を長年提唱されている“食品冷凍博士”鈴木徹先生(東京海洋大学名誉教授、一般社団法人食品冷凍技術推進機構代表理事)にお墨付きをいただいています(図表2)。
ちなみに鈴木先生は、「システム冷凍」論の概念を掛け算式で表現しています。
■手抜きじゃなく「手間抜き」
私は2016年1月に料理研究家の先生から教わった、「冷凍食品を使うことは手抜きじゃなく『手間抜き』」という言葉に感動して、以来、この言葉を使って、冷凍食品を使って時短をしている方々を励ましてきました。その背景には、とてもメリット満載で食生活に貢献している冷凍食品を悪く思わないでほしい、という「冷凍食品愛」がありました。
なので、業界の方々の共感も得て、日本冷凍食品協会はじめ、この10年いろいろな場面で発信される言葉になりました。昨年、協会は「手間抜きレストラン」と題したイベントを開催し、その中で、「手間を分け合う」という名言も誕生しました。
つまり、製造するメーカーと消費者とで、食品の下処理、加工・調理の手間を分け合っているという発想です。
食事作りも食べることも、苦痛ではなく快適で毎日楽しい。おいしさを目指して冷凍食品業界も生活者の皆さまも、みんなで協力し合っているとイメージすることは、とってもハッピーですね。
■さまざまな活用アイデアで楽しく
最後に、冷凍食品の活用アイデアは、日本冷凍食品協会のPRサイト「冷食オンライン」、日本冷凍めん協会の公式サイトをはじめ、各メーカーサイトにも満載です。ぜひご活用を。
先日、ラジオ出演した際に、「いま、お弁当を作るとしたら?」と聞かれ、ロールパンをカットしてバターを塗り、カット野菜のキャベツなどと自然解凍OKのフライをはさんで完了、と答えたら、やけに受けました。お弁当におかずで入れることしか考えなかった! と驚かれて、こちらも驚いた次第。ソースオンのフライやソースインのフライを使えば、小分けのソースを持参する必要もなくて、朝の支度がとてもスピーディになります。
また、「むき枝豆」の活用もご紹介。彩りアップ、たんぱく質アップに活躍すること間違いなし、です。
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山本 純子(やまもと・じゅんこ)
冷凍食品ジャーナリスト
冷凍食品専門紙の記者・編集長・主幹として34年活動。2015年10月に独立して「冷凍食品エフエフプレス」を立ち上げる。メディアを通して、おいしく楽しい冷凍食品の情報を届けている。
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(冷凍食品ジャーナリスト 山本 純子)

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