中国国営の新華社系のニュースサイト「新華網」は9日、「日本が高さ1700メートルの『天空の城』建設の意向」と題する記事を発表した。

 新華網は、「世界で最も高いドバイのブルジュ・ハリファが、その座を日本に奪われるだろう。
日本は1700メートルに近い建築物をつくるつもりだ。高さ828メートルのブルジュ・ハリファの2倍以上の高さだ」と紹介。

 さらに「建造物の名は『スカイ・マイル・タワー』で、次世代の東京『Next Tokyo』の中心的建造物」、「六角形の建物で、風の影響を減らす」、「収容人数は5万5000人。ショッピングセンター、レストラン、ホテル、事務、医療機関が入居」、「地震や台風にも強い」などと説明した。2045年の完成を目指すという。

 同構想は、米国の建築家、デビット・マロー氏によるものだが、新華網は同氏の紹介はしなかった。そのため、記事からは、日本人の計画のような印象を受ける。同記事は、環球網、新浪網など、中国の多くのニュースサイトが転載した。

 環球時報は同話題を中国版ツイッターの微博「ウェイボー」で紹介した。「いいね」を多く集めているのは否定的なコメントだ。上位から、「敗戦祝賀100周年かい?」、「環太平洋地震帯が、役に立たないと言っているぜ」、「日本は地震帯の上にあるのに世界最高の建造物か? 津波に洗い流されるのを待つことになる」、「日本人が昇天の準備をしているってさ」と言った意見が並ぶ。

 さらに「完成したら、テロの仕事ができるな」との書き込みがある。


 中国では、日本の建築技術について、高い評価がある。日本に対して好意的な感情を持たない人の間でも、日本の技術を高く評価する場合が多い。中国で2016年2月9日現在、最も高い建築物は上海タワー(上海中心)で、632メートルだ。ブルジュ・ハリファの828メートルなら、まだ想像力も働き納得もできるが、「東京に1700メートル建物」の話題は、あまりにも違いが大きすぎて「いくら日本でも、そりゃ無理だ」の発想になったようだ。

 なお、中国でも宮崎駿監督(原作・脚本も)のアニメ映画「天空の城ラピュタ」はよく知られている。同作品の中国語名「天空之城」を、新華網は記事見出しに使ったと考えられる。(編集担当:如月隼人)(写真は環球時報が8日に微博に投稿した同話題の画面キャプチャー)


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