韓国・珍島(チンド)沖で発生した旅客船「セウォル号」の沈没事故について、米AP通信がこのほど捜索にあたっているダイバーにインタビューを行った。ダイバーは「海流が速いうえに海水は冷たい」とし、恐怖で固まった遺体の表情から当時の絶望的な状況がうかがえ、「遺体の目を直視しないようにしている」などと語ったという。


 中国国営電視台(CCTV)はこのほど、米AP通信によるインタビューを簡易投稿サイト・微博で伝えた。ダイバーがインタビューで語った救助活動の困難さや発見された遺体の状態に中国のネットユーザーらも改めて衝撃を受けたようで、多くのコメントが寄せられた。

 例えば、「なんて心の痛む出来事だ。こんなにも若い命が失われるとは」、「亡くなったのが子どもたちばかりだから余計に悲しくなる」、「まだ若いのに、遺族のことを考えると胸が張り裂けそうだ」など、捜索が進むにつれて次々と発見される遺体に中国人ネットユーザーらも心を痛めている様子が伝わってくる。

 また、乗客より先に脱出した船長に対する非難のコメントもいまだに多く、「あの船長を船に行かせて救助活動に参加させろ」、「船を捨てて先に逃げ出した船長の良心はどこにあるのだ? あの時“早く逃げろ”と一言発していれば、どれだけの命が救われたことか」など、怒りが収まらない様子だ。

 ほかには、捜索活動を行っているダイバーらを気遣うユーザーも見られ、「どんなに胆のすわった人でもカウンセリングが必要になるのではないか」など、ダイバーらの精神的な負担が大きいであろうことを案じる声があった。

 また、「想像を絶する苦しみだ。ダイバーは体力が消耗するだけでなく、心に受ける傷も大きいはず」など、ダイバーが心的外傷後ストレス障害(PTSD)になってしまうのではないかと懸念を示す声もあった。(編集担当:畠山栄)


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