まるでパルテノン神殿のようなフロントグリルが迫力満点な、1970年代を象徴するヴィンテージカー。それが今回紹介する、パーソナルクーペのリンカーン コンチネンタルだ。
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優雅に現れた'75年式リンカーン コンチネンタル マーク4。全長約5m80㎝、全幅は2m超えという巨大な車体は、もはや建造物級の存在感だ。「やっぱりいいねぇ~。〈リンカーン〉といえば〈キャデラック〉と並ぶアメ車の2大巨頭。アメ車の王様と言っても過言じゃないよ。フロントグリルの威圧感ったらありゃしないよね(笑)。年代に入るとどんどんコンパクトになっていくから、この年代ぐらいがアメ車らしい最後の年代」
ウッドパネルが高級感をアピールする運転席。「実は時計がカルティエ製なんだよ。このクラスのクルマには、ほかにもティファニーの時計などが採用されていた。まさにラグジュアリー」
リンカーン コンチネンタルは〈フォード〉が1939年から展開する最高級シリーズ。その名の由来はリンカーン大統領からだ。10世代にも及ぶ長い歴史を持つシリーズだが、2020年に生産が終了。
全長6m近くある巨大なボディサイズ。一方、車高は意外にも控えめで、横から見るとシャープなフォルム。「この低い姿勢こそが、ローライダーから支持された理由だよ」
かくゆうIKURAさんも若い頃に'76年式を乗っていたが、当時はローライダーカスタムが主流だったとか。「でもやっぱりオリジナルが最高。しかもこれは状態がすこぶるいい。
その大きな車体から容易に想像できるように、乗り心地はまるでクルーズ船に乗っているようだという。「〈リンカーン〉は独特な乗り味なんだよね。揺れ方が上下左右じゃなくて、それこそ船のようにフワっとX軸で揺れる感じ。それがすごく心地いい。あっ、そうそう三角窓も最高だよ。パワーウィンドウのボタンを押すとまず三角窓だけ下がって、それからメインが下がる仕組みがとにかく格好よくてね」。リンカーン コンチネンタル マーク4は乗り味のよさだけでなく、独特な仕様がアメ車好きの琴線に触れる。
ボディ同様に巨大なエンジン。マーク4だけにあしらわれるネーム入りのプレートも。
搭載するエンジンは、460-4VのV8で、排気量は7500ccと巨大だ。「460は実にトルクフルで、低回転からグイッと盛り上がってくれる。〈キャデラック〉の場合はちょっとピーキーだけど、〈リンカーン〉はゆったりと走れるよ。これでパーティ会場とかに乗りつけたら、まさしくVIPだね」
パルテノン神殿のようなフロントグリル。ヘッドライトはリトラクタブル仕様。「個人的にはヘッドライトが開いてないほうが格好いいと思う。そのほうがグリルの豪華さも際立つ
とはいえ、年代にはローライダーから重宝された車で、現在ではローライダーを象徴するインパラなどよりも前に定番車だったそう。「当時はオイルショックや排ガス規制などで、フルサイズ&大排気量車の人気がなく、安かったんだよ。車体をハイドロで上下させることを、まだホッピングじゃなく、ホップ&スクラップって言ってたな……」。ラグジュアリーカーにして、ストリートカルチャーからも愛されたクルマというわけだ。
クラシックカーでお馴染みの背面タイヤ。
そんな当時、30万円ほどで買えたというリンカーン コンチネンタル マーク4だが、今ではビックリするくらい価格が高騰しているそうだ。「特にこれは極上にきれいだし、さらにメーターも実走行っぽいからね。内装もきれいとなれば、なかなかお目にかかれないと思うよ」
IKURA
これまで300台以上のクルマを乗り継いできた生粋のカーマニア。日本最大級のアメリカンカスタムカルチャーの祭典“アメフェス”の主催者としても有名。そのほか、ミュージシャンやタレントとしても活躍している。
URL:https://ikura61official.com
INFORMATION
※『Safari』6月号202~203ページ掲載
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写真=瀬田秀行 文=安岡将文
photo : Hideyuki Seta text : Masafumi Yasuoka
cooperation : Luminox, Almond Surfboards,Digna Classic, Deus Ex Machina
photo by AFLO
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