中国のポータルサイト・百度に26日、「世界で最も完全な形で残っている唐代の建築はなんと日本にあり、しかも日本の国宝になっていた」とする記事が掲載された。
 
 記事は「多くの人は知らないが、日本の奈良市にある古いお寺は中国の唐王朝の高僧・鑑真が自ら建築した盛唐様式のもので、現在まで完全な形で残っているほか、日本の国宝にもなっている」とし、この寺が非常に有名な唐招提寺であると伝えた。

 
 そして、唐招提寺について西暦759年に建立し、最盛期には3000人あまりの僧侶を抱えていたとされ、内部には金堂、講堂、経蔵、宝蔵、会堂、鼓楼といった建物からなっており、そのうち金堂、講堂、経蔵、宝蔵、鑑真像が日本の国宝に指定されているとした。
 
 また、鑑真は江蘇省揚州出身で律宗の僧として厳しい戒律のもとで修行に励んだと説明。当時日本の仏教界が2人の和尚を中国に派遣し、10年の曲折を経て鑑真と出会い、日本に戒律を伝えるよう頼み込んだ結果、鑑真を日本に招くことに成功したと紹介している。
 
 その上で、鑑真によって日本に正しい戒律が伝えられ、数多くの僧侶が輩出されたとともに、鑑真が日本に持ち込んだものは単に仏教の教えだけでなく、医学、文化、芸術、薬学など多岐にわたったほか、当時の唐で流行していた建築、設備の様式も持ち込まれたと伝えた。
 
 記事は、唐招提寺が唐代の建設様式を現在に伝える貴重な存在であるとともに、その様式が日本の建築史に多大な影響を及ぼしたことも指摘。日本にある伝統的な建築の多くに、唐の建築様式の面影を見ることができるのだとした。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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