「このCOA、本当に信頼できますか?」
正直に言えば、当時の私には「はい」と断言できる根拠がなかった。
成分分析証明書(COA)はある。でも、それが「何を原料にして作られたものか」を
証明する仕組みが、日本市場には存在しなかった。
■ 問題は「偽物のCOA」ではなく、「正規品を証明できないこと」だった
カンナビノイド市場では、成分分析証明書(COA)は当たり前。
しかし業界では、あるCOAが流用される問題が起きていた。
A社が取得した試験結果を、別の原料に貼り付けて「試験済み」として販売する——
これは偽造ではなく、仕組みの穴を突いた行為だ。
認定基準物質(CRM)が存在しない合成カンナビノイドでは、
試験機関は「何を提出されたか」は分析できても、
「それが誰の工場から来た原料か」は検証できない。
つまり、正直に正規ルートで調達している事業者と、
出所証明のできない原料をもつ事業者が、同じ「試験済み」として並ぶ。
これが、今の日本市場の現実だ。
■ 解決策は「4者をつなぐこと」だった
問題の構造が分かれば、答えはシンプルだった。
製造元が「このバッチはウチが作った」と証明できる情報を持ち、
試験機関がその情報と試験記録を紐づける。
それを第三者の認定機関が基準として定め、
流通元がバッチ単位で受払記録を維持する。
4つの役割が連携して初めて、
「試験済み」と「正規メーカー品かつ試験済み」を区別できる。
2026年5月、この仕組みをMOUとして4者で明文化した。
■ なぜAnrescoか、なぜJRWか
Anresco Laboratories は1943年創業。
2008年からISO/IEC 17025認定を持ち、FDA・DEA登録済み。
厚生労働省の製品等検査機関一覧にも名前がある。
日本の規制当局が「認める」試験インフラを持つ海外機関は、
実は極めて少ない。その一つが、Anrescoだ。
JRW Holdings LLCは、日本の大麻取締法改正(2024年12月施行)と食品衛生法に準拠した製品を製造・供給する合成カンナビノイド原料メーカー。しかし、現時点で合成カンナビノイドが日本において食品として通関した実績はありません。JRWがバッチ識別情報を提供することで、初めて「Anrescoで試験されたJRWの原料」という証明が成立します。
■ 2026年6月——規制強化が、正規ルートの価値を可視化する
2026年6月1日、CBN(カンナビノール)が新たに「指定薬物」として規制の対象となります。
これに伴い、販売事業者には極めて厳格な管理体制が求められるようになります。具体的には、地方厚生局麻薬取締部への誓約書の提出に加え、日々の取引内容を記した帳簿の記録・保管、さらには半期ごとの在庫量および数量報告書の提出が法律で義務づけられます。
特に重要となるのは、川上から川下までのトレーサビリティです。「どのバッチ(製造番号)を、いつ、どこから、どれだけ輸入したか」という輸入実績の正確な記録、そして「そのバッチを、誰に、いくらで販売したか」という流通プロセスの証明が不可欠となります。これらの詳細な記録を提示できない事業者は、新制度下での業務継続が困難になるでしょう。
DJは、すでにバッチ単位での詳細な受払記録を常時維持するシステムを運用しています。この強固な管理体制は、輸入から販売に至るすべてのプロセスを網羅しており、正規フレームワークへの参加は、今後の厳しい規制対応において圧倒的な実質的優位性をもたらします。
■ Authorized Cannabinoid(AC)が担う役割
一般社団法人Authorized Cannabinoidは、
「科学と法が、信頼を証明する」を掲げて設立された業界団体だ。
加盟基準は3つ。
関税法第67条に基づく輸入許可証の保有。
ISO/IEC 17025認定機関による成分分析証明。
適法納税。
指定薬物含有品や危険ドラッグ類似製品との併売事業者は、
審査で一切認めないZero Tolerance方針を採用している。
加盟費用は設けていない。
正規事業者にコストを課さず、基準だけで選別する——
これがACの原則だ。
■ このフレームワークは、今日から動いている
現時点で、このフレームワークで稼働しているのは
日本国内において私のチームだけ
それで十分だと思っている。
まず正しい仕組みを作り、それを証明する。
事業者はDJ経由でこの正規サプライチェーンへアクセスできる。
「試験済み」が当たり前になったように、
いつか「出所証明済み」も当たり前になる日を、私たちは作りにいく。
ちゃんとやる、ただそれだけ。
——Dispensary Japan Inc. 代表取締役 松藤 渡
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