人気K-POPボーイズグループ、SEVENTEENに米ローリングストーン誌がインタビュー。独自のビジュアル・アイデンティティと、スウィングからファンクまで幅広いジャンルを網羅する楽曲で、13人組のボーイズバンドは「Bigger is better」を証明する。


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人気急上昇中のSEVENTEENを知るには、まずはメンバーの人数から始めるのがいいだろう。バンド名とは裏腹に、SEVENTEENのメンバーは17人ではない。(アメリカで)90年代後期から2000年代初期に人気を博した10代女子向けの雑誌とも無関係だ。それでもやはり、2015年に結成されたK-POPバンドはある種のスーパーアイドルとみなされている。13人のメンバーはグループ全体でパフォーマンスしつつ、舞台裏では小グループに分かれて(ヒップホップ組、ボーカル組、パフォーマンス組)それぞれの得意技を発揮するコラボレーション集団だ。

少々頭が混乱したとしても無理はない。
13人組という考え方がとりわけ欧米マーケットでは理解しがたい難いことは、SEVENTEENのメンバーたちも承知の上だ。だがメンバーはみな、「Bigger really is better」(大は小を兼ねる)をオーディエンスに証明してみせるとやる気満々だ。

アジアで立て続けに成功を収めたあと、SEVENTEENは早くも全米市場を制覇しつつある。好評を収めた2枚のEP『Heng:Garae』と『;[Semicolon]』を昨年リリースし、最近では「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」にも出演した。予定されていたツアーはパンデミックにより延期となったが、SEVENTEENは1月23日にバーチャルコンサートを開き、ファンがオンラインでパフォーマンスを見られる機会を提供している。所属レーベルPledis Entertainmentが、何を隠そうBTSを抱えるBig Hit Entertainmentに買収されたことで、アメリカでの活躍も期待されている。


ローリングストーン誌はメンバーに接触し、2020年――おそらく彼らがもっとも多忙を極めた年――の振り返りと今後の計画、そして10人を超える大御所バンドならではのエネルギーについて話を聞いた。

※編集部註:インタビューは内容を明瞭簡潔にするため、編集を加えています。

13人で活動することの強み

―SEVENTEENはK-POP界では誰もが知る存在ですが、まだご存知でない人たち向けに、ご自身の言葉でどんなグループか紹介していただけますか?

エスクプス:SEVENTEENは13人からなるチームです。メンバーはそれぞれ3つのユニットに別れていて、最終的には1つのグループを形成しています。その数字(13+3+1)を全部合わせるとSEVENTEEN。僕ら13人はそれぞれ経歴も得意技も違っていますが、そうした違いを活かして僕たちにしかできないことを生み出し、音楽作りやパフォーマンスをしています。


―SEVENTEENのような大御所グループは、とくに欧米マーケットではそれほど多くありません。10人を超えるメンバーを抱えることで、グループの雰囲気にどんな影響がありますか?

ミンギュ:メンバー1人1人がとてもやる気でエネルギッシュ。全員が集まると、そうしたやる気やエネルギーが13倍になるんです。チームワークは最高ですし、サポートしてくれる素晴らしい人にも大勢囲まれていて、とても感謝しています。僕らは音楽やパフォーマンスを通じて自分たちのストーリーを届け、チーム全体としてアイデンティティを着実に確立しています。

ジュン:パフォーマンス的には、SEVENTEENの強みは大勢のメンバーがそれぞれの個性を発揮しながら、グループ全体として統一していることですね。
13人いますから、幅広い多種多様なスタイルを表現できる。その点が、僕らならではだと思います。

―ひとつのグループに3つのユニットが存在するというコンセプトは、ステージ上でも効果を発揮していますね。3ユニットというアイデアが生まれたきっかけは何ですか?

ジョンハン:13人組としての多面的な性質や、無限の可能性を見せたいと思ったんです。これを実現するにはどうするのが一番いいか、知恵を絞りました。そして最終的に、3つの独立したユニットを作るのが一番いいだろうという結論に達したんです。


―SEVENTEENはメンバーが制作プロセスにも積極的に参加する数少ないグループのひとつです(ウジは「;[semicolon]」の全6曲を共同作曲、ホシは振り付け責任者)。「セルフプロデュースするアイドル」という立ち位置で打ち出すことに、プレッシャーはありませんか?

バーノン:僕らが音楽について話し合う時は、全員が率直に意見を出し合って、積極的に会話を進めます。いったん話し始めると1時間はアッという間ですね。僕らはそういう時間が一番ハッピーなんです。僕個人的にもチーム全体としても、貴重な意義あるプロセスです。この先もこうやって切磋琢磨していきたいですね。


ディノ:音楽を通して僕らの物語を世界と共有するのはすごくワクワクします。僕らにとってはすごく大事なプロセスなんです。いつも楽なわけじゃありませんが、本当にありがたいと思っています。いつか振り返った時いい思い出になるような、やりがいのある体験ですから。とくに、僕らの音楽をいつも聞いて楽しんでくれるCARAT(SEVENTEENファンの公式名称)のみんなには感謝しています。

全米進出と2021年の展望

―K-POPグループはダンスの振り付けで、歌詞にビジュアル的な要素を盛り込むことで知られています。ホシはパフォーマンス・ユニットのリーダーとして、どんな風に制作しているんですか?

