発売禁止になったビートルズの「ブッチャーカバー」にまつわる裏話

発売禁止になったビートルズの「ブッチャーカバー」にまつわる裏話
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ひとりの写真家による常識はずれの思いつきが、ファブフォーの究極のコレクターズアイテムを生み出した。生肉、バラバラ人形、白衣を着たメンバーという表現は、激しい物議を醸し出した。それは、本当にベトナム戦争への抗議だったのか?ビートルズの歴史的アルバムとも言える、発売中止になった"ブッチャーカバー"にまつわる当時の裏話を回想する。

「アルバムカバーは僕のアイディアの方が良かったよ。ポールの首を切り落とすイメージだ」とかつてジョン・レノンは、アルバム『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』のカバーの話題になった時にジョークを飛ばしたことがある。1966年にリリースされた同アルバムは、北米向けに当時のザ・ビートルズの楽曲を寄せ集めて製作されたものだった。冗談はさておきレノンの発想は、同年6月のリリースへ向けて最終的に選ばれたカバー用写真に比べれば可愛いものだ。タイトルにヒット曲『イエスタデイ』の名前を見つけて咄嗟に手を伸ばしたファンは、食肉処理業者(ブッチャー)の白衣を着たメンバーがいたずらっ子(というよりむしろ殺人鬼のように)気味悪い微笑みを浮かべ、生肉の切れ端やタバコの火を押し付けられバラバラになった人形をまとったグロテスクなイメージに衝撃を受けた。レノンがバンド仲間の内蔵を引っ張り出して四つ裂きにでもした方がまだ、激しい論争を抑えられたのではないだろうか。

半世紀が経ってもなお、生後間もない赤ん坊を虐殺する楽しげなファブフォーの姿は、とてつもなく異様だ。同アルバムカバーは直ちに回収されたものの、そのような奇異なカバーが制作されたという事実はバンドの歴史に残された。1966年当時、アルバムカバーにトイレの便座を描くことなど考えられなかったし、パンクロッカーたちが世間を挑発するようなアプローチを取り始める10年も前の話だった。それでも修羅場の中で笑っていられるのがビートルズなのだ。

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