■心理学者が3つに分類した人間のタイプ
心理学者のアダム・グラントは、著書『GIVE & TAKE(ギブ・アンド・テイク)』(楠木建・監訳/三笠書房)の中で、人を次の3タイプに分類した。
・ギバー:与える人
・テイカー:奪う人
・マッチャー:バランスを取る人
そして、彼の研究によれば、最も成功するのは「ギバー」だが、最も失敗するのも「ギバー」だった。
その違いは、なぜ生まれるのか――。
成功するギバーは、「テイカーを見抜き、距離を取る」ことができる。失敗するギバーは、「テイカーに搾取され続ける」。
では、テイカー(有害な人)をどう見抜くか。以下の7つのサインに注目してみてほしい。
■「有害な人」を見抜く7つのサイン
サイン1:感謝しない
テイカーは、他人から何かしてもらっても感謝しない。あるいは、形だけの「ありがとう」を言うが、心がこもっていない。彼らにとって、他人の親切は「当然の権利」なのだ。だから、感謝する必要がない。
サイン2:自分の話ばかりする
会話の中で、自分の話ばかりする人は要注意だ。テイカーは、他人に興味がない。あなたの話を聞くふりをしていても、実際には次に自分が何を話すかを考えている。
サイン3:弱者に冷たく、強者に媚びる
テイカーは、相手の地位や権力で態度を変える。上司や権力者には媚(こ)び、部下やウェイターには横柄。これが、テイカーの典型的な行動パターンだ。
その人がお客になったときの振る舞いを観察すれば、本性がわかる。お店の人に対して失礼な態度を取る人は、間違いなくテイカーだ。
サイン4:約束を守らない
テイカーは、自分に都合が悪くなると、簡単に約束を破る。「忘れてた」「忙しくて」「勘違いしてた」。常に言い訳をする。小さな約束を守れない人は、大きな約束も守らない。
サイン5:他人の手柄を横取りする
「これ、俺がやったんだよ」「私のアイデアなんです」、テイカーは他人の成果を自分のものにする。特に、その場にいない人の貢献を無視する。
サイン6:責任を他人に押しつける
何か問題が起きたとき、テイカーは絶対に自分の責任を認めない。「あいつが悪い」「仕組みが悪い」「運が悪かった」と、常に他人や環境のせいにする。これは、成長しない人の典型的なパターンだ。
サイン7:ギブ・アンド・テイクが一方通行
最もわかりやすいサインは、関係が一方通行であること。あなたは常に与えている。しかし、相手からは何も返ってこない。
テイカーは、自分が助けてほしいときだけ連絡してくる。あなたが困っているときには、姿を消す。
あなたの周りに、これら7つのサインのうち、3つ以上当てはまる人がいたら要注意だ。
あなたのエネルギーを吸い取る「エナジー・バンパイア」に注意!
■テイカーから身を守る「バウンダリー」
テイカーを見抜いたら、次は「防御」を意識しよう。
心理学には、「バウンダリー」という概念がある。これは、自分と他人の間に引く「見えない境界線」のことだ。
テイカーは、このバウンダリーを侵犯してくる。あなたのプライベートな時間、個人的な空間、心の領域に土足で入り込んでくる。
だから、明確な境界線を引く必要がある。
「業務時間外の連絡には対応しません」
「私用の買い物を頼まれても断ります」
「プライベートな質問には答えません」
これは冷たい対応ではない。自分を守るための正当な権利だ。
■オバマもジョブズも“距離”を守った
現職時代のバラク・オバマ米大統領は、毎晩、家族との夕食の時間を固定し、どんな案件もその時間には入れないルールにしていた。これが、バウンダリーだ。
私の場合は、基本的に仕事でもプライベートでも電話には出ない。
また、夜の会食が多いので、午前中はアポイントを入れないようにしている。体力のためにも、遅刻などで不義理をしないためにも。原稿を書くことも多く、執筆は午前中に集中して書くようにしているという理由もある。
「いい人」は、断るのが苦手だ。私もアポイントをとるにあたって、相手とやり取りする中で午前中に入れる誘惑にかられることがある。ただ、決めたバウンダリーを守らないと、どんどんグダグダになっていく。
アップルの創業者のスティーブ・ジョブズは、「Time is limited(時間は限られている)」という言葉を大切にしていた。
彼は、自分の時間を奪う人々から物理的に距離を取り、本当に大切なこと、本当に大切な人々、これらに時間を使った。
あなたの時間は、あなたの人生そのもの。それを、有害な人々に使う義務はない。
バウンダリーを守って、自分の時間、空間、心を守る
■良い環境を導く「ギバー包囲網戦略」の初手
次にあなたがやることは、「味方を増やし、良い環境をつくる」こと。
その結果、テイカーもギバーに変わる可能性がある。これを私は「包囲網戦略」と呼んでいる。
