日本を訪れる中国人旅行客が爆買いする製品の1つに「包丁」がある。日本の包丁は切れ味が良いうえに長持ちすると高く評価されているためだ。


 一口で包丁と言っても、手軽に購入できる安いものから、プロ仕様の非常に高価な包丁までさまざまであり、用途によって形や大きさも異なる。ナイフや包丁の世界では、ドイツ製もしくは日本製が高く評価されているが、中国メディアの今日頭条はこのほど、日本の包丁の凄さについて紹介する記事を掲載している。

 記事はまず、今日の世界では自動車やカメラと同様に「包丁の分野においても高級なものはドイツか日本製である」と指摘し、日本の高級包丁はドイツブランドの製品よりも低価格でありながら質はドイツ製を上回る場合もあると論じた。

 続けて、欧米の食文化が普及し、日本料理も流行している中国では、「若い人びとを中心に、中国伝統の中華包丁を捨て、洋式や日本式の包丁を好む人が増えている」と紹介。一方で、日本の包丁は用途によって形が異なるうえ、インターネットで購入しようにも情報不足であるため、中国国内ではなかなか買い求めにくいのが現状であると紹介。中国では日本の包丁に対して一定のニーズがあるものの、そのニーズを満たせていないのだという。

 また記事は、牛刀や刺身包丁をはじめ、日本の料理人たち食材に最適な切り方ができるよう、食材に応じて包丁を使い分けることを紹介。さらに、日本の包丁にすばらしい切れ味が備わっている理由として、日本刀から分かるとおり、もともと日本の刃物は切れ味が鋭かったうえ、日本刀の製造が禁じられると日本刀を作っていた刀匠たちが包丁作りに転じたため」であると伝え、日本の包丁の魅力を中国の読者に向けて詳細に伝えている。

 中国人旅行客が日本で包丁を購入しているだけでなく、寿司(すし)など日本料理の普及もあり、中国では日本の包丁を求める人が増えているとすれば、それは日本の包丁メーカーや職人にとって大きなチャンスではないだろうか。安価な包丁は中国でも作れるだろうが、1本1本丁寧に手作りされているような日本の高級な包丁は中国には造れないだろうからだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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