神戸市立王子動物園で飼育中だったジャイアントパンダの「興興(コウコウ)」(オス・14歳)が9日、人工授精の麻酔中に死亡した。これに対し、中国は日本にコウコウの死体を保存しておくよう要求、中国の専門家が近く来日し、詳しい検査を行うという。
中国新聞社が伝えた。

 コウコウが死亡した原因については依然として不明だが、香港メディアの鳳凰網は「麻酔薬の量が適当でなかった可能性がある」と報じたほか、中国野生パンダ保護協会および中国国家林業局は3人からなる専門家のチームを日本に派遣し、コウコウの死因について詳しく調査を行う予定だと報じた。

 コウコウは神戸市立王子動物園が中国野生動物保護協から10年の契約で借り受けたジャイアントパンダで、2010年6月9日に借り受け期間を5年延長したばかりだった。

 ジャイアントパンダは中国で国家一級保護動物に指定されており、ジャイアントパンダを中国から借り受ける際には国家林業局の許可が必要となる。

 一般的に、ジャイアントパンダの借り受けは「研究」名目で行われ、借り受け料は数十万ドルから100万ドルとされているほか、仮に中国以外の国でパンダの子どもが生まれたとしても、子どもは自動的に中国籍となることが契約によって決められている。(編集担当:畠山栄)

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