■日本が「静かに消えていく」現場
東京の下町のある公立小学校では、新入生がわずか38人で、それを19人ずつにわけて2クラスとした。かつて、40人学級の実現が課題となっていた時代もあったことを考えれば、隔世の感がある。
しかも、そのうちの2割は外国人で、日本語もできず、授業中に席についていることもできないという。先生が叱れば、外国人の親が「子供がトラウマになった」と怒鳴り込んでくる。完全な教育崩壊である。
これを避ける親は当然、子供を私立学校に行かせる。歴史ある商店街を行き交う人々はもはや日本人ではない。昔ながらの店も次々とシャッターを下ろしては、外国人に買われ、外国人向けの雑貨屋や魚屋や八百屋になる。
その周囲の住宅街も、日本人が相続税を払えずに売却すると、中国人が現金で買いあさっていく。こうして、日本は静かに、しかし確実に消えていく。
先の衆院選では、有権者の関心ごととして、特にSNSでは外国人問題が上位にランクされた。したがって、先の衆議院選挙で自民党を歴史的な大勝に導いた有権者(国民)が、高市政権にこの問題への対処を求めたのは当然だろう。
■バングラデシュの「30万人供給計画」
今年4月28日、バングラデシュ国営通信(BSS)が興味深い記事を配信した。
バングラデシュ政府が、日本の「特定技能」制度を活用した大規模な労働者送出に向けて、国家的な準備を加速させているという内容である。
日本政府は2029年3月までに、特定技能80万5700人、育成就労42万6200人の計123万1900人を受け入れる目標を設定している。バングラデシュは特定技能の最大40%、つまり30万人超の供給を狙っている。
専門家の試算では、2040年には日本の外国人労働者需要が1100万人に達し、バングラデシュ単独でその50~60%を賄える可能性があるとされている。
■東南アジアから日本へ、競争が過熱
バングラデシュ政府は日本語教育機関の整備、日本人講師の招聘、技術訓練センターの日本規格への格上げ、そして送出機関のさらなる拡充を進めている。ダッカ大学日本語学科のジャハンギール・アラム教授は「適切なスキル開発を行えば、日本の労働需要の相当部分を満たすことができる」と述べている。
バングラデシュという一国だけで、これほどの規模の計画が動いている。
それに加えて、ネパール、ベトナム、インドネシアも同じ市場を競合として狙っている。
バングラデシュから日本へ、という議論が進む一方で、送り出し国の現実について、日本のメディアはほとんど報じていない。
2024年夏、バングラデシュはハシナ首相を学生デモが打倒した政変を経験した。この過程で全国の警察署が一斉に襲撃され、5829丁の銃器と60万発以上の弾薬が略奪され、2週間以上にわたり多くの警察署が無人状態に陥った。
■「優秀な労働者を送り出す国」の別の顔
その影響は犯罪統計に如実に表れている。2025年1月の強盗件数は171件で前年同月(114件)から1.5倍に増加し、誘拐も2025年1月は100件超と、前年同月(51件)と比べて約2倍に増加している。
2023年にはバングラデシュを拠点とする新たな過激派組織2団体が確認されており、テロ脅威の完全な排除には至っていない。
さらに見逃せないのが、欧州での動向である。
バングラデシュ人の欧州流入は、近年急激に増加している。2025年、バングラデシュ人はイタリアへの地中海経由の不法入国者の中で最大の国籍グループとなり、全不法海上入国者の約31パーセントを占めた。
この経路は人道的問題であるとともに、安全保障上の問題でもある。バングラデシュからリビア、イタリアをつなぐ同じ密輸ルートが、武器密売、麻薬密輸、偽造文書の流通など他の形態の国際犯罪にも使用されており、欧州の安全保障システムに潜在的な脆弱性を生み出している。
イギリスでも、2025年の庇護申請者国籍のトップグループにバングラデシュが含まれている。
「優秀な労働者を送り出す国」として描かれるバングラデシュの、もう一つの顔がここにある。
日本が30万人規模で受け入れようとしているのは、こうした国内情勢を抱える国からの人々なのだ。
■永住権へと続く特定技能制度の「設計」
ここで、日本側の制度を改めて確認しておく必要がある。
現行の特定技能制度は、二つのカテゴリーに分かれている。
特定技能1号は業種別に受入上限数が設けられており、在留期間の上限は通算5年、家族帯同は認められていない。
特定技能2号は異なる。数値上限なし。在留期間の更新に上限なし。家族帯同可。そして永住権の申請資格を得る道が開かれている。
これは「抜け穴」ではない。
そういう設計になっているのだ。
さらに、2024年に成立した育成就労制度が加わった。技能実習制度の実質的な後継であり、3年間の「育成」を経て特定技能1号へ移行するルートが整備されている。
整理すると、こうなる。
育成就労(3年)→ 特定技能1号(最大5年)→ 特定技能2号(無期限・家族帯同)→ 永住権
低技能労働者を大量に受け入れ、段階的に定住させ、最終的に永住を認める。上限のない経路が、制度の中核に存在している。
■海外へ「出稼ぎ」に行く日本の若者たち
日本の治安の良さは、長年、国際社会における日本のブランドの一部であった。
しかし、欧州の先例は何を示しているか。バングラデシュを含む大量移民を受け入れた国々で、今、社会の性格が急激に変化している。
移民の流入そのものが犯罪を必然的に増やすと断定することは適切ではない。しかし、国内の不安定要因を多く抱える国(第三世界)から、30万人、さらに将来的には数百万人規模の流入が制度上許容される。その担い手が定住し、家族を呼び寄せ、やがて永住する。
日本が守ってきた社会の安全と秩序が、静かに、しかし確実に変容し、不可逆的に失われてしまうのは必然だ。
これほど深刻な問題が進行する一方で、日本国内では別の危機が静かに進行している。
かつて、オーストラリアへのワーキングホリデーは若者の「夢」であった。
円安と国内賃金の低迷が相まって、日本よりもオーストラリアの農場や飲食店で働いたほうが稼げる時代になった。国内では奨学金の返済が重くのしかかり、結婚を諦め、子供を持てない若者が増えている。
そして最も象徴的な事態が、海外での出稼ぎ売春である。
■アメリカにとって日本人は「貧民」?