まずは、周りにいるギバーを見つけてほしい。
ギバーの特徴は、
・他人の成功を心から喜ぶ
・困っている人を自然に助ける
・感謝の言葉を忘れない
・約束を守る
・見返りを求めない
このような人を見つけたら、その人に近づいていこう。方法は簡単。
あなたが先に助けるのだ。
「何か手伝えることはありますか?」
「これ、よかったらどうぞ」
「○○ができますが、お役に立てないでしょうか」
ギバーは、ギバーに反応する。あなたの善意に、彼らは必ず応えてくれる。
■5分でできる1つのルール
次に、小さな「贈与」をくり返そう。
・コーヒーを淹れて渡す
・役立つ情報を共有する
・良い本を紹介する
・相手の仕事を手伝う
・感謝のメッセージを送る
なんでもいいのだ。内向的なソフトウェアエンジニアだったアダム・リフキンは、あるひとつのルールを決めた。
「誰のためにでも、5分でできる親切ならやる」
この小さな贈与の積み重ねが、シリコンバレー最高のネットワーカーという評価につながったのだ。
そして、最後にギバー同士をつなごう。
「〇〇さんと△△さん、お二人とも素晴らしい方なので、ぜひ紹介させてください」
この「紹介」が、最強の贈与になる。なぜなら、ギバー同士をつなぐことで、あなたは二人から感謝されるからだ。そして、その二人が協力し合うことで、さらに大きな価値が生まれる。
こうやって、あなたの周りをギバーで固めるのだ。その結果、あなたはテイカーにあれこれ邪魔されなくすむようになる。
「ギバー包囲網戦略」で、テイカーのいない世界をつくる
■悪い人が集まる環境が生まれる要因
そもそもテイカーも有害な人になりたくてなったわけではない。彼らがいた環境が悪かっただけなのだ。
では、なぜ、人はテイカーになってしまうのだろうか。それは、「心理的安全性」の欠如が原因だった可能性が高い。
心理的安全性とは、「このチームでは、リスクを取っても大丈夫だ」「失敗しても責められない」「本音を言える」という感覚のこと。
この概念の重要性を証明したのが、グーグルの「プロジェクト・アリストテレス」だ。
グーグルは、2012年から4年間、社内の180のチームを調査し、「最高のチームをつくる要素」を特定しようとした。
当初、グーグルのエンジニアたちは、「優秀な人材を集めれば最高のチームができる」と確信していた。
MBAホルダー、博士号保持者、トップ大学出身者……。こうした、「スター選手」を集めればいいと考えていたのだ。
しかし、データは全く違うことを示していた。
■心理的安全性が最高のチームを生むワケ
チームの成果に最も影響を与えるのは、「誰がチームにいるか」ではなく、「チームがどのように協力しているか」だったのだ。
つまり、個人の能力やスキルよりも、チームの「働き方」のほうが圧倒的に重要なのだ。
そして、最高のチームに共通する最も重要な要素。それが「心理的安全性」だった。心理的安全性さえあれば、チームは高いパフォーマンスを発揮したのだ。
この研究結果は、2016年にニューヨーク・タイムズの記事で報道され、世界中で「心理的安全性」という概念が注目されるようになった。
では、具体的に、心理的安全性が高いチームと低いチームでは、何が違うのか。
心理的安全性が高いチームでは、全員が発言し、失敗をオープンに共有する。一方、低いチームでは、失敗を隠し、質問を恐れる。
最高のチームは、失敗が許される、本音で話せる
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長倉 顕太(ながくら・けんた)
作家、プロデューサー、編集者
1973年、東京生まれ。学習院大学卒業後、職を転々としたあと28歳のときに出版社に転職し、編集者としてベストセラーを連発。編集者として企画・編集した本は10年間で1000万部を超える。独立後は8年間にわたりホノルル、サンフランシスコに拠点を移して活動し、現在は本や著者のプロデュース、教育事業に関わっている。著書には、20万部のベストセラー『移動する人はうまくいく』『本を読む人はうまくいく』(共にすばる舎)、『親は100%間違っている』(光文社)、『豊かな人だけが知っていること』(あさ出版)、『誰にも何にも期待しない』(ソシム)、『人生は28歳までに決まる!』(イースト・プレス)など多数。最新情報は各種SNS(X、Instagram、note、YouTubeなど)で配信中。©写真:Portrait by THE PORTRAITS
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(作家、プロデューサー、編集者 長倉 顕太)

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