現地では、「夏至に犬肉を食べると病気にならない」などして、昔から6月になると犬肉料理を食べる人が多い。また、同地特産のレイシの出荷がはじまる時期であることから、夏至レイシ狗肉節の名が自然に定着していったという。
特に親しまれている料理として脆皮狗肉(ツイピー・ゴウロウ=パリパリ皮の犬肉)があるが、店の看板に大きく書かれた同料理の名から「狗」の文字だけが抜かれ「脆皮 肉」という部分だけが残された。
メニューからも「狗」だけが抜かれたので、料理名が「よくわからなくなった」ものもある。この「狗肉の策」をだれが始めたかはよくわからないが、飲食店経営者はいずれも「愛犬家を刺激したくないから」と説明しているという。
しかし逆に、犬肉ファンの市民からは「違法行為をしているわけじゃない。なんで、こそこそと食べねばならないのか」との不満の声も出ている。
「夏至レイシ狗肉節」について玉林市政府は「業者や民間がそういう言い方をしているだけで、実際にそのような祭りがあるわけでない。市政府、いかなる社会組織も、夏至レイシ狗肉節を実施していない」と説明した。
世界にはさまざまな「食に対するタブー」があり、「資源保護」といった問題がないかぎり、「自分の所属する社会に食べる習慣がない」というだけで、他の社会圏・文化圏ある食習慣を「野蛮だ」などと言って非難することは、そのこと自体を「価値観の多様性を認めない野蛮な考え」と批判することができる。
一方で、「愛犬家を刺激したくない」という理由であれば、玉林市の飲食店経営者の「狗の文字排除」も、「他の価値観を持つ人への配慮」と言う点で、理解できる部分がある。
ただし、「犬が本当に大好きで、食べることなどもってのほか」と考える人がこの時期にたまたま玉林市に足を踏み入れてしまった場合、立ち寄った飲食店で「そうとは知らず」犬肉料理を注文して、食べてしまうリスクが発生することになる。
やはり、まっとうな商売をしているならば、わざわざ「羊頭狗肉」の方法を採用することには問題があるようだ。(編集担当:如月隼人)
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