ホシ:パフォーマンスを考える際、ビジュアル的な要素は僕らが一番重視している点です。曲特有のエネルギーや雰囲気を、動きを使って視覚的に解釈しようと心掛けています。曲ごとに違うやり方でアプローチしつつ、曲のジャンルも考慮に入れています。

ディノ:どれだけ多様なコンセプトを伝えたいかとか、パフォーマンスをもっと斬新でオリジナリティあふれるものにするためにはどうしたらいいか、ということを考えています。

―「;[Semicolon]」のテーマは、一息つく瞬間を大事にして、休息の重要性に気付く、というものでしたが、まさに2020年の出来事にぴったりだったと思います。皆さんは一時停止ボタンを押す機会をどう見つけているんですか?

ジョシュア:そうですね、僕らには一息つくのにこれといって決まった時間はありません。でもチャンスがあったら、例えばスケジュールが全部片付いたときなどは、ワインを飲んだり、Netflixを見たり、新しいことを学んだりしています。

―そうしたつかの間の休息で学んだことを教えていただけますか?

ジュン:僕らはそういう時に、アイデアを蓄積してきたんだと思います。言うまでもありませんが、僕らはひたすら仕事に集中してきました。もちろん少し休憩もしますし、それぞれ自分の趣味をして過ごしたりもしました。普通の日常生活ではなかなか味わえない、リラックスな気分にもなれました。

―2021年は、ジェームズ・コーデンの深夜番組に出演して正式に全米デビューを果たしました。全米デビューに関して、今後はどんなことをしていきたいですか?

ウォヌ:インターネットでしか見られないアメリカの有名TV番組に自分たちが出演するなんて、ものすごいことです。すごくワクワクしています。

DK:『レイト×2ショー』では世界的に有名なアーティストが多数出演したのを見てきました。だから自分たちが出られるなんて、すごくうれしいです。今まで僕らのことを知らなかった多くの人たちにアピールできたらいいですね。

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―ジョシュアはアメリカ育ちですが、アメリカで正式にデビューする気分は如何ですか? たしかMAXとコラボレーションしたいと言っていましたね。

ジョシュア:最高です! アメリカでデビューできるなんてとても光栄です。曲を聴いて育ってきた尊敬するアーティストもこの番組に出演していたので、僕もジェームズ・コーデンの番組に出るのがずっと夢だったんです。MAXの音楽性は本当に心から素晴らしいと思うし、絶対彼とコラボレーションしたい。最新アルバムを聴いて、彼への敬意がますます強くなりました。

―アメリカのファンは、これからもっとプロモーションを期待してもいいでしょうか? 他に2021年の予定や、アメリカでの活動計画はありますか?

スングァン:『レイト×2ショー』を皮切りに、今年はさらに積極的にプロモーションしていくつもりです。アメリカをはじめ、世界中のCARATに会えるのが楽しみで仕方ありません。2021年はハッピーで、かつ健康な形でお会いしましょう!

From Rolling Stone US.

SEVENTEEN、1月23日開催のオンラインコンサートを振り返る

2020年にリリースした韓国アルバム2枚がいずれも100万枚以上を売り上げる”ダブルミリオンセラー”を達成した13人組ボーイズグループSEVENTEENが1月23日(土)に初のオンラインコンサート「2021 SEVENTEEN ONLINE CONCERT 」を開催。約1年5か月ぶりの公演とあって世界各国のファンが視聴し、グローバルな人気を見せつけた。

【画像を見る】ライブ写真(全6点)

ダイヤモンド型のステージが赤く染まると、ウジ、ホシ、エスクプスのリーダー3人がせり上がり、Introの「New World」に歌詞をつけての新鮮なアレンジでのっけから度肝を抜く。そこに大勢のダンサーが加わりサイレンが鳴り響くと、ウジとホシによる「BRING IT」でド派手にスタート。が、すぐに雰囲気が一転。1本の白い帯でつながれたジュンとディエイトの「My I」から、ジョンハン、スングァン、ウォヌ、エスクプスによる「Flower」。続いてディノのソロダンスを挟んでの「Fear」から「Fearless」へ。さらに衣装を変えて「Fallin Flower」と「Thanks」まで、幻想的なステージの連続。刹那的な美しさと儚さを表現した世界観はまさに唯一無二のもので、視聴するCARAT(SEVENTEENのファン)からはため息がもれた。