アメリカの入管に詳しい専門家によれば、ロサンゼルス、ニューヨーク、ラスベガス、シアトル、ハワイなどで売春を疑われて入国拒否を受けたという相談が非常に増えている。
アメリカの入国管理法に詳しい弁護士によれば、売春疑いでの入国拒否相談が最も多い場所は「圧倒的にハワイ」だということである。観光目的で訪れた普通の会社員や学生までが、売春疑いで別室に連行され、強制帰国させられる事態が続いている。
これは偶発的な問題ではない。
背景には、ホストクラブの売掛金返済や借金に追い詰められた若い女性たちが、国内よりも稼げる「海外出稼ぎ」に追い込まれている現実がある。日本の若者が、外国の地で体を売らなければ生きていけない。そのような状況が現実のものとなっている。
ある行政書士はこう述べている。
かつて日本人がハワイに行くといえば、豊かな観光客の象徴であった。今は、売春目的を疑われる国籍になりつつある。
これが現実である。
■高市政権がまず一番に実現すべきこと
若い日本人が貧しさのあまり体を売りに海外へ向かい、奨学金の重さに押しつぶされて子供を産めない。この深刻な問題を放置したまま、安い労働力として外国人を大量に導入する。
それは利益至上主義の経済界の論理であり、亡国の政策であると言っても過言ではない。
日本人の若者が豊かになれる社会を作ること。それが政治の本来の使命のはずである。移民政策の議論は、この根本から切り離して行うことはできない。
高市政権は、移民・難民をめぐる制度の明確化と一定の厳格化を実行してきた。不法滞在への対応強化や難民認定の厳格化など、その点は正当に評価されるべきである。
しかし同時に、特定技能制度の拡大や育成就労制度の創設に見られるように、積極的な労働力移民の導入もまた、明確な政策方針として走っている。入口を締めながら、別の入口を大きく開けている。この矛盾を直視しなければならない。
■「高市首相なら全肯定」ではいけない
そもそも、永住者を増やしていく移民政策は、高市政権が始めたものではない。歴代の自民党政権がずっと続けてきたものであり、経済界からの圧力も恒常的に大きい。しかし、国民が高市政権に求めているのは、明らかにこの流れを止めることである。先の衆議院選挙で有権者が示した意思は、移民の拡大ではなく、歯止めであったはずだ。
高い内閣支持率を背景に、政権の政策をひとまとめに肯定する空気も生まれている。だが、支持率と個別政策の是非は別の問題である。政権を評価するならば、具体的な政策の一つ一つを検証し、是々非々で臨む。それが有権者の本来の責任であり、それを怠れば取り返しのつかない事態を招くことになるだろう。
■「ムハンマド」が急増するイギリスの教訓
イギリスでは、ナイジェル・ファラージが率いるリフォームUKが世論調査で支持率第一位の政党となり、2025年の地方選挙で大勝した。イギリス人も移民によって自国が変質している事実にやっと気が付いたのであろう。しかし、遅きに失した感がある。
ロンドンでは2021年の国勢調査で白人のイギリス人はわずか36.8%にまで減少し、既に少数派に転落した。イングランドとウェールズにおける男児の名前の第一位は、2年連続で「ムハンマド」である。綴りの異なる表記を合算すれば、男児のおよそ33人に1人がこの名前を持つ。
もはやイギリスは、かつてのイギリスではない。世界中に広大な植民地を持ち、搾取の限りを尽くした大英帝国の終焉が言われて久しいが、いよいよ名実ともに現実となりつつある。
そして、日本は、その失敗に学ぶこともなく、確実に同じ道を歩んでいる。日本人の覚醒が遅れれば、それだけ日本はリプレースされることになる。ある段階で、ポイント・オブ・ノーリターン(回帰不能点)を超えるだろう。その日がくるのはそう遠くない未来だ。
今、国民が覚醒して声をあげなければ、長い歴史を持ち、平和で豊かな国「日本」は永遠に失われるだろう。既にそうなるように設計されているからだ。
一人でも多くの人の覚醒を願ってこの文章を寄稿する。
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山岡 鉄秀(やまおか・てつひで)
ジャーナリスト、情報戦略アナリスト
1965年、東京都生まれ。中央大学卒業後、モービル石油株式会社を経て、シドニー大学大学院、ニューサウスウェールズ大学大学院修士課程修了。2014年4月豪州ストラスフィールド市で中韓反日団体が仕掛ける慰安婦像公有地設置計画に遭遇。シドニーを中心とする在豪邦人の有志と反対活動を展開。オーストラリア人現地住民の協力を取りつけ、2015年8月阻止に成功。現在は日本で言論活動中。令和専攻塾塾頭。著書に『日本よ、もう謝るな!』(飛鳥新社)、『日本よ、情報戦はこう戦え!』『新・失敗の本質』(共に育鵬社)、『シン・鎖国論』(方丈社)、などがある。
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(ジャーナリスト、情報戦略アナリスト 山岡 鉄秀)

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