日本の国民食と言えば、寿司や天ぷらなどが思い浮かぶが、「納豆」も日本を代表する食べ物の1つだろう。ナットウキナーゼと呼ばれる酵素タンパク質も含まれ、栄養豊かであることでも知られている。
中国は日本の食文化に比較的近いはずだが、中国では納豆はほとんど食べられていない。中国メディアの捜狐は26日、「納豆の起源は中国にあるはずなのに、中国人は納豆をあまり食べない」と主張する記事を掲載した。

 記事はまず、中国人の間でも「納豆」という食べ物があることはよく知られていると紹介した。アニメやドラマなどに出てくるので「日本の国民食」として知られており、一部には「納豆の起源は中国にある」という説まであるそうだ。実際のところ、納豆の起源には諸説あり、日本で生まれた食べ物という説ももちろん存在する。仮に「納豆の起源は中国にある」なら、なぜ中国人の食卓には納豆が並ばないのだろうか。

 記事によると3つの理由が考えられるそうだ。まずは、農耕社会の中国では「食が豊か」だったため、食べるものが豊富にあったとした。次いで、同じ大豆製品の「豆腐が流行していた」ことと、「調理器具の進化により多彩な調理方法」が編み出され、納豆のような調理を必要としない食料に頼らなくても済んだためとしている。

 この点で日本は、肉食禁止令によりタンパク質が不足気味だったため、大豆で栄養の不足を補う必要があったと指摘した。納豆はまた保存がきくので重宝され、日本人の食卓になくてはならないものになった、と分析している。

 記事の中国人筆者は納豆の歴史について、食に事欠く日本では広まり、中国は豊かだったので広まらなかった、と言いたいようだ。
しかしそれなら、飽食の時代となったいま、先進国の日本で納豆が「国民食」になっているのは説明が付かないのではないだろうか。やはり現在のところ、中国人に納豆の良さを十分理解してもらうのは難しいようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
編集部おすすめ