SEVENTEENが語る大所帯グループの強み「僕らは多種多様なスタイルを表現できる」

オンラインコンサート「2021 SEVENTEEN ONLINE CONCERT 」ライブ写真(©PLEDIS)

オープニングトークではウォヌが「皆さんの幸せを応援します。皆さんのストレスが今日、すべて解消されたらいいです」と話すと、メンバーからのむちゃぶりで即興の応援歌を披露。ジュンは「どこかで焦げる匂いがしませんか? 僕の心臓が燃えています。みんなへの愛が燃えているから」と人気ドラマのセリフを使って爆笑を誘った。

続いてはライブ初披露の「Lie Again」と、この時代を生きる大人だけど子供のような人へのメッセージソング「Kidult」のバラード2曲をしっとりと歌い上げる。そして、SEVENTEENといえば欠かせないユニットステージへ。ヒップホップチームが「Back it up」、ボーカルチームが「Habit」、パフォーマンスチームが「MOONWALKER」をすべて新アレンジで披露。さらには昨年10月にリリースしたスペシャルアルバム「; [Semicolon]」に収録された年齢順ユニットの曲も初披露された。兄チームのエスクプス、ジョンハン、ジョシュアは、ショーパブのセットで「AH! LOVE」を。96年生まれのジュン、ホシ、ウォヌ、ウジは「Light a Flame」をシャープでセクシーなパフォーマンスで魅せた。97年生まれのディエイト、ミンギュ、ドギョムは「HEY BUDDY」で青春ミュージカルのような溌溂としたステージを。末っ子チームのスングァン、バーノン、ディノの「Do Re Mi」 では、彼らの分身のような子どもたちが登場して一緒に歌い萌えを誘った。

後半に向けては、セットリストにストーリーを持たせるSEVENTEENらしいステージが続く。「Snap Shoot」では、スーパーでパーティの買い物をして、「Left&Right」では大きな車が登場して会場までドライブ。「HOME;RUN」ではドレスアップして大人数のダンサーとともにダンスパーティを繰り広げた。そしてラストは「Shining Diamond」。あえて原点ともいえる曲で締めくくることに、彼らの初心を忘れない決意が伝わってきた。

アンコールの「All My Love」では、CARATに歌詞を届けるように真心を込めているのが伝わり感動を呼ぶ。そして最後の挨拶へ移ろうとしたが、この時、世界中のCARATから寄せられた歌声とともに過去のライブの写真がスクリーンに映し出されるサプライズが。一緒に歌を口ずさむディエイトやウジ。スクリーンを見つめるミンギュ。涙をこらえて笑顔を見せるドギョムなど、その反応にCARATの涙腺は崩壊寸前。曲が終わると、それぞれが最後の挨拶を。ドギョムは「きれいな歌のプレゼントをありがとうございます。CARATが本当にいるような気持ちでした」と。ホシは「ステージがすべての僕らにとって準備してきたものをCARATに見せられないのはつらいことだった。こうやってオンラインでもお見せできてよかったです」と感謝を。エスクプスは「誰かを応援する愛する心は素晴らしいけれど、その対象がアイドルというだけで否定的な視線を受けることもある。それを変えるために、もっと成長して、かっこいいアイドルにならなければいけない」との決意を語った。しんみりとした雰囲気をかき消すようにエンディングは元気いっぱいに「My My」と「Campfire」を。一旦ステージからはけたものの再び登場するお約束で「Healing」まで披露し、全21曲、約3時間のステージの幕が閉じた。

CARATに会えない寂しさや葛藤をすべてぶつけるように、そしてなによりもCARATを笑顔にするように入念に準備した渾身のステージ。初披露曲6曲、既存曲はすべてアレンジし、同じステージは2度はやらないといわんばかりのハイレベルを常に目指し実現しているSEVEVTEEN。彼らの最上級のステージをCARATが生で見る日が1日でも早く来ることを願うばかりだ。

〈セットリスト〉
2021 SEVENTEEN ONLINE CONCERT
[IN-COMPLETE]

---OPENING VIDEO 1---
M1-1 New World
M1-2 BRING IT
M1-3 My I
M1-4 Flower + Fear INTRO
M1-5 INTRO + Fear
M2 Fearless
---OPENING VIDEO 2---
M3 INTRO + Fallin Flower
M4 THANKS
>>MENT 1M5 Lie Again
M6 Interlude + Kidult
---UNIT VIDEO---
M7 [HH] Back it up
M8 [VC] Habit
M9 [PF] MOONWALKER
M10 INTRO + AH! LOVE
M11 Light a Flame
M12 HEY BUDDY
M13 Do Re Mi
---BRIDGE VIDEO---
M14 Snap Shoot
M15 Left&Right
M16 HOME;RUN
>>MENT 2M17 Shining Diamond

>>>ENCORE BREAK---ENDING VIDEO---
M18 All My Love

>>MENT 3M19 My My

M20 Campfire
M21 Healing