中国の人口問題専門家で、自身も同サイトで論評を掲載する何亜福氏はこのほど、同サイト上の「同性愛者の人権問題」について言及する論評に着目。
同氏は、青少年網絡聨合盟が改善を求める、中国での同性愛者に対する社会の偏見や、未整備な社会制度などを紹介する論評や、同論評への読者の関心の高さに注目し、「権威ある回答は出せないが」と断りながらも、中国での同性愛者が急増したとされる背景に、1980年代から本格的に導入された「一人っ子政策」があるのでは、との独自の見解を示した。
同氏は同性愛者の急増について、一人っ子政策による、◆性比率の偏り ◆核家族化の進行による、「男らしさ」、「女らしさ」の欠如 を指摘する。同氏は、自身の分析を「ごく初歩的」としながらも、「子どもは1人だけ」という産児制限が、男児の誕生にこだわる中国の伝統習慣をより強め、性比率の偏りを招いた言及。現在問題視されている、若い男性を中心とした結婚難や、同性愛者への「転向」との関連性の高さをうかがわせた。
また、同氏は現代中国の青少年の間で「中性化」が進んでいると分析。核家族化の進行で、「男らしさ」や「女らしさ」を身近に感じる機会が少なくなったことが、同性愛者の増加を助長しているのでは、と推論した。
同氏は、出生率の低下が進む中国で現在、同性愛者の増加する事態は深刻だ、と憂慮を示し、産児制限などの方針転換の必要性を訴えた。
中国政府のこれまでの推計では、中国における男性同性愛者は約100万―500万人とされている。しかし、同性愛者の権利問題などに詳しい、李銀河氏や張北川氏らをはじめとする専門家は、その数は約3000万人に達し、今後増える可能性もあると指摘している。(編集担当:金田知子)